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【はじめに】
この度は、合格体験記寄稿の機会をいただき、誠にありがとうございます。初受験で国連英検特A級に合格できたこと、また二次試験では全評価項目において評価10 をいただけたことを大変嬉しく思っております。
そして、コロナ禍に試験を開催してくださった日本国際連合協会の皆様に、心から感謝申し上げます。
この最難関の試験にこれから挑まれる方の力に微力ながら貢献できればと思い、合格体験記を書かせていただきます。
【一次試験】
■ 使用した教材
■ 勉強方法
一次試験対策は、試験日の約半年前から着手しました。まずは私の持っていた実力と、特A級合格のために必要な英語力のギャップを確かめるために、過去問(参考文献 ① ②)を解くことから始めました。その結果、国連知識と語彙力が不足していることが分かったので、学習開始から約3か月間は、この2つの領域の強化を目的として勉強を行いました。
国連知識を増やすためには、「新 わかりやすい国連の活動と世界」(2019, 三修社)の本文を、全て iPad のノートアプリ(GoodNotes)に打ち込みました。その際、試験で問われそうな単語や文章は空欄にして暗記しました(ノートの左半分には空欄を含む本文を書き、右半分にはそれらの空欄に対応する単語・文章を記載して暗記していました)。国連知識を問われる大問1 では、指定教材に載っている形容詞や名詞をそのまま問われることも多いです。それ故、高得点を取るためには教材の本文を飲み込むのが一番早いと思いますが、全文暗記は時間的に厳しいと感じたため、私はこの勉強法で学習を進めました。教材の中で知らないことがあればその都度詳しく調べて、補足情報としてノートに書き加えていきました。こうすることで、単なる暗記に終わらず、内容を深く理解しながら知識を深めることができました。
また、平和維持活動や軍縮の歴史など、時系列での理解が求められるものについては別のノートにまとめ、出来事や条約を年号とセットで暗記するようにしました。無味乾燥な暗記作業となっては意味がないので、出来事や条約についてはインターネットや書籍で詳細な背景を調べ、自分で説明ができるようになるまで学習しました。
この国連知識と、それに付随する歴史や国際情勢の知識が、一次試験の作文対策や二次試験の土台となったと思います。
語彙力強化のためには、参考文献に挙げたボキャブラリー教材(④ ~ ⑩)を毎日読み、語彙力を着実に伸ばしていきました。
特A級を突破する語彙力を鍛えるためには、日本語訳の暗記をするのではなく、語彙の本質的なイメージや、実際の使われ方、類語とのニュアンスの差異を理解することが求められます。そのため、自分が知らない単語は英英辞典を引いてその意味を確認し、類語との違いを調べるようにしました。加えて、その単語が実際に使われているニュース記事や論文などに触れることで、その語彙のニュアンス等も理解しつつ覚えることができました。
国連知識と語彙力の増強を中心に学習しながらも、Foreign Affairs や The New York Times、UN News などの英文記事は並行して読むようにしていました。大量の記事を読んでいると、覚えた単語や表現が偶然使われていたり、学んだ国際情勢について書かれていたりすることも多くあり、そういった時に学んだ知識がより定着します。特にForeign Affairs には良質な記事がたくさんあり、非常に洗練された英語の表現や、国連英検でも扱われる可能性の高い国際情勢を学ぶことができ、大変有用です。UN News では、現在進行形で起こっている出来事についての国連の動きについて学習でき、国連知識のあやふやな部分の復習をするきっかけにもなりました。
試験3か月前からは、国連知識と語彙力は引き続き強化しつつ、読解力強化と作文対策のための学習も本格的に始めました。
読解力強化と作文対策は並行して進めると効果的なので、Foreign Affairs や The New York Times などの記事を読みながら、作文や二次試験で使えそうな表現や構文を抜き出してメモするようにしました。またその際には、その表現や構文を使って自分で文章を作るようにも心掛けたことで、より使える英語力がついたと思います。このようにアウトプットを意識しながらインプットをすることで、より実践的な英語力が身に付き、読解力やスピーキング力の伸長にも大変役に立ちます。表現や構文の吸収と同時に、読んだ記事のトピックについても、新書や様々なwebサイトや動画でその背景を詳しく調べていき、自分の意見をすぐに書き出せるようにも準備しておきました。
作文対策については、過去問の回答例や、参考文献に挙げた書籍(参考文献 ⑪ ⑫)、それからなみすけさんのサイト(参考文献 ⑬)などを参考に、自分の書きやすいフォーマットを作成しました。フォーマット自体はシンプルで、まず結論(自分の主張・意見)を書き、続く段落でその理由(ここに具体的な事例や国連知識を盛り込む)を書くようにしました。この理由の段落についても、結論と理由という構成にし、全体としてピラミッドストラクチャーになるように意識しました。
【二次試験】
■ 勉強方法
二次試験では、様々な問題についての知識を持ち、かつその問題について自分の意見を英語で発信できるようにしておく必要があります。そのため二次試験対策では、次の二点を重点的に学習しました。それは ① 国際情勢の知識のインプット、② スピーキング力強化です。
① 国際情勢の知識のインプット
幅広い問題について知り、自分の意見を考えるためには、膨大なインプットが不可欠です。私は日々、Foreign Affairs や The New York Times の記事をひたすら読んで、そのトピックの背景や歴史を丁寧に調べ、まとめました。背景を調べるにあたっては、YouTube動画(BBC / NPR / CNN などのニュースメディア、「VOX」「Timeline-World History Documentaries」「Reuters」「DW Documentary」などのチャンネル)や、書籍を活用しました。
記事を読むときには、「筆者の主張を一言で言えば、何か?」という疑問を常に念頭に置いて、その疑問に対する自分なりの回答の仮説を持ちながら、論の展開を追っていきます。この筆者が言いたいことは端的に言うとどういうことか?という点を意識して読むようにすることで、研究者間の意見の違いや問題の論点を浮き彫りにすることができ、その蓄積によって自分の意見に深みが出てくるので、疑問・仮説を持って読むことはとても重要です。
また、それぞれの問題については「何が起きているのか(具体的な事象)」「その事象によって、誰がどういった点で困るのか(課題)」「原因」「解決策」「国連や世界各国の動き」という4点を意識してまとめました。この5点を押さえて意見をまとめておけば、すっきりと意見をまとめることができ、また面接では大抵の質問に答えられると思います。
個人的には、VOX という YouTubeチャンネルの、「VOX Atlas」というコンテンツがとても分かりやすく、ウクライナ情勢や中東問題についての背景知識を効率的に獲得することができたので、おすすめです。
また、面接の最後に設けられる、自分の好きなトピックを選んで意見を主張する時間に備えて、自分の興味のあるトピックを選んでおき(私はロヒンギャ問題とアフガン情勢を選びました)、これらについては他のトピックよりもさらに踏み込んだリサーチをするようにしました。Webサイトや動画で得た基礎的な知識をもとに、より深い解説が載っている書籍や動画、研究論文などにあたり、その問題の論点や解決策を英語で深く話せるように準備しました。
② スピーキング力強化
私は現在、日常的に英語を使う環境にはいませんので、スピーキング力強化にあたっては、一人で意見を口頭で述べる練習を繰り返し行いました。
合格体験記や様々なサイトから、二次試験で問われる質問を予想して想定問題集を作成しておきました。この想定問題集については、記事で読んだトピックについて 2~3個質問を予想して用意しました(結果的には質問されませんでしたが、ウクライナ情勢については必ず問われると事前に予想して、様々な観点から質問とその回答を用意しておきました)。
また、一次試験対策時や二次試験対策過程でインプットした語彙や表現も、できるだけスピーキング練習の際にアウトプットし、単純な構文の繰り返しに陥らないよう、幅広い表現を運用できるように練習しました。特に分詞構文や無生物主語構文と呼ばれる構文などは、慣れないと使いこなすのが難しいので、普段から意識的に使って、運用できる状態にしておくことが肝要だと思います。こういった表現を使うことで文章が引き締まり、自分の主張を論理的かつシャープに伝えることができます。また、ニュアンスや用法に気を付けて適切な単語を判断しながら、自分の意見を発信する経験を積むこともとても重要です。
私が二次試験で聞かれた質問は次のようなものでした。
試験自体はカジュアルな雰囲気で行われますが、考える隙を与えられないほど矢継ぎ早に質問が飛んできます。そのため、インプットした知識やそれに基づく自分の意見を、短い時間(30秒~長くても 45秒程度)で発信する必要があります。もちろんこの際にも、結論と理由、具体的な知識を組み立てて分かりやすく伝えなければなりません。こうした反射力とも言うべきものを鍛えるためにも、普段から英語でインプット/アウトプットすること、また幅広い問題について自分の頭で考えるということがとても大切だと実感しました。もちろん知識を効率的にインプットするためには日本語のメディアも大いに活用したほうが良いですが、英語でのアウトプットを意識しておく(日本語の記事を英語で要約するなど)ことをお勧めします。
面接ではもちろん自分の発信した意見に対して、更に質問や突っ込みが飛んでくることも多いです。それに対しても適切に回答する必要があります。そのため、普段からインプットする知識や、ある問題についての異なる立場の意見を知っておき、自分の意見に対する反対意見もある程度想定して準備しておくのが良いと思います。
【おわりに】
英語も、日本語と同じように、ひとつひとつの言葉や表現に様々な文化や伝統、歴史が織り込まれています。私は、言語の土台になっている文化・伝統・歴史、そしてひとつひとつの言葉自体の視覚的・聴覚的な美しさを感じ、学ぶということに、人間が言語を学ぶ意義があると信じて英語学習をしています。それが、違う国や文化の人との意思疎通の土台となり、そういった強固な土台のもとにコミュニケーションをすることが相互理解につながり、延いてはそれが世界平和につながっていくと考えています。
「相手に伝わればそれで充分である」と割り切って学ぶのも一つのやり方で、また「これからは機械が翻訳してくれるから言語学習は不要」という考えも一つの見方です。ただ、言葉というものを学んで、人間という存在やその文化・伝統・歴史を深く理解し、そういった教養を持っていろいろな人とコミュニケーションを取ることができる悦びは、やはり言語学習の努力が結ぶ最高の果実ではないでしょうか。これはやはり実際に言語を学習しなければ味わえないものだと思います。
国連英検特A級は特に難しい試験ですが、国際人の教養が身に着けられるという点でも、先に述べたような言語学習の楽しさを感じることができるという点でも、素晴らしい試験だと思います。いろいろと書かせていただきましたが、私自身、国際情勢の知識においても、英語力においても、まだまだ向上の余地があると感じています。そのため、合格という試験結果に甘んずることなく、これからも継続的に勉強していきます。
末筆ながら、皆様のご健闘を心よりお祈り申し上げます。
保有資格 » 実用英検 1級 TOEICスコア 990点 TOEFLスコア 109点 IELTS Overall 8.0 留学経験 » なし 職業等 » 教職員(私立高校) |
はじめに、合格体験記寄稿の機会をいただき、ありがとうございます。一次・二次試験共に基準点をわずかに上回る程度ではありますが、運よく初挑戦で合格を勝ち取ることができました。英語を教える立場ではありますが、私自身に留学経験はありません。英語資格試験として最難関と名高い国連英検特A級に挑戦しようとする方々に、そんな私の体験記が少しでも参考になれば幸いです。
【試験対策について】
こちらのサイトの合格体験記が大変参考になりました。特に2021年度第2回の合格体験記は勉強の方法論が数多く掲載されており、必見です。また、学習への意欲が増すような力強いメッセージも多く含まれ、折に触れて拝見しておりました。このように合格体験記に助けられた部分が大きく、自分自身がこの体験記を書く強い動機にもなりました。そういった方々の体験記を前に大変僭越ではありますが、私が行った試験対策は下記の通りです。
<一次試験対策・使用教材>
仕事の合間を縫っての学習になりました。平日は指定テキスト、暗記・単語アプリを隙間時間に、休日に過去問、という要領で学習を進めていました。暗記アプリでは過去問で出会った未知語をデータ化して、覚えるようにしていました。
いざ対策するにあたり、国際関係について専門的な知識を持たないため、合格体験記で掲載されていた学習法が大いに参考になりました。個人的に対策する上で意識していたのは、国連の知識が絡む大問1 と 9 です。大問1 の国連の知識に関しては、時短のつもりで過去問ベースで学習を進めていました。しかし、大問1 はここ最近で出題傾向が変わったことが判明し、本番では悲惨な結果に終わりました。時間がかかろうとも、指定テキストの重要箇所をデータ化して暗記アプリを利用すべきでした。大問9 の英作文は過去問の模範解答に国連の知識がふんだんに盛り込まれており、ここまでの知識のインプットができるか正直不安でした。しかし、たまたま本番では書きやすいトピック(climate change)が出題されたので、なんとか時間内に書き切ることができ、また結果も満足のいくものでした。
大問2〜8 の読解と文法セクションは、正攻法で英語力が問われます。各大問によって難易度のムラがあり、難しいものでは英検1級を超える難易度となります。おそらく多くの方が英検1級を取得された後に国連英検特A級を志すことと思いますが、受験を検討される場合は、大問2〜8 の完成度がベースとなる英語力の指標になるでしょう。具体的には、合格基準点がおよそ7割であることを考えると、この大問2〜8 で 7〜8割の得点率が必要となります。もちろん、試験時間 120分のうち、英作文のための時間(20〜30分)を残す前提です。私の場合、これらの前提を踏まえた上での過去問演習が大変有効でした。特に大問3〜4 は英検1級にはない、文法を突いてくる問題なので英検1級からの移行の際には少し戸惑うかもしれません。過去問を複数年度通して演習することで出題ポイントが明らかになり、回数を重ねるごとに得点率の伸長が実感できるでしょう。大問5〜8 の語彙問題は英検1級+αの語彙力を多角的に問われます。前述の英検1級単語アプリと暗記アプリ、そして単語帳で十分対応可能と思われます。大問2の長文読解はパラグラフの関係性といったマクロの視点から細かい内容理解といったミクロの視点まで細かく問われます。これに対しては、過去問演習のみならず仕事や趣味で接する英文の読了後に、全体の構成や事実関係の確認をする復習を習慣化することで、普段の学習が対策に結びつくよう心がけました。
<二次試験対策・使用教材>
一次試験をかろうじて合格した後は、二次試験の対策をすぐさま始めたかったのですが、仕事の忙しい時期と重なってしまい、ルーティン以外にスピーキングの練習ができず、二次試験本番約1週間前まで本格的に取り組むことができませんでした。限られた時間でもベストを尽くそうと、対策本で大まかな面接の流れを調べると、面接シートに自分の関心のある事項を書くことができるとわかったので、なるべく自分の得意な分野で話ができるように面接シートの記入を工夫しました。
そこからは考えうる限りの想定問答をシミュレーションしました。自分が答えに困るところがあればBFや信頼できる公式情報源を参照した上で知識のストックをし、英語で自分の言葉でのアウトプットをしました。よく言われる対策法に、典型的な解答例を暗誦する、というものがありますが、私は採用しませんでした。知識の裏付けがなく、言葉が上滑りするように感じられたので、国際関係の諸問題をなるべく「自分ごと」にしようと工夫しました。
二次試験のやりとりを思い返すと、基準点ギリギリでこそありますが、この「自分ごと」にしようとする工夫が合格として結実したのかもしれません。十分に準備ができていない分野(ロシア・ウクライナ問題、安倍首相暗殺、原子力問題)については、ありきたりな回答しかできませんでしたが、自分が準備した分野(ジェンダー平等、環境問題など)はきちんと回答ができました。具体例を挙げると、私はモータースポーツ、特に F1の大ファンなのですが、これらは地球環境保全の立場から批判の的になっています。レースカーからの排気ガスだけでなく、大量の人員や機材を世界を股にかけて輸送するロジスティクスに伴い発生する温室効果ガスが大きな原因です。このように、自分の趣味と環境問題とを関連づけて語るようにすると、話している内容への自信も、学習のモチベーションも大きく増進しました。グローバル化が進む昨今においては、身近な趣味・関心事でも国際的な諸問題と無関係ではいられません。その接点を見つけ、話の糸口にしようとする姿勢を、二次試験対策の限られた時間の中で学びました。そして、国連英検受験を通じて得たこの学びに、自分の成長を強く実感しました。
【おわりに】
国連英検特A級を受験して一番強く感じたのは、もっと早く受験しておけばよかったということです。受験勉強を通じて、高度な英語のスキルだけでなく、国連や国際関係の知識が蓄積され、視野が広がることはもちろん、何より合格するために突破すべき二次試験において、世界規模の問題と自分自身を座標軸として関連づけていく姿勢が養われる機会は、国内において国連英検のみが与えてくれるものであると言って差し支えないでしょう。
試験の難度に怯まずに、果敢に国連英検特A級に挑戦することを推奨いたします。私などは英検1級取得以降に尻込みしてしまった側の人間ですが、この挑戦がもっと早ければ、自分の人生がどのようなものになっていたかを想像せずにはいられません。幸いに教員という職業は、こうした教訓を後世に語り継ぐことができます。この体験記が、受験を検討されている皆様の背中を押すこととなればこれに勝る喜びはありません。
保有資格» 実用英検 1級 TOEIC スコア 950点 IELTSスコア 8点 実用フランス語技能検定 準1級 留学経験» ウガンダ共和国(9カ月) 職業等 » 学生(2022年4月麗澤大学卒業、10月より英国オックスフォード大学大学院) |
この度は、国連英検特A級に無事合格することができ、大変嬉しく思います。また、昨今の大変な状況の中、試験を実施していただいた皆様に、感謝申し上げます。
「一次試験」
私にとって、今回の受験は2回目の挑戦でした。2021年の第2回目に初めての挑戦をしましたが、一次試験で不合格となりました。その際、私の弱点として分析したのは、国連の知識を問う大問1 と単語でした。大問1 については、過去出題された問題を中心に、「新わかりやすい国連の活動と世界」を使って対策を行いました。単語については、The Economist を読み、わからない単語があればその都度確認し、単語力を養いました。個人的見解ですが、The Economist は英字新聞の中でも特に難易度が高いと思います。特A級合格を目指す方には、ぜひ The Economist をおすすめします。
また、学術論文や国連の報告書を読んでいたことと、フランス語を勉強していたことは、今回の合格に大きな役割を果たしたと感じております。私は数年前から、大学院に入るための勉強として学術論文や国連などの国際機関がオンラインで公開している報告書などを読んでおりました。こうした論文や報告書では、特A級で出てくる難易度の高い単語にたくさん出会うことができます。私にとって、研究と国連英検対策を同時に行う手段として、こういった文献を読むことは最適の勉強方法でした。
フランス語を始めたきっかけは、アフリカの多くの国でフランス語が使用されているからです。私は大学1年の時からアフリカに興味があり、それ以来研究を続け、将来的にはアフリカに関わる仕事をしたいと思っております。当然、アフリカには多くの言語があり、できるだけ現地に元々根付いている言葉でコミュニケーションを取ることは理想的であります。しかし、2000 ほどある言語を全て習得するのは現実的ではありません。やはり、アフリカに関わる上で英語とフランス語は欠かすことはできないのです。話は戻りますが、フランス語と英語には似たような単語が多く存在します。さらに良いことに、フランス語で日常的に使われる難易度の単語が、英語では高い難易度のものとして用いられ、国連英検でも出題されます。例えば、フランス語で「簡単な」という意味の単語は「facile」ですが、全く同じ綴りの単語が英語にも存在します。また、「増加する・増加させる」という意味のフランス語に「augmenter」というものがありますが、英語にも似たような「augment」という単語があります。このように、フランス語を勉強すると、その相乗効果として英語の単語力もより深いものとなります。短期的な対策には向きませんが、もし長い時間をとって対策なさる方は、試してみるのも良いかと思います。
「二次試験」
二次試験対策で最も有効だったのは、「独り言作戦」です。どういうことかと言いますと、あるトピック、例えば難民やアフリカにおける平和構築などを設定し、自分でそれについて意見を述べるというものです。その際に意識したことは、覚えた言い回しや単語を積極的に使い、「知っている単語」から「使える単語」へと変換していくことでした。一次試験のリーディングは「知っている単語」で対応できるのですが、スピーキングでは、見てようやく思い出すような「知っている単語」ではなく、何も見ずに使うことができる「使える単語」が必要不可欠です。
特A級のスピーキングでは、質の高い議論を展開する必要があります。そのため、Sky News などを聴き、ネイティブの方がどのように議論を展開するのかを学びました。また、国連職員の動画を閲覧し、専門用語に耳を慣らしました。
「おわりに」
私はいわゆる帰国子女ではありません。大学学部受験の勉強もせず、誰もが知っている名門大学に入学したわけでもありませんでしたし、お恥ずかしいですが、大学に入るまで be動詞をしっかり理解していませんでした。しかし、勉強を続けた結果、こうして特A級に合格することができました。国連英検特A級は帰国子女だけが合格できるような試験ではありません。結局、日本で最も難易度の高い英語の試験といわれる特A級も、他にいくつも存在する英語試験の延長線にあるもので、勉強を根気強く続ければ誰でもいつかは合格できます。例え不合格になってしまったとしても、一喜一憂せず、根気強く勉強していくことが大切かと思います。
保有資格 » 実用英検 1級 IELTSスコア 8.0 留学経験 » 家族の駐在のためアメリカに 4年半滞在(7歳から12歳) 職業等 » 学生(広島大学付属福山中学校 3年) |
この度は国連英検A級に合格させていただき、大変嬉しく思います。
私の国連英検受験のきっかけは、昨年度の国際理解・国際協力のための全国中学生作文コンテストでした。作文を書くにあたり、国連が携わっている活動に興味をもつと同時に、国際情勢についても関心が強くなり、受験を決意しました。
試験勉強は、自分のペースで 1年弱程かけて行いました。簡単にはなりますが、この合格体験記が、将来A級を受験される方達の参考になれば幸いです。
<1次試験対策>
■ 使用したテキスト
■ 対策
1次試験対策として、以下の参考書と問題集に取り組みました。
まず最初に「新わかりやすい国連の活動と世界」を繰り返し読みました。
その後、「国連英検 過去問題集 2019/2020年度」を解き、出題形式に慣れるとともに、分からない単語や熟語の意味を調べて、ノートにリスト化しました。リスト化にあたっては、どういう場面で使う表現なのかという情報も付記し、それを何度も読み返すようにしました。
ライティングについては、「UN NEWS」を1日1つ読み、その記事の要点を 150〜200語前後でパソコンにまとめ、繰り返し読めるようにしました。また、過去の国連英検のライティングの課題を元に、1週間に 2トピック、200語〜250語のエッセイを書きました。それがライティング力の向上だけではなく、2次試験対策にもつながっていったと思います。
<2次試験対策>
■ 使用したテキスト
国連英検特A級・A級面接対策(日本国際連合協会) 2021年発行
■ その他
The Japan Times alpha
UN NEWS
The New York Times
CBS News
■ 対策
まず、上記のテキストを熟読しました。過去の受験者の発言等、実際のやり取りが例として文章化されているので、これにより面接を想定した準備がしやすくなりました。
1次試験後からは、ニュースをまとめるだけでなく、自分の意見を英語で明確に語れるよう努めました。それと同時に「国連との関連性」や「国連には何ができるか」もあわせて考えるようにしました。
しかし、学習するほど知識がまだまだ足りない部分を実感しました。私はその対策として、自分が自信をもって話せる話題の情報を集め、400語〜500語程度のエッセイにまとめるようにしました。色々な事を学ぶことは大切ですが、SDGs課題の水問題1つを例に挙げても、公衆衛生・貧困問題へと関連しています。関心があり自信をもって話せる話題から、つながりを見つけていく方法も良いかもしれません。
本番の面接では、知識不足の話題がやはりありましたが、自分なりの意見を丁寧に伝えることを意識したのが、良かったと思います。
<最後に>
次は特A級合格を目標に、国際情勢や国連の活動に関心をもち続け、より明確な意見を述べられるよう、自己研鑽に励みたいと思います。
コロナ禍の中、安心して受験できる環境を整えてくださった日本国際連合協会の皆様に心より御礼申し上げます。
保有資格 » 実用英検 1級 留学経験 » 米国に現地の小学4年生まで 職業等 » 洗足学園高等学校 1年 |
この度は国連英検A級に合格することができ、たいへんうれしく思います。国連や社会情勢について詳しくなりたいと思ったことが、受検したきっかけです。
【1次試験】
国連の機関や仕組みについて学習するために、「新 わかりやすい国連の活動と世界」を重要な事項をハイライトしながら勉強しました。また、時事問題を把握するために、「世界の経済・政治・社会問題の知識と英語を身につける」を読みました。「世界の経済・政治・社会問題の知識と英語を身につける」は、テーマ別や国別になっていてわかりやすく、通読するかたちで英語と日本語とどちらともで勉強することができました。
ボキャブラリーや文法については、国連英検対策に限定したかたちとしては取り組む時間が十分確保できませんでしたが、日々の学校での帰国生向けの英語の授業や、TOEFL対策として取り組んでいたものが役に立ちました。過去問題集は出題形式や傾向を確認するにとどめ、過去問の各問題を詳しくみて解くということは行いませんでした。
【2次試験】
1次試験の結果通知から2次試験までの1週間で、とくに BBC、AP、The Guardian のニュースを読んだり、1次試験対策のときと同じく、「新 わかりやすい国連の活動と世界」と「世界の経済・政治・社会問題の知識と英語を身につける」を読んで 2次試験に備えました。自分で想定質問を考えて、その回答スピーチを何度も繰り返して練習しました。
実際の 2次試験では、最初に面接シートに記入していた自分に関することを聞かれました。その後、世界情勢について何に一番興味がありますかと聞かれ、地球温暖化や SDGs、ウクライナ情勢、いまアメリカで話題になっていることと回答したところ、それについてさらに詳しく質問がありました。2次試験の時間はそれほど長くなく、10分ぐらいだったと思います。
<使用した参考書等>
国連英検の受検準備をとおして、国連の仕組みや国際社会の情勢を知ることができ、とてもよかったと思っています。