保有資格 » 実用英検 1級 留学経験 » ジョージタウン大学 外交政策大学院 外交政策学修士課程 職業等 » 国家公務員 |
この度は国連英検特A級に合格することができ,大変嬉しく思います。私自身,対策として最初に取り掛かったのが,この合格体験記を読み込むことであり,大変役に立ちました。社会人として,仕事と並行して学習を続けることは容易ではありませんでしたが,そうした経験をシェアすることで,これから受験する方々にとって少しでも参考になれば幸いです。
学習期間は約1年間です。1日の学習時間については,最初の半年は 1~1時間半,残りの半年は 2~3時間を学習に費やしていました。まとまった時間が確保できる週末には,1日 5~6時間を学習に費やしていました。
【一次試験】
まずは情報収集です。冒頭で触れましたが,最初に着手したことは合格体験記を読み込むことでした。細かな違いはあるものの,合格者には共通の対策方法があることが分かると思います。私の場合,直近3年分の体験記をプリントアウトし,自分にとって有意義な情報をハイライトし,学習に組み込みました。
上記の作業を通じて確立した主な一次試験対策は以下のとおりです。
①について,特A試験において英検1級レベルの単語の暗記は必須です。私は『英検1級でる順パス単』を活用し,全ての単語を暗記する勢いで取り組みました。元々英検1級対策時に何周もしていましたが,取得からだいぶ時間が経過していたので,大部分がすっかり抜け落ちていました。1年で少なくとも 10周はしたと思います。仕事のお昼休憩時など,隙間時間を有効活用しました。
②について,大問1のベストな対策方法は指定テキスト『わかりやすい国連の活動と世界』(これから学習する方は『新わかりやすい国連の活動と世界』)の暗記であることは多くの合格者が語っています。全ての内容を暗記すべきでしょうが,個人的に最低限行ってほしい作業は,過去問で取り上げられた問題の暗記です。空欄だけでなく,その他の重要箇所も確認してください(例えば空欄前の年号)。個人的な感触ですが,この作業をしっかり行うことで 10問中半分はとれると思います。私の場合,4年分の過去問をチェックし,出題された箇所をすべてテキストに付箋でしるし付けし,その箇所は重点的に暗記しました。実際にやってみると,特定の問題が過去何度も問われていることが分かります。
③について,過去問を一度解き,出題傾向を知るだけでなく,自分の弱点を理解することは大切です。この作業は本番での時間配分を考える上で参考になります。私の場合,大問2の長文読解が苦手だということが分かったので,本番ではエッセイ前の大問1~8中の最後に解くようにしたことで本番ではリラックスして取り組むことができた結果,減点を最小限に食い止めることができたと思います。また,文法問題については過去問を通じて安定して点数が確保できることが分かったので重点的な対策は行いませんでした。その代わり,下記④の習慣において,文法構造を意識して多読を行うようにしていました。
④について,日頃から常に英語に触れ,自分の脳を英語脳にしておくことは大切だと思います。私の場合,具体的には New York Times,TIMES,Foreign Affairs,UN News 等を多読し,家に帰宅したら CNN やポッドキャストをかける(これはじっくり視聴するのではなく,テンションを上げるため),また毎日オンラインで英会話レッスンを行っていました。日頃から分からない単語に出くわした時は自作の単語帳にストックし,隙間時間に覚えるようにしました。実際,本番ではその中から出題された単語もありました。一つだけこだわったことは,読み物の中に New York Times や TIMES 等の世界的に発行されているものを含めるということです。これらはやはり世界中で読まれているだけあって難易度も高く,使用される単語,構文,言い回しが良質で,特A級対策には必要だと感じました。普段から英語に触れられる方は良いですが,そうでない方は積極的に英語に触れられる環境作りを行うことは大切だと思います。
【二次試験】
主な二次試験対策は以下のとおりです。基本的には上記④の対策を一次試験後にも継続して行いました。
①について,これも多くの合格者が述べていますが,国連の基本的な活動について,自分の意見を持つことが大切です。まずは活動内容をしっかりと把握し,「自分が日本のリーダーだったら」という視点で日本が取り組むべきことについて考えることが大切だと思います。実際,本番では試験官から『あなたが総理大臣だったら,この問題についてどのような政策を実施しますか』といった質問が飛んできました。私の場合,毎日 1つ記事を選んで,パソコンのワードにその問題と対策を書き加えていくことで自前の想定問答集を作りました。広く浅く,何を聞かれても最低限答えられるレベルを目指しました。余談ですが,面接カードに書いた自分の情報については,完璧に説明できるように訓練しておいた方がよいと思います。例えば,自分の「職業」を書く欄がありますが,自分の職業と関連する昨今の国際問題,またその対策について説明できるように準備します。これは,試験官が面接カードを参考に最初の質問を投げると想定する(実際に私の場合はそうでした)と,そこで躓いてしまうと印象が良くないからです。逆に,この訓練を通じてあらゆる国際問題と自分をリンクづけられれば,試験官の質問に対する回答に自分のパーソナルな知見を盛り込むことができ,会話を自分の土俵に持ち込みやすくなると思います。
②について,これはインプットしたことをアウトプットする訓練です。私の場合,毎日最低 30分間はオンライン英会話を通じてアウトプットの訓練を行いました。普段日本語ばかり喋っているので,口を英語に慣れさせる必要がありました。二次試験で評価される項目のうち,特に Pronunciation,Fluency,Communication は,普段どれだけ意識的に英語に触れているかで変わってくると思います。
【最後に】
国連英検は難易度の高い試験であるが故に,その合格を掴むことは,日本人が世界のグローバルプレイヤーと伍して闘う上で大きな自信を与えてくれるものだと思います。今後は継続的な語学学習に加え,専門的な知識や経験を養うことで,GLOBAL PROFESSIONAL として日本及び世界に貢献できる人材になれるよう精進してきたいと思います。
保有資格 » 実用英検 1級 留学経験 » アメリカ、ケニア(勤務のため) 職業等 » 防衛省・陸上自衛隊 |
1.はじめに
この度国連英検特A級及びA級に合格することができ、大変光栄に思います。数ある英語検定の中でも、この国連英検特A級とA級は大変難度の高いものと聞いておりましたし、実際に受験してみて私自身の実感としてもそう思います。日々の勉学を積み重ねされておられる全国の同志、英語学習者の皆様のため、私の経験が少しでもお役に立てれば幸いです。
2.受験までの経緯
英検1級合格後、自己の能力を更に高めるため、最難関の呼び声が高い国連英検特A級の受験を早くから意識しておりました。また、職場での勤務内容が国連英検の内容と関わっていることもありました。現在、私は国際平和協力活動や、海外の組織の能力向上を支援する活動などについて情報収集、分析するとともに、状況によりそれらの活動に自ら参加するといった仕事をしています。2019年にはケニア共和国において、国連の一員として、国連、ケニア軍と連携して、ウガンダ軍の能力を向上させるための活動に参加させて頂きました。実際にニューヨークの国連本部( DOS:オペレーション支援局)や、国連ナイロビ事務所(UNON)のスタッフの皆様と調整業務をしたりと、国連を身近に感じることができたことは、私の学習意欲を一層強くしました。加えて、定年退職した後には国連や NGO などの国際活動にボランティアとして関わることが私の将来の夢でもあります。そのため、なんとしても国連英検特A級に合格して、またその過程を通じて早いうちから自分の国際関係に係るスキルアップを図りたいと思い受験を決意しました。
3.一次試験の準備と受験
一次試験の準備として、ボキャビル、国連や国際関係学に関する理解の深化、実践力の強化の順で学習を進めました。まずボキャビルですが、学習を始めた当初、英検1級レベルでは太刀打ちできない圧倒的な語彙力不足を痛感しました。このため、市販されているおそらく最高難易度の単語帳を片っ端からつぶしていくことから手を付けました。三修社の「テーマ別時事英単語集」もその一つです。ボキャビルは学習の過程でおそらく最も重要かつ苦しい部分だと思います。次に、国連や国際関係学に関する理解を深化するため、指定テキストである三修社「わかりやすい国連の活動と世界」と 9月からは「新・わかりやすい国連の活動と世界」を何度か通読しました。あわせて、洋書になりますが、United Nations Publications の「Basic Facts About the United Nations」を取り寄せ国連の理解を更に強化するとともに、OXFORD UNIVERSITY PRESS の「INTERNATIONAL RELATIONS」などを通読し、国際関係論の基礎的理解を深めました。私はもともと政治学が専攻だったのですが、特に特Aの長文や作文は政治学・経済学の基礎に加えて国際関係論の基礎的理解が無いと非常に苦しくなると思います。このため、準備の時間の余裕がある方はこれらの関連書物を紐解くことをお勧めします。次に実践力の強化ですが、これに関しては過去問の徹底的なやり込みに尽きると思います。「国連英検過去問題集」の 2013から 2016年度版までの 2冊、ケニアからの帰国後は 2019年9月に出た 2017/2018年度版をとりよせ、納得行くまでひたすら解きました。また、国連英検の学習開始前から、ロイター、NBC、CNN などにより国際ニュースについては毎朝ウォッチしておりましたが、国際情勢のキャッチアップは英作文や二次の面接にも直結するため非常に重要だと思います。
一次試験本番は、時間配分と集中力の維持がカギになると思います。長文も作文も非常に量が多いため、過去問を解いて得た時間感覚を大事にして、分単位で練習と同じペースで解き続けることに心掛けました。作文については、書き始める前に全体の構成と盛り込むべき関連情報について考察することが重要だと思います。いわば設計図作りです。私は本番でも3~5分ほどはこの作業に費やしました。
4.二次試験の準備と受験
二次試験の準備としては、まずは国際情勢キャッチアップの強化、国際問題についての論点の蓄積、そして会話練習に努めました。国際情勢のキャッチアップと論点の蓄積については先ほど記載した通りですが、最後の最後まで日々のニュースを追うことが重要です。併せて、国連のホームページやポッドキャスト(動画)に目を通し、現事務総長のポリシーや関心事項は何か、今どこで何が問題になっているか、それに対して国連はどうしようとしているかについて情報収集するとともに、自分なりの意見を蓄積していきました。会話練習については各人の環境や予算に合わせて、最適な方法を選択するのが良いと思いますので細部は割愛しますが、国際情勢を議論できるようなネイティブの方が身近に居れば最高だと思います。
二次試験本番は、自分が今まで積み重ねてきた学習や人生経験などを包み隠さず、誇張せずに表現することが重要だと思います。良く理解できていないことを話そうとしたり、自分を大きく見せようとする行為は、百戦錬磨の面接官には簡単に見抜かれてしまいますし、下手をしたら誠意を疑われる可能性すらあります。自分のありのままを表現できればそれで充分だと思います。私は面接本番ではひたすらこのチャンスを楽しもうとリラックスし、結果的にそれが功を奏したのか全項目満点を頂きました。それに関連してですが、面接カードの構成を事前に把握し、自分は何を深く話せるか(マイ・スペシャルティー)という観点から、何を書くかについても事前に選択して準備しておくと良いでしょう。
5.終わりに
国連英検ための学習と受験を通じて、自分自身の成長を強く感じることが出来ました。本当に素晴らしい試験だと思います。本試験が終わったときに得られる自分自身の成長の実感のためにも、全国の英語学習者の皆様も、あきらめることなく努力を継続されること、そして成功を祈念致します。
最後にこの場をお借りして、私の学習についてご理解、応援を下さった職場の上司、同僚、そして家族に感謝の気持ちを伝えさせて頂きます。ありがとうございました。
保有資格 » 実用英検 1級、TOEIC スコア 945点 留学経験 » アメリカ1年間(カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)大学院) 職業等 » 大学専任教員 |
この度は国連英検特A級に合格することができ、大変嬉しく思っています。それまで英語の資格にはほとんど関心がなかったのですが、3年前より大学で専任教員として英語を教えることとなり、自らの専門だけではなく英語科教員としての自らの価値を高めるべく国連英検を受験しました。以下参考となれば幸いです。
【1次試験】
1次試験対策で最も時間を費やすべき点は、国連に関する知識を付けることと、過去問を解くことです。
第一に、国連に関する知識としては、指定テキスト『新 わかりやすい国連の活動と世界』がありますが、これだけでは大問I(国連関連知識)を解くことはできても、エッセイ問題(英作文)で十分な点数を取ることはできません。このテキストは約300頁ありますが、内容が日本語と英語に分かれているため約半分ほどの分量であり、また後半は付録ですので、思ったほど分量はありません。また大問Iを解くだけなら、指定テキストの内容をある程度覚えた上で、あとは過去問を繰り返し行う方がよほど実践的です。
ではどうすればよいか?そのためには、過去問のエッセイ問題の模範解答を見て内容を正確に理解しておくことと、指定テキスト以外の本や資料を読んで自分自身のノートを作ることをお薦めします。私の場合は、国際連合広報局『国際連合の基礎知識』第42版(関西学院大学出版会)や、田仁揆『国連を読む 私の政務官ノートから』(ジャパンタイムズ)、植木安弘『国際連合 その役割と機能』(日本評論社)、明石康『国際連合 軌跡と展望』(岩波新書)などが大変参考になりました。指定テキストや『国際連合の基礎知識』は読みものとしてはあまり面白いものではありませんが、その他の3冊は実際に国連で活躍されてきた方々によって書かれた国連に関する本であり、読みものとしてスラスラ読んでゆけるので、個人的にはこちらの方をお薦めします。それ以外にも、吉田康彦、長谷川祐弘、忍足謙朗など、国連で働いて来られた方々の本も、国連に関する知識をつけるのみならず、将来国連で働きたいと考える方々にとって大いに参考になると思います。
またテーマ別に国連に関する知識をまとめるのも効果的です。例えば、軍縮、人権問題、気候変動、食糧問題、パンデミック、格差問題、ジェンダーなど、国連が取り組んでいる主要な政治・経済・社会問題について、国連がどのようなことをしてきたのか、ある程度まとめてノートを作りながら憶えてゆくと、エッセイを書く上でとても力になります。なお過去問にあるエッセイ問題の模範解答は大変良くまとまっており、正直「自分でこんなにスラッと書けるものだろうか?」と思うほど内容が凝縮されてますが、逆に言えば過去問エッセイの模範解答からノートを作り始めることで、その後知識を拡げてゆくのも良い方法だと思います。
第二に、過去問を解くことについて。上記の第一の方法はあくまで大問Iとエッセイ問題に関する対策ですが、第二の方法である過去問については、大問全般に関する対策となります。
特A級は大問I~VIII(各10題:計80点)とエッセイ問題1問(20点)で構成されており、合格点は回によって異なりますが約7割(70点)と見ておいた方がいいと思います。
(※参考:過去の合格点基準は、2015年度第1回:72点、第2回:69点、2016年度第1回:68点、第2回:63点、2017年度第1回:62点、第2回:66点、2018年度第1回:66点、第2回:62点、2019年度第1回:69点、第2回:70点)
大問の中でも、①比較的平易な大問、②簡単ではないが高度に難しくない大問、③高度に難しく時間をかけるべき大問、の3つに分けることができます。
うち、①比較的平易な大問は、大問I(国連関連知識)、III(文法力・表現力)、IV(読解力・表現力)であり、これらは満点を目指すべき問題です。大問Iの国連関連知識は、出題される内容はだいたい決まっており、過去問を数多く解けば見たことがある問題が多いです。また大問IVも、出題としては長文ですが、全文を読まずとも問題の箇所さえ読めば解答できます。試験本番でも、これらの大問には時間をかけずに最小限の時間で解答し、他の大問に時間を費やすよう心がけてください。
②簡単でも高度に難しくもない大問としては、大問V(読解力・語彙力・表現力)、VII(語彙力・表現力)、VIII(読解力)です。これらの大問で鍵となるのは、語彙力と長文読解力です。そのためには、日頃から『TIME』や『Newsweek』『Economist』『Washington Post』『New York Times』『Guardian』や CNN、BBC、ABC、CBS、NBC などの英文記事を読みながら語彙力を伸ばしてゆく必要があります。また語彙力というのは、憶えていればすぐに解答できますが、憶えていなければ時間をかけても正答率が上がるものでもないので、分からなかったらある程度割り切ってなるべく時間をかけずに解答し、7割以上の正答率を目指して欲しいと思います。
③非常に難易度の高い大問としては、大問II(総合的な読解力)、VI(語彙力・文脈理解力)、エッセイ問題です。特に大問IIは、時間配分として 25分~30分ほどかかる最も難易度の高い長文です。ただし時間はかかりますが、じっくり読めば高い正答率を確保できる大問へと変えることができます。大問IIのコツは、なるべく前の文章や段落へと読み返すような時間を極小化すること、また各パラグラフのテーマをメモしておくことが重要です。例えば、第1パラグラフ「人口問題の総論」、第2パラグラフ「原因1:出生率の上昇」、第3パラグラフ「原因2:医療技術の向上」、第4パラグラフ「人口問題の具体的事例」・・・のようにメモするだけでも、大問IIの最後にある長文の各パラグラフの関連性を問う問題について、いちいち読み返す必要なく時間を極小化して解答することができます。
また大問VIは、非常に高度な語彙力を問う問題です。選択肢を見ても簡単には差別化することができず、非常に似た意味を持っているものが多いです。消去法はもちろんのこと、日常的に様々なテキストを読んで、語彙力だけではなく語感を養うことが重要です。最後にエッセイ問題については、なるべく 30分程度時間を確保した上で解答するようにして下さい。
以上を通じて、①比較的平易な大問で、正答率 9割~10割、②簡単でも高度に難しくもない大問で、正答率7割以上を取れれば、③非常に難易度の高い大問で、正答率が6割程度になったとしてもカバーすることは十分可能です。大問I~VIII(合計80点)で 55点以上、意欲的にみて 60点以上を取れれば、エッセイ問題次第で十分合格点に達することができます。またエッセイ問題は、ある程度内容がなければなりませんので、なるべく国連に関する知識をまとめて書くことができるよう準備して下さい。
【2次試験】
2次試験は、面接前に面接シートのようなものを渡され、そこに自分自身の興味関心のあるテーマや尊敬する人物、最も印象に残っている本、これまで行ったことのある国や行ってみたい国などを書いて提出した上で面接が進められます。A級では面接官はネイティブ 1名だけですが、特A級では面接官がネイティブ 1名と日本人 1名おります。面接官は決して厳しく臨むという姿勢ではなく、むしろ建設的な雰囲気を作ることを重視しながら面接して下さるので過度に緊張する必要はありません。
2次試験を有利に進めるには、面接シートに書いた自分自身の興味関心のあるテーマに引き付けて話を進めてゆくことが重要です。私の場合は、Brexitと香港デモに関心があると書いたため、15分間の面接のうちこれらの問題に関する質問がほとんどでした。2次対策としては、日頃から新聞・ニュースを読む習慣を付けて時事問題に関する知識を付けておくことが肝心です。私の場合は『TIME』を購読し、毎朝 BBC News を 30分見るのを習慣としていますが、それ以外にも『朝日新聞』『毎日新聞』『Guardian』『South China Morning Post』などの記事を読むのは大変有用でした。皆さん自身が得意とするまたは関心のあるテーマについて、自分の意見を交えながらある程度詳細な内容まで説明できるよう準備して下さい。
2次試験の面接の評価の指標は、「Comprehension」(理解)、「Speaking」(会話)、「Communication」(意思疎通)、「Knowledge」(国際問題に関する知識)の 4点であり、うちSpeakingについては、「Pronunciation」(発音)、「Fluency」(流暢さ)、「Structure」(議論の組み立て方)、「Vocabulary」(語彙力)というサブ指標が設けられています。各指標 10点満点であり、これらの指標のそれぞれの重要度を加味した上で、総合評価 10点満点中 8点以上を取れば合格となります。
最後に、国連英検は非常に質の高い良問が多く、単なる英語の資格試験ではなく、国連についての知識を深め、国際的な課題を理解するといった「真に国際的な人材を養う」というミッションがあります。そのため、過去問をやることばかりに囚われず、国連に関する様々な本を読みながら、国連がどのような取り組みをしているのか、国連をもっとよく知ることに重点を置きながら挑戦してほしいと願っています。
保有資格 » 実用英検 1級 留学経験 » アメリカ合衆国 1年間 職業等 » 高校教員 |
教育の現場に身を置いて 10年が経とうとしています。何か自分の経験を証明する資格を取得したいと思い国連英検特A級の受検を決意しました。仕事、育児、家事をこなしながらの試験準備は想像以上に難しく挫けそうになりました。今回合格に漕ぎ着くことができ大変嬉しく思います。
【試験に向けて】
一次試験に向けて使用したのは以下の三冊です。
「新わかりやすい国連の活動と世界」(三修社)
「国連英検 特A級・A級対策」(三修社)
「国連英検過去問題集 2015/2016年度実施」(三修社)
とにかく指定テキストと問題集を何周も繰り返して読んでいると国連の知識が頭に入ってきますし、問題の傾向、自分の得点源となりうるセクションも自然と浮かび上がってくると思います。特A級に出てくる語彙は TOEIC、英検と比べても難易度が高く高尚であるため日頃から良質な英文に触れておく必要があります。また一次試験は作文が 20点分出題されます。私は試験開始後まず作文のトピックだけ確認して、読解問題を解きながらライティングのアイデアを膨らませ、最後の 20分〜30分をライティングに費やしました。トピックについての知識を持ち合わせていることはもちろんですが、適切な文法と語彙を用いて、序論本論結論を時間内にまとめるのは高度な英語能力と訓練が必要です。日頃から自分の意見を英語で書く習慣をつけると効果的な練習になるはずです。
二次試験は面接官 2人とインタビュー形式で行われます。自分が発言している最中にもいきなり質問が飛んでくる場合もあるので、小手先の英語力では通用しないと痛感しました。面接の内容は多岐に渡ります。私が面接に臨んだ時はフランスのマクロン首相の “Patriotism is the exact opposite of nationalism.” という発言の真意や、中国とアメリカの貿易摩擦の問題、保守的移民政策とグローバリズムについて聞かれました。日頃から興味関心を持って世界情勢に関する背景知識を持っていないとこれらには答えられませんし、知識だけでなく「自分ならどうするか」という独自の視点で意見を述べる能力も求められていると感じました。日常会話が英語でできる程度では不十分であり、国際情勢について熟知し、それを英語で発信する能力が二次面接では必要になると思いました。二次試験が仕事の忙しい時期と重なってしまい読み込めなかったのですが、The Economist の “The World in 2020” は世界情勢が分野ごとに簡潔にまとめられていて試験前に重宝しました。
【終わりに】
基本的に机に座ってゆっくり勉強する時間は全くありませんでした。仕事をしている時は教員として教壇に立ち続けなければなりませんし、家に帰れば父親としての役割を果たさないといけません。唯一教員から父親への仮面を換える電車内が私にとっての貴重な学習者の仮面を被ることができる時間でした。朝晩の混み合った電車の中で公式問題集を開き勉強しました。勉強に夢中になりすぎて下車するはずの駅を通り越してしまうこともありました。時間がない中でも頑張れたのは合格したいという明確な目標があったからです。国連英検の準備をする過程で、今まで教員、父親では気付くことができない視点や知識を得ることができました。これからも 1人の学習者として、また、国際人として学びを深め国連英検特A級保有者の名に恥じぬよう精進していきたいと思います。最後に英語の基礎を叩き込んでくださった大学時代の先生、そこで切磋琢磨し共に学んだ友人、いつも支えてくれた家族に心から感謝したいと思います。
保有資格 » 実用英検 1級、国家通訳案内士 留学経験 » なし 職業等 » 高等学校非常勤講師 |
私は高校教師です。勤務先の高校で国連英検の存在を知り、生徒たちが受けているならば私もやってみようと思い受検を決意しました。
<一次試験>
2013年から 2018年までの過去問題集を購入し、何度も解きました。最初は 3割くらいの正答率でしたが、 5回以上繰り返すと正答率は 8割ほどになりました。何回も繰り返し解くことで、問題の傾向や、毎回繰り返し出ている単語や専門用語を把握することができました。
設問Ⅰは「新わかりやすい国連の活動と世界」という国連英検テキストから毎年いくつか繰り返し同じ問題が出ているので対策しやすいです。過去問で出された問題と解答は全て暗記しました。おかげで 10点満点を取ることができました。
設問Ⅸのエッセイは、過去問を参考に様々なジャンルの topic に関して何度か自分で書いてみて事前に慣れることが必要だと思います。「新わかりやすい国連の活動と世界」や UN NEWS の内容を参考に「国連の○○の機関が○○という活動をしている」と「自分の意見」を必ず書くようにしました。近年話題のSDGsや各国連機関の定義や条約の設立年などの基本情報はいくつか暗記し、そのままエッセイに書けるように準備しました。UN NEWS アプリはスマホにダウンロードし、毎日いくつか記事を読み、分からない単語は覚え、エッセイに使えそうな情報はノートに書き写しました。
一次試験で一度不合格になったときは、時間配分をあまり考えておらず、後半の設問を解く時間がなくなってしまったので、再受検したときは時間配分にも気をつけました。私は設問Ⅰに 5分、設問Ⅱに 15分、設問Ⅲ~Ⅷ 各10分、エッセイ 40分で時間を計りながら問題を解きました。私にとっては設問Ⅱが難しく、後半の文法問題などは易しかったので、解きやすい後半の問題にも十分な時間が取れるよう配慮しました。
<二次試験>
まずは情報収集をしました。すでに合格された方のブログや合格体験記などを読み、過去にどのようなことを質問されたのか調べました。UN NEWS は毎日チェックし、気になる記事については大体の概要と自分の意見が言えるように訓練しました。世界で起きているニュースに疎かったので、池上彰さんの本やNHKの解説委員室の記事を読み、基礎知識を得ました。その後それに関する英語版の記事を読み、英語で表現できるように訓練しました。
世界で起きている最新のニュースは必ずチェックすべきだと思います。私は面接時に「アフガニスタンの中村哲さんの事件」「グレタ・トゥーンベリさんと COP25」について話をしました。
面接シートの形式が過去問に掲載されていたので、事前に書く内容を決めておきました。ポイントは「面接シートに書いたことについては、世界情勢や国連の活動に関連させてスピーチをできるようにしておくこと」です。私は海外経験に「20 countries」、訪れたい国に「Pakistan」と書き、スピーチを準備しておいたので、試験官にそのことについて質問されたときにスムーズに答えることができました。
<まとめ>
私は帰国子女でもないし、長期留学、海外就労の経験もありません。ですが、日本にいても充分英語を学ぶことができるのだと、今回の資格取得を通して皆さんに伝えたいです。また、国連英検の勉強は世界で起きている問題について考える良い機会となりました。「世界平和」を実現するために自分は、日本は何ができるのか。これからも考え続け、自分ができることを実行していきたいと思います。
保有資格 » 実用英検 1級、TOEIC スコア 970点 留学経験 » オーストラリア国立大学クロフォード公共政策大学院(公共政策学修士) 職業等 » 茨城県庁 |
国内最難関の英語試験である国連英検特A級に合格することができたこと,また,私自身,とても参考にさせていただいた合格者体験記に寄稿する機会を頂戴できたことを大変光栄に思います。
私は地方自治体職員ですが,人口減少・少子高齢化に伴う国内のマーケット縮小や地域を支える担い手不足に対処するためには,これからは地方自治体も海外に目を向けなくてはなりません。実際,二次試験の 2週間前に東南アジアの政府に赴き,労働分野に関する覚書を締結しました。海外政府との交渉にあたっては,私達が提案する政策が相手国の利益にどのようにコミット,社会貢献しているか,国際問題や国連における持続可能な開発目標(SDGs)等を踏まえ説明することが求められます。相手国とのやりとりにあたって必要なこれらの知識を身に付けたいと思ったのが,私の国連英検の受験動機です。加えて,私は今後,職場で国際畑を歩んでいきたいと思っておりますので,英語関係の資格は全て取得し,人事セクションにアピールしたいとの気持ちもありました。
【一次試験対策】
過去の合格者の方々も記載している通り,過去問を解くことは必須です。「国連英検 過去問題集 特A級」の 2015・2016年度,及び 2013・2014年度実施分に取り組みました。その他,特に対策に力を入れた部分について,以下に記載させていただきます。
<大問1:国連知識>
難問が並ぶ特A級で合格ラインに到達するためには,国連知識問題では落とせません。過去問及び「国連英検 特A級・A級対策」に掲載されている問題に加え,「わかりやすい国連の活動と世界」で問われそうな箇所すべてを Anki というアプリに打ち込み,隙間時間を使って必ず毎日解くようにしました。大問1は知ってさえいれば 1問あたり 10秒程度で解けてしまうので,他の読解問題やエッセイのための時間を確保する意味でも,十分に対策する必要があります。
<大問3:文法問題>
非常に難易度が高く,対策がしにくい箇所です。過去問で間違えた問題を Anki に打ち込み、こちらも毎日必ず取り組みました。これだけでは足りないので,「グローバル・エキスパートを目指す上級時事英文法」にも取り組みました。難しいテキストですが,何故、問われている文法・英語表現が誤りなのか理解し,解説を見ても納得できない部分にはネイティブの友人に教えてもらいながら,理解を深めました。
<大問9:エッセイ>
国連英検のホームページに,過去に出題されたエッセイの課題が掲載されています。2010年度頃までに出題された課題に加え,出題されそうな課題についても,回答にあたって触れるべきトピックをまとめました。20テーマくらい準備しておけば,どんな課題が出題されても対応できるようになると思います。回答すべきトピックをまとめるにおいては,「Basic Facts about the United Nations (42nd Edition)」を参考にしました。この書籍には,世界中で行われている国連の安全保障や開発,人権に関する取組みについてわかりやすくまとまっているので,私のような国連初心者の方々に是非お勧めしたいです。例えば,差別を無くす,所得格差を是正する,基本的人権を尊重する等の課題が出題された場合には,民主主義を普及させ多様なアクターが政治参加させることがアプローチの 1つになりますが,南アフリカでアパルトヘイトを廃止した時の国連の取り組み(経済制裁や民主主義普及にあたっての支援など)などの過去の実例に触れながら自らの主張を展開することで,回答に厚み,説得力を持たせるようにしました。
書いたエッセイは,オンラインの添削サービスを使って文法や表現をチェックしてもらいました。間違えた部分をワードにまとめ,次にエッセイを書く前に見直し,同じ間違いを繰り返さないよう努めました。
【二次試験対策】
CNN10 の視聴,及び BBCニュースのチェックを毎日行うことで,国際情勢に関する知識を身に付けました。BBC は,取りあげた記事の背景や歴史,なぜ問題になっているのか,簡単に記事を追跡して調べることができるのでお勧めです。
面接シートの「興味をもっていること」欄には、気候変動,香港市民の抗議活動,米中貿易戦争,ロヒンギャ問題を書きました。ただ,面接官によって,聞かれる質問も、面接の手応えも全く違うことをこれから受験される方々にお伝えしたいです。私が一度不合格になった時には,面接シートに記載した興味ある事項についてはほとんど聞かれませんでした。面接冒頭で,「ロヒンギャの人々を救うために色々な国連機関が様々な支援をしているが,『二重行政的で効率的でない』という批判があることについてどう思うか。どのような改善が必要か。」ということをいきなり聞かれ,全く想定していなかった質問で,しかも国連のあり方に関する根本的で難しい問題であったため,頭が真っ白になってしまいました。しかしながら,過去の合格者の体験記を読むと似た質問をされていた方がいらっしゃったので,今振り返ってみると対策できた質問だったと思います。国連のあり方・運営等に関する様々な批判については,「The United Nations A Very Short Introduction」に記載がありましたので,回答案作成の参考にしました。
2回目の二次試験時には,面接シートに記載していない事項も含め準備をしましたが,今度は面接シートに沿って面接が進み,面接シートに書いていない事項はほとんど聞かれませんでした。アメリカのパリ協定離脱についてどう思うか,また香港市民の抗議活動に対して日本はどのようなスタンスを取るか聞かれましたが,これらは全て想定の範囲内でした。唯一,面接シートに記載しなかった事項で聞かれたことは,冒頭でも述べた,地方公務員である私の国連英検の受験動機でした。面接最後に,「何か言いたいことはありますか」と質問された時には,せっかく回答を準備しておいたので,二次試験不合格時にうまく答えられなかった国連組織のあり方,改善点等について述べました。
また,1回目の不合格時の結果から,私は発音を矯正する必要がありましたので,「英語発音バイブル(アメリカンイングリッシュオンライン)」という DVD を購入して繰り返し視聴,及び練習に取り組みました。これまで何気なく喋っていた英語の発音が不正確だったことを自覚しました。You Tube にこの DVD の動画が一部アップロードされているので,興味を持たれた方は検索されてみてください。
【最後に】
繰り返しになりますが,国連英検特A級は非常に難易度の高い試験です。英語能力に加え,国際事情に関する知識・教養や文章処理能力,論理展開力,スピーチ力等がいずれも高いレベルで要求されます。海外勤務・在住経験のある方や海外の有名大学院を修了された方,英語を職業にされている方でも,特A級不合格を経験された方が沢山いらっしゃることは,過去の合格者体験記に記載があるとおりです。仕事・学業に追われる中で,特A級合格のために膨大な時間を確保することは,誰にとっても容易ではないと思います。
一方で,受験を通して身に付けた知識・鍛えた英語能力は,今後,必ず生きていくものだと感じています。私自身,仕事でもプライベートでも,海外の方とのコミュニケーションのレベルを 1段階も 2段階も,引き上げさせてくれたことを実感いたしました。
最後にこの場をお借りして,私の勉強時間の確保に理解・協力してくれた妻と娘に,感謝を伝えさせていただきたいと思います。
保有資格 » 実用英検 1級、TOEIC スコア 945点、全国通訳案内士 留学経験 » 無 職業等 » 高校英語教員 |
【はじめに】
この度は、国連英検特A級に合格することができ、大変嬉しくまた光栄に思います。私の体験記が、これからの国連英検を受験される方のお役に少しでも立てれば幸いです。
【受験動機】
30年ほど前の学生時代に受験を決意しましたが、過去問を見てその量と質に圧倒され、断念したことを今も覚えています。中学校までの英語の成績が定期テストで30点しかとれなかった私が、この試験に合格できたことは、感無量であります。
私が、受験するきっかけになったのは、自分自身のスキルアップはもちろんですが、生徒達に教科書を越えた知識(国際情勢や国連の活動)を伝え、これからの時代をどう生き抜くかを考えて欲しいという気持ちからでした。生徒達は、例えばイランやシリアのような中東の話をすると、教科書で授業しているときよりも、目を輝かせて話を聞いています。
【1次試験対策】
私は、問題を大きく3つのパートに分けて対策をしました。以下に使用した書籍等を紹介します。
【2次試験対策】
やはり知識がなければどうしようもありません。以下に使用した書籍等を紹介します。
以上の書籍等で知識をつけた上で、国連がどのようにかかわればいいのか、また、日本はどのような立場をとればいいのかを考えることが大切だと思いました。2次試験までに身に付けた知識は完璧とは言えず不十分な状態でしたが、面接官の方々に何度もうなずいていただき気が楽になりました。感謝しております。
また、世界情勢や世界史に関する疑問点は、勤務校のある世界史の先生に何度も何度も質問し、疑問点を解決しました。また、私が身に付けた知識をアウトプットするために、時には議論したこともありました。本当に感謝しております。
【受験を終えて】
この度は合格をいただきましたが、検定試験を受ける度に自分の英語技能の至らぬ点を自覚します。また、国連英検がなければ、真剣に現代の諸問題を考えることはなかったと思います。これを機会に本当の意味での国際感覚を養うよう精進し、未来の世代に何ができるのかを考えていきたいと思います。
保有資格 » 実用英検 1級、通訳案内士(英語) 留学経験 » なし 職業等 » 国家公務員 |
この度は合格出来ました事を大変嬉しく思います。以下に、自身の置かれている状況、本試験への対策の二点について記載致します。
先ずは、留学も海外在住経験もありません。語学学校にも通った経験がありません。職務でもせいぜい文献を少し英語で読む程度であり、あまり使いません。それでも、英語を使った業務や外国人の方とのコミュニケーションに憧れ、独自のやり方で勉強を継続する様に努めている過程に於いて、本試験に興味を持ち、チャレンジする運びとなりました。
本試験は、一次試験を複数回失敗し、今回で最後の挑戦と考えていました。運よく一次試験を通過し、二次試験は、何故か一回で合格出来ました。但し、何れもぎりぎりの合格点であり、素直に喜べる状況ではありませんでした。
この様な状況ですが、試験への対策は、①語彙力(イディオム含む)、②英作文力(15点ですが私としては進歩した点数でした)、③英語の放送(主に CNN とディズニー系の番組)を聞く、の三点の強化でした。特に、英作文は、二次面接試験の布石であり、書けないものは話す事も厳しくなると考え注力しました。とにかく書きまくりました。良い表現があれば暗記もしました(I’s all about copying ですね!)。二次面接では、英作文で認めた材料が大変役立ちました。三番目の対策は、時事に疎くならない様に最新の世界情勢を頭に入れると共に、二次面接対策としても役立ちました。面接官の英語について行ける様にヒアリング力の向上になり、且つスピーキングの練習にもなったからです(マーマリング等に留意しました)。
以上、上記三点の対策を愚直に繰り返した次第です。簡単ではございますが、私のコメントとさせて頂きます。宜しくお願い致します。
保有資格 » 実用英検 1級、英単語検定 1級 留学経験 » 海外赴任経験あり: ボツワナ共和国 3年(JICA専門家)、米国 1年(社内研修) 職業等 » 会社員 |
この度、最高難度の英語資格である国連英検特A級に合格することができ、大変嬉しく思います。この試験を振り返り以下に記したいと思います。
<受験に至るまで>
私は以前 JICA専門家としてボツワナ共和国に3年間派遣されていたことから、国際貢献、協力の分野には非常に関心がありました。帰国後に英検1級に合格したものの、英語とは無縁の部署に配属されていた期間が長い上、仕事は夜遅く継続的な英語学習ができているとは言えませんでした。国連英検特A級という憧れの検定試験の存在は知っておりましたが、衰えた英語力を数段階引き上げない限り、この試験をパスすることは困難だと思いました。やっとここ数年英語を使用する部署に配属となり、時間外も英語力向上のため語学学校に通える時間もできました。力試しで受けた 2019年度第一回試験では一次試験で数点足りず不合格となりましたが、集中して取り組めば何とかなるのではないかと思い、第二回試験で一次試験、二次試験ともパスすることができました。
<一次試験>
一番のポイントは英単語です。英検1級の単語レベルでは対応は難しいと思われます。単なる認識レベル以上の、文脈での細かい用法を問われるからです。またこれ以外に国連知識、高度な英文法知識、高尚な読解文などに対応できる英検1級上位レベルの英語力、すなわち、通常のビジネスレベルの英語の域を超え、教養のあるネイテイブが使う高度な英単語を散りばめた論説文の熟読力(さらに速読力も求められる)が必要です。しかし、日頃からこのような英文を読み慣れている人には問題ないと思われます。対策としてはこのような固い英語を意識的に読む訓練が必要と思います。
<二次試験>
単なる英会話の試験ではなく、国際情勢や国連知識、日本の立ち位置等、いわゆる国際人としての素養を計る試験です。試験は深い知識、洞察力、瞬発力が求められるのだと思います。試験対策としては、今世界で起きていることを日英両面で新聞、ネットで調べ上げ、それに対する自分の意見を言える訓練をしておくことが必要だと思います。当方は幸いにも現在国際監査の仕事に携わっていることから、海外出張の機会も多く、ネイティブとの会話自体への抵抗感はないことで、話す中身自体に集中して準備できたことは良かったです。国連英検特A級を受験される方は、多くのインプット量はあると思われます。しかしながら、日常的に日本語環境で暮らしている以上、自らスピーキングの機会を積極的に創出しない限りアウトプット量は不足しているはずなので、これを克服するような環境を作り出すことが重要と思われます。
<なぜ国連英検特A級を目指すのか>
国連英検は英語の試験ではあるものの、単なる英語使いを計るものでなく、国際情勢を理解した上でどのように対応すべきかの意見を発言できる、真に国際人と呼べる人が受かる検定試験なのだと思います。私は国際情勢を新聞やネットで調べていく過程のなかで、世界には戦争やテロの恐怖あるいは貧困、病気等様々な深い悲しみのなかで頑張って生きている人がいる一方、日本という極めて安全な国のなかで自由を謳歌し勉強もできる環境に置かせていただいていることについて、ある種の申し訳なさと自分なりに世界に貢献できることはないだろうかと自問自答するきっかけを与えてくれました。なぜ試験に合格したいのか? これを考えるとき合格を単なるステータスだけにしてはいけない、合格した能力を国際社会に還元していくことこそ必要なのだと自戒しています。私は国際機関職員でなく、単なる一介の会社員に過ぎません。しかしながら、今回の合格によって、日々の仕事のなかで大所高所的に物事を捉え、微力ではあるものの少しでも国際社会に貢献できるよう今後とも努力を続けていきたいと思います。
保有資格 » TOEIC スコア 960点 留学経験 » なし 職業等 » 大学院生 |
国連にもともと興味を持っており、国連に関する知識を深め、英語力がアップできると考え、国連英検に参加させていただきました。特A級に合格でき大変嬉しく思います。
先輩の体験記が非常に参考になりました。自分の準備方法もシェアさせていただき、参考になれば幸いです。
【1次試験】
1.『新わかりやすい国連の活動と世界』の最新版を購入しました。国連の全体像を掴めるため、まず一回速く目を通すことお勧めします。設立年、組織名やデータ(%など)が多く書かれていますが、無理に覚える必要がありません。過去問で出たもののみしっかり記憶するといいと思います。
2.過去問の練習。私の場合、最新の過去問 5回分を解きました。第1部分の国連知識に関する問題は繰り返し出る傾向があるように思われるので、答えをしっかり覚えました。時間があれば上記の本の関連部分を見つけ、前後の内容も合わせて読みました。第2部分からは単語と文法を試す部分です。辞書を手元に置き、過去問で出た単語(後ろの動詞が現在分詞になるのか、前置詞や同義語など)をできるだけチェックしました。
3.エッセイについても過去問から準備しました。過去問に付される参考エッセイを暗記できるぐらい何度も読みました。そこから、どんな設問であっても使えるフレーズを抽出しました。また、試験の時にどんな構成を書くか事前に決めると有利だと思います。私の場合、「イントロ、ポイント1、ポイント2、ポイント3、まとめ」という 5つの段落を決めました。試験の時慌てずに、各段落で何を書くか確定できればエッセイが完成されます。なお、試験の時、多肢選択問題を答える前に、私はまずエッセイの設問を読み、自分に問題意識を持たせました。こうすると、後で多肢選択問題やリーティングをする中で、エッセイで利用できる内容やフレーズを時々見つけます。
【2次試験】
1.過去問にある「面接シート」に何を書くか事前に考えました。面接官が基本的にこの面接シートに基づいて質問するので、各回答を発展させる内容も準備するといいと思います。例えば、私が職業に「大学院生」と書いたので、「何の研究をしているか」という質問がありました。興味分野に「人権」と書いたので、「最近関心を持つ人権問題は何があるのか」と聞かれました。
2.国連英検なので、最近の国際ニュースとそれが国連とどうかかわるか把握しなければなりません。だからといって全ての国際ニュースを読むと結構な時間を要するため、どうやって効率よく吸収するかは重要です。私の場合、次の2つのものをサブスクライブしました。
両方とも重要なニュースを要約してくれるし、面接という短い時間で特に必要となるスキル――ニュースを短い文章で説明する――についても勉強になりました。興味あるニュースなら、更に詳細な記事を見つけて読みました。
なお、私の場合、試験の 2週間前から自分のニュースノートを作成し始めました。試験当日はこのノートだけで最近のニュースをさらりと復習できました。
3.面接官の質問を理解するためにリスンニングも重要です。私の場合、毎日30分ぐらい英語のラジオや Podcast を聞くように心掛けていました。気分転換で時々アメリカのドラマも見ていました。
最後に、英語は日本語と異なり、敬語という区別があまりないので、当日は敬意を払いながらも、友達と国際ニュースを議論するようなリラックスした気分で面接を臨んだほうがかえっていいかもしれません。
以上は私の準備過程となります。皆様の参考になれば幸いです。
保有資格 » 実用英検 1級、TOEIC スコア 980点、実用仏検 1級 留学経験 » Harvard University (MBA, Ph.D.) 職業等 » 専門学校非常勤講師(数学) |
私は昨年、2019年3月末に大学を定年退職しました。大学では社会学を教えていたのですが、元は理系の出身なので、現在は専門学校で、大学理系編入のための数学(大学教養課程程度の線形代数と多変数微積分)を教えています。ただ、これからは語学関連の仕事もしたいと思い、国連英検を受験し、今回幸いにも一回で合格できました。受験者の年代別内訳を見ると、60歳以上の受験者の割合は 0.8%と極端に少ないので、年配の方々にも参考になればと思い、私自身の体験をお話しすることにしました。
私のように 60代半ばにもなると、どう強がってみても体力、記憶力の衰えは否めず、10代、20代、あるいは 30代の方々のような頑張り方は難しくなります。結局のところ私のような年配者の場合、取り組み方としてはこれまでの経験を活かし、自分なりに工夫して自分に合った無理のない勉強法をみつけることにつきると思います。
具体的にどのような方法をとるかは、もちろん人によって異なるわけですが、私の場合は、英語と比較的親和性が高いフランス語を同時に勉強することで、語学学習での相乗効果が得られたように感じます。どちらの外国語を勉強するときも、注意しているのは次の三点です。
いずれも基本的な点ですが、英語を使うときは英語モードで、フランス語を使うときはフランス語モードで思考し、モードの切り替えはもちろんありますが、特に必要がなければ英仏、もしくは、仏英の「訳す」という作業はできるだけ行わないように心がけています。
抽象的に説明しても分かりにくいので、一例をあげると次のようになります。2019年12月2日から 13日まで、スペインのマドリードで COP25 が開催されました。購読しているフランスの日刊紙Le Mondeに、今回の COP25 の焦点を分かり易くまとめた記事が掲載されていたので、まずフランス語モードで記事を読み理解します。次に、英語モードに切り替えて、記事の要約と自分の意見をノート 1ページ位に英語で書いてみる、といった具合です。
ただ、私が英語とフランス語を並行して勉強しているのは、あくまで語学学習の興味を持続させるためで、国連英検のために特別にこのような対策をとったわけではありません。もちろん結果としては、国連英検の受験にも役に立ったと思っています。平素の状態で受験してどの程度できるかをみたいと思ったので、あえて参考書等は一切購入せず、過去問題も英作文以外は全く見ませんでした。英作文に関しては、過去のテーマ、指定語数、そして配点を確認した上で、およその配分時間を決め、テーマを自分でいくつか決めて指定語数の範囲でノートに書く練習を一次試験前に三週間ほどしました。また、国連の組織などについては、インターネットを使い自分で調べました。
一次試験では、問題の様式・形式自体を知らなかったこともあり、少なからず戸惑ったというのが正直なところです。想像していたよりも読む分量が多く、残り時間を気にしながら進めて行ったので、かなり疲れました。平素の状態で受験すると言っても、少し無謀だったかも知れないと反省しましたが、結果としては、70点台後半(70点以上が合格)で幸いにも合格できました。
私は福岡県在住のため、二次試験は大阪まで行く必要があり、旅費もそれなりにかかるので、二次試験に関しては、一次試験の合格通知を受け取ってからの約二週間で、ある程度準備をしました。地球温暖化、エネルギー問題、紛争解決、公衆衛生、貿易摩擦などテーマごとに、ポイントを絞って議論ができるように練習しました。二次試験では準備していた内容自体は話題にのぼりませんでしたが、大体は無難に答えることができました。最後の方で、自分の興味のあるテーマについて述べる機会があり、アフリカでのエボラ出血熱の感染拡大に関して、医学的側面ばかりでなく、社会的文化的側面からとらえる必要があることを論じました。これは、以前フランス語で発表した内容にもとづいて話したのですが、時間が短かったこともあり、残念ながら余り良く分かってはもらえなかったようです。二次試験自体は、総合評価 8で合格しました。
以上のように、私の場合はフランス語と英語を並行して学習することによって、語学への興味の持続とともに、相乗効果としてそれぞれの外国語の学習効率が向上しました。語彙に関してはフランス語と英語では親和性が高いですし、フランス語での速読練習の結果、英語でも読む速度が速くなりました。もちろん、他の外国語を勉強する時間があるのならば、その分を英語にあてた方が良い、という考え方もあると思います。この点に関しては、いわゆる正解はなく、自分に合った勉強法をみつけるのが一番ではないでしょうか。
保有資格 » 実用英検 1級、通訳案内士(英語) 留学経験 » 米国 9年 職業等 » 医師、研究者 |
この度、国連英検特Aに合格しとても嬉しく思います。1次試験は 3度目の受験、2次試験は 2度目で合格と、とても苦労したので喜びも一入です。この私の苦労が、今後受験される方の参考になればと思い筆をとりました。
米国から帰国し、少しでも英語力を維持し海外とつながっていたいという希望が強く、受験の動機となりました。9年前の米国に行く前の日本とは大きく異なり、職場の同僚、留学生、職業柄接する患者さんに外国人が多く、帰国前に予想していたよりも英語を話す多くの機会がありました。そのため英語を口に出すということに関しては思っていた以上に維持することができていたと思います。
1次試験
英検1級を取ってから国連英検に望みましたが、特A級の過去問は難易度が非常に高く驚きました。そのためまず A級を受験しました。特A級の 1次試験で大事なことは、得点できる問題は確実に得点することと時間配分だと思います。まず、国連の歴史を問う I、文法の正誤問題の III、やはり文法の IV は過去問題をしっかり勉強すれば 8割から 9割は取れるパートなので確実に正解できるように勉強しました。具体的には、過去問題集、文法の問題集を繰り返し解きました。時間配分では、読解問題の II以外は長文の全体的な内容を理解する必要はないので、設問の前後を読むだけで回答し、時間をかけすぎないようにすることが大切です。また IX のエッセイはいちいち数えなくても大体 200 から 250字に収まるように書けるように語数感覚を養いました。字数を数えないだけでとても時間の節約になります。一方、特A級は非常に難解な英単語が数多く出題されます。最初は語彙数を増やして立ち向かおうと努力しましたが、膨大な時間と労力を要するわりに私には効果は低く敢えて諦めました。これを勧めるわけではありませんが、それでも何とかなると思います。これまでの合格者が勧められていた Economist は読みましたが、特A級の英単語は Economist よりはるかに難解で役には立ちませんでした。しかし 2次試験対策として非常に役立ちました。
2次試験
米国に長期間滞在して研究機関で指導職についていたため、英語での議論は慣れているつもりでした。しかし、1回目の 2次試験では国連に関して満遍なく勉強しすぎたために逆に何一つ詳しく理解せず、ましてや国連との関わりを知らないままで、少し突っ込んだ質問に表面的な回答しかできませんでした。しかしこの 1回目の面接で、面接官は決して験者の答えられない質問を探して聞いてくるわけではなく、事前に記載したアンケートに沿って、受験者が知っている分野をむしろ掘り下げて聞いてくれることがわかりました。そのため 2回目では、自分の専門分野である医療問題と高齢化問題、興味を持っていた環境問題に的をしぼって、国連はどのように活動してきたのか、日本はどう対応すべきかを話せるように詳しく勉強しました。実際その通りに面接は進み、僭越ながら、面接官がご存知なかったことも話すことができました。最後に面接官が、今日はとても勉強になりました、ありがとう、と言ってくれて合格を確信しました。もちろん国連のウエブサイトから情報を得て基礎知識を身に着けることも大切ですが、それらのことは面接官も十分承知しているので、それ以外のソースから知識を得て面接官が知らないことを教えるくらいの態度で臨む姿勢が大切だと思います。そのためには自分の専門外の知識を増やすよりは専門分野をより深く勉強し、自分の考えはもとより、自分だったら国連にこう提案する具体案まで述べられるくらいになることが大切と思います。ここで Economis はとても役立ちました。興味深い情報のソースとしても非常に有用ですが、執筆者の意見がはっきり書いてあるので自分の議論の基盤に取り込みやすいと思います。
国連英検特Aは本邦の最難関の英語検定試験の一つだと思います。私の体験記が少しでも皆様の勉強のお役にたてば幸いです。
保有資格 » 実用英検 準1級、TOEIC スコア 955点、TOEF L スコア 100点、工業英検2級 留学経験 » 子供の頃に米国に5年居住 職業等 » 国家公務員 |
この度、国連英検A級に合格することができ、大変嬉しく思います。
私は、大学生院時代に国際機関職員を目指したいと考えていました。その後、しばらく国家公務員として働いていましたが、2019年3月に国連本部で開催された委員会への出張を機に、再び国連職員を目指そうと英語と国際情勢の学習を始めました。その過程で外務省の JPO派遣制度やロスター登録制度について調べるうちに国連英検の存在を知り、英語・国際情勢の知識のブラッシュアップと学習効果の測定のために受験しました。
大学・大学院と理系の専攻だったので、国連英検対策が久しぶりの本格的な英語学習でした。平日の通勤時間、往復 2時間弱を利用した勉強方法について以下にまとめたいと思います。2019年度第1回は残念ながら落ちてしまったので今回で 2度目の受験、約半年間の学習期間になります。
【1次試験】
まずは休みの日に過去問を解き、点数を取れるところ・取れないところを分析することからはじめました。自分が点数を取れない分野が問題Iの国連関連知識と、各問題の単語の意味を問う問題だったので、通勤時間でその対策をしました。
問題Iについては過去問からの出題が多かったため、まずは過去問3年分の出題文の正答をすべて覚えました。問題Iの過去問はテスト直前にも数年分おさらいすることをおすすめします。更に、2次試験対策と転職活動も兼ねて国連の役割や取組みに関する書籍も読みました(これは 2次試験でも役立ちました)。おすすめの書籍は、”The Essential UN”(国連)と ”An Insider’s Guide To The UN”(Linda Fasulo) の 2冊です。受験当時、指定テキストはいささか古かったため、目を通す程度でした。
単語については UN News が提供している News Letter に登録し、毎日届く記事を読みながら知らない単語を英英辞典で調べることを繰り返しました。また、気になる記事やニュースがあれば、それに関連する国連の各種会議の決議や報告書を読んだりもしました。国連英検A級で問われる単語は各種記事を読んでいてもそんなに頻繁に見かけるものではないので、文脈から単語の意味を類推する練習が必要です。この方法はスマホで完結するので通勤中や暇な時にすぐできる、語彙アップと意味類推の手軽な学習法だと思います。
【2次試験】
2次試験対策は、上記の読書に加えて、(1) 国連の役割と現在の方向性を把握する、(2) 興味がある話題・自分の専門分野の課題をいくつか見つける、(3) 自分の見解をまとめるという 3ステップで対策をしました。
(1)の現在の方向性については、国連と外務省の Agenda 2030 関連の文書を読むことでおおよそ把握できると思います。(2)については、面接シートの内容に沿って質問が行われるとのことだったので、しっかり語ることができるホットトピックを探し、いくつか話の種を決めます。先述の News Letter が大変役に立ちました。(3)は、選んだ話の種について、現状はどうか、何が課題や進歩か、我が国はどう対応しているか、自分個人はどうなって欲しいかについてまとめてすぐ話せるようにしました。
2次試験はまずは何かのトピックについて話し、その中から面接官が気になることを掘り下げる形式のようです。少し残念でしたが、あまり双方向の会話という要素はなかったように思います。そこで、TOEFL のスピーキング対策のようにある程度構造を決めて言いたいことを話す練習をしておくと、始めにトピックについて話す時に焦らずに済むと思います。また、小難しい単語を織り込んで分かりにくい話し方をするよりは、普段仕事をするときのように平易な語を使って自分の意見を正確に伝えることを心がけて話す練習をすると良いと思います。
【終わりに】
国連英検の勉強を通して、英語力のレベルアップと、国連に関する基礎知識を身につけることが出来ました。また、国際ニュースや日本の政策を、国連という視点を交えて考えられるようになったと思います。次は特A級の合格を目指し、国際機関で仕事をするのに困らない英語力と国連関連知識の習得に向けて研鑽を積みたいと思います。
保有資格 » 実用英検 1級、通訳案内士(英語)、TOEIC スコア 940点、語彙・読解力検定(日本語)準1級 留学経験 » なし(カナダの在外公館で 3年間勤務) 職業等 » 国家公務員 |
このたび、国連英検A級に合格しましたのでその体験記をまとめてみました。受験を考えておられる皆さんのご参考になれば幸いです。
① 受験の動機
② 1次試験対策
③ 2次試験対策
④ 合格後の雑感
保有資格 » 実用英検 1級、TOEIC スコア 950点 留学経験 » イギリス (交換留学: 1年間) 職業等 » 英語塾講師 |
私が国連英検A級を受験した最大のきっかけは、実用英検1級に合格し、さらに高度な知識と英語力を身につけたいと思ったからです。国連英検は、実用英検1級と比べて、試験項目が多様なだけではなく、試験内容も国連・国際事情が基になります。一般的に実用英検よりも難しいと言われているだけあって、チャレンジし甲斐があると思いましたし、将来、海外の大学院進学を目指している私にとって、必要な力を身につけられる試験だとも思い受験に至りました。いきなりSA級を受けるのは難しいと思い、手始めにその一つ下のA級から受けてみることにしました。以下は私の勉強方法です。皆様の今後の学習の参考に少しでもなれば幸いです。
まず、試験形式に慣れるために、『国連英検 特A級・A級対策』に一通り目を通しました。この教本の優れているところの一つは、各項目に対して学習方法が記載されているところです。教材や情報が実用英検と比べて少ない分、とても貴重でした。その後、過去問を沢山解きました。そうすることで、時間配分の仕方、自分の得意・苦手分野が見えてくるので非常に効果的です。次に、各項目に対して私が行った対策です。
【文法、単語・語句】
(v)誤文訂正と(iv)単語語句補充問題が非常に高度で最初は半分を取るのにも苦労しましたが、過去問などで間違えた問題は自分が納得し理解するまで反復しました。単語語句補充問題に関しては、問題のみならず教本や過去問で出てきた分からない単語は直ぐに意味を調べ、意味が口から出てくるまで音読を繰り返し落とし込みました。また、教本にある必須語彙・用語リストや英検1級の単語帳も併用しました。その結果、本番では7割程度の点数をとることができました。
【長文】
長文は背景知識が全くないと理解しにくいので、過去問だけでなく、普段から BBC や CNN を使い、国内外のニュースを取り入れるようにしていました。(※その中で CNN EE はかなりお勧めです) その際に時間があまりなかったので、手当たり次第というわけではなく、まずはブレーンストーミングをし、自分自身がどんな分野に強いのか弱いのかを確認した後で、足りない知識を埋め合わせていきました。また、実際に問題を解く際は理解できない文章があっても、理解できる部分を繋ぎ合わせ、内容理解に努めるようにしました。長文で出てきた分からない事柄、専門用語、組織名はその都度調べていました。これはライティングや二次試験においても役に立ちました。
ただ、国連英検での長文問題は、(II) 適切な動詞の形を選ぶ問題、(III) 語句整序問題、(viii) 空所補充問題、(vii) 同意語を選ぶ問題 と内容を直接問うものではないので、やはりA級で求められる文法力や単語力をまずはしっかり身につける必要があります。
【国連ガイド】
国連の知識に関しては『わかりやすい国連の活動と世界』を読み、要点をまとめたノートを作成しました。併せて過去問を解くと、傾向が分かるので、点数は 1番伸びやすいかと思います。
【ライティング、二次試験】
学習時間が限られていたので、国際問題について現段階で知っていることをブレーンストーミングし視覚化することで、知識不足のところを重点的に情報収集するなど工夫をしました。これはリーディング、ライティング、二次試験に役立ちます。
その後、ライティングの過去問を解き、他に考えられる質問をインターネットなどから探し、それについて書く練習をしました。
二次試験に関しては、ライティングで自分が書いた物を暗記して言う練習をしたり、他の質問に対して、短い時間内で内容をまとめ論理的に説明できるかといった練習をしました。その際に、ボイスレコーダーを使うことをお勧めします。また、内容だけでなく、発音や流暢さといった技術面も見られます。発音はsiriなどを使って確認していました。最近では、『音読メーター』といった発音の確認をしてくれるアプリもあるので、ネイティブスピーカーが近くにいなくても、十分 1人で練習できるかと思います。
以上の学習方法で、無事に一度の受験で国連英検A級に合格できました。今年の夏には国連英検特A級を受験する予定です。今回の反省を活かし、また次回良い結果が出せるように日々の学習に努めたいと思います。
保有資格 » 実用英検 1級、TOEFL スコア 105点 職業等 » 関西学院千里国際中等部 3年(現時点) |
英語力がかなりあるかたでも、国連に関する知識が豊富な方は少ないと思います。自分も同じくそうでしたが、国連に興味はあったので勉強する気になりました。指定のテキストは国連に関する問題では特に役に立ちます。二次試験に関しては、日頃から英語でニュースを見たり、世界で今何が起きて居るのかを理解しておく必要があります。地球温暖化や SDGs、国連について学ぶにあたって必ず知っておかないといけない問題もたくさんあるので日頃からニュースや新聞を英語で見ておくと二次試験では本当に役に立ちます。自分はそうでした!自分の意見をはっきりと言えるようにボキャブラリーを増やすことも大事です。理解はしていても、それを表現できないと相手には伝わらないので。ここは英語の本や新聞記事を読むことで増やして行けると思います。
保有資格 » 実用英検 1級 留学経験 » オーストラリア 2週間(5年時) 職業等 » LCA国際小学校 6年 |
<はじめに>
この度は、運よく国連英検A級に合格した小学生は、全国で私1人だったと協会から聞いて、とても光栄に思っています。この場をお借りして、中学受験期間中に国連英検を受験するにあたり、色々とお世話になった進路指導の先生と支えてくれている家族に感謝の気持ちを伝えたいと思います。
私は帰国子女ではありませんが、3歳からLCA国際プリスクールに通い、LCA国際小学校に入学後、4年生の時に英検1級に合格しました。その時に、国際問題を学んだことがきっかけで国際社会に興味を持ち、国連の勉強を通して国際情勢を知ることができる国連英検受験を決めました。この体験記がこれから受験される方の参考になれば幸いです。
<1次試験対策>
国連に関する知識は、設問1 とエッセイ、2次試験にも関わってくるので、この対策として主に指定テキストの音読をしました。語彙は、英検1級の単語帳を使い、文法は、これまで洋書の多読によって覚えたので、ここで改めて学び直しました。エッセイは、模範解答を参考に、国連の取り組みや機関について書けるようにしました。あとは過去問題集を解き、出題傾向を把握しました。使用した参考書と問題集は以下の通りです。
<2次試験対策>
面接対策は、日頃から CNN10 ・ BBCニュースの視聴や、The Japan Times alpha を読んでいることが一番の対策になりました。また、私が関心のある UNHCR や緒方貞子さん関連の本を読み、UN NEWS などで SDGs や国際問題に関する知識の習得をしました。
本番の面接では、ネイティブスピーカーの試験官が1人で、雑談から始まりました。その後、面接シートに書いた難民問題のことを掘り下げて聞かれました。そこから環境問題に続いて、時事ニュースだった COP25 についての質問がありました。そして、「世界の森林破壊の対策として何ができるか?」と聞かれたので、私は、日本の役割として「日本も UNFF などの国際的な取り組みを推進している他、ITTO 、FAO などの国際機関への拠出や JICA などを通じた開発途上国への支援を行っている」と話し、自分の考えを述べました。その後は、国連の知識を問われる質問が続きました。気を付けたのは、論理的に話すこと、自分の意見をはっきりと伝えることでした。
<おわりに>
私が国連英検を受験して一番良かったことは、以前よりも国際ニュースの背景が分かるようになったことです。世の中を知ることの勉強は、とても楽しかったです。私は中学受験で、模擬国連活動に一番力を入れている学校を選びました。日本人として国際社会で活躍できる真の国際人になれるように、今まで以上に国語や社会科などもしっかり勉強したいと思います。そして、これからも失敗を恐れず色々なことに挑戦していきたいです。
ありがとうございました。
保有資格 » 実用英検 1級 留学経験 » ニュージーランドに 3年 職業等 » 聖心女子学院高等科 1年 |
この度、国連英検A級に合格した事を大変嬉しく思っています。国連英検A級に挑戦したきっかけは、模擬国連という活動を行う中でもっと国際情勢の知識を増やし、英語の文書をより正確に理解し自分自身でもそれを作成できるようになりたいと考えたからです。A級を受験する過程を通して、これらのことが少しずつできるようになってきていると思います。
この体験記が少しでもこれから受験しようと考えている方々の参考になれば幸いです。
一次試験で使用した教材や媒体とその使用方法
二次試験(面接)
ネイティブスピーカーの面接官と 10分程度の会話をします。ここでは、実際にどのような流れで面接が進んだか、これを踏まえた上でお勧めする面接対策方法の 2点をお伝えしたいと思います。
試験会場に到着したら面接シート(Interview Sheet)を英語で記入します。「国連英検A級過去問題集」の中に実際に使用する面接シートが掲載されていますので、そちらをご覧になっていただければ良いと思います。
時間になったら試験場係員に案内され、面接室の前で前の受験者が出てくるのを待ちます(5分程度)。面接官の方が扉を開けてくださったら入出し面接シートを手渡します。ここからは私の体験になるのですが、私の場合まず初めに学校のことについて聞かれました。とても身近で話しやすい話題から初めてくださり緊張がほぐれたのを覚えています。3分程度私の学校の話をした後、次に興味を持っていることについて質問されました。私は興味を持っていることとして模擬国連活動について記したので、まず模擬国連活動について説明し、私が参加した模擬国連会議の中で一番印象的だった議題についても話しました。面接官の方がその議題に対する私の立場と意見を求めたので、自分の意見と理由を2つ、自分の経験を交えながら話しました。最後に私が述べた意見とは反対の意見についてどう考えるかと問われたので、その際も自分の意見を揺るがすことなく事前に調べてきた根拠をきちんと並べて反駁できたと思います。
実際の面接の流れを振り返ると、面接官の方が私の得意な国際情勢について意見を述べる場を作ってくださったことが分かります。そのため2つの面接対策方法をお勧めします。
1つは、最も関心がありかつ反対意見を言われても自分の意見を貫き通すことができる国際問題を見つけることです。また、UN News、CNN、BCC、Japan Times などの英文ニュースや、日本語の文献からでも収集し、自分の意見をバックアップする確実な根拠をできるだけ覚えておくことが必要不可欠であると思います。そしてその国際問題につなげられるような内容を面接シートのあらゆる箇所にちりばめておくことが大切です。
2つ目は、スムーズに面接官と対話できるよう普段から英語を話す機会を設けることです。二次試験の面接は面接官との対話ですので、会話が途切れて沈黙ができてしまうのは望ましくありません。私の場合は学校のネイティブ講師と話す機会を自分から作りにいったり、海外に住む友達と FaceTime で様々な国際問題について議論したりして対策しました。オンライン上でも英語会話を対策できると思いますので、何らかの形で英語を話す機会をできるだけ多く持つことをお勧めします。