保有資格 » 実用英検 1級 TOEIC スコア 990点 実用仏検 準2級 HSK 4級 韓国語能力検定試験 中級 留学経験 » 米国 9ヵ月(Centre College, Kentucky)日本語ティーチングアシスタントとして山口県立大学より派遣 職業等 » 会社員(塾講師) |
【はじめに】
この度、国内最難関の英語試験と言われる国連英検特A級に合格、二次試験では最高評価である総合評価 10をいただけたことを大変嬉しく思います。
そして、コロナ禍の昨今において受験環境の提供してくださった日本国際連合協会の皆様に心から感謝の意を表します。
今後受験される方にとって、微力ながらお役に立てればと思い、体験記を書かせていただきます。
【受験のきっかけ】
今から 9年ほど前、大学 3年次に英検1級を取得した頃、国連英検の存在を知りました。2013年度版の公式過去問題集を購入したものの、余りの難しさに自分には縁がないと思い、受験をすることはありませんでした。しかし、仕事で英語を教えていく中で、自分の語学力をさらに高め、生徒に自ら学ぶ姿勢を見せていく必要性を強く感じ、2020年の夏、初受験を決意しました。一次試験で二度不合格通知を受け取ることになりましたが、結果としてこのハードルの高さが自らを駆り立てる原動力となりました。
【一次試験対策】
・良質な英文記事を多読する
語彙はこれまである程度量をこなしてきたので、今回の試験では文脈も考慮した上で単語を覚えられるよう、英文記事を出来るだけ多く読むよう心掛けました。
多くの合格者の方々が指摘されているように、良質な英文記事を大量に読み続けることが必要だと確信し、以下の雑誌やサイトの記事をメインの教材とし、半年間毎日、どんなに仕事が忙しくても 2〜5 記事は読むように心掛けました。
Foreign Affairs
The Economist
UN News
◯ 役に立った点
Foreign Affairs
国際情勢を米国視点から学ぶことができ、歴史的な背景も含め専門的な内容を知ることができます。特A級の長文には外交、軍事に関する用語も出題されるため、専門的な語彙を身に付けるのに非常に有用でした。
The Economist
Foreign Affairs と併せてこの 2つは必読書と言ってもよいでしょう。イディオムやユーモア溢れる表現やフレーズを学ぶことができます。国際情勢に関してもアジア、アフリカ、中南米地域も含め幅広く各国の情勢を分析した記事が多いため、二次試験対策にも最適です。
UN News
直近の国連機関が実施しているプログラムや国連総会での重要な決定事項など、タイムリーで具体的な活動内容を知ることが出来るため重宝しました。また、作文で使えるような表現もここから学ぶことが多かったです。
・ 単語、語彙の補強について
特A級の語彙レベルは英検1級のレベルを越えるため、記事を読み進めるのが慣れないうちは CNN / BBC などの記事を中心に読み、徐々に Foreign Affairs / The Economist の記事を読む比率を高めていくと取り組みやすいかと思います。
また、語彙不足が不安な方は、単語帳を並行して取り組むのもおすすめです。以下は私が大学の頃からこれまで取り組んできた単語帳の一部です。英検1級の語彙レベルかそれを超越した難解な英文を読み解く素地を作ることが出来ると思います。
パス単1級(旺文社)
Word Power Made Easy by Norman Lewis
Instant Word Power
Essential words for GRE
Merriam-Webster's Vocabulary Builder
1100 Words You Need to Know (Barrons Educational Services)
『英英英単語 超上級編』(ジャパンタイムズ)
『テーマ別 時事英単語集 [国連英検特A級・A級準拠]』(日本国際連合協会)
16000語 最強ボキャブラリービルディング(ベレ出版)
英検1級英単語大特訓(ベレ出版)
究極の英単語プレミアムVol.1/2 (アルク出版)
・ 作文対策について
公式過去問題集の書き方を真似るのが無難ですが、実際のところ私は模範解答にあるような国連知識を書き切る自信がありませんでした。そこで、フォーマットを決めて自分なりにアレンジして書くようにしました。
私の場合は、主張、背景知識、国連の具体的な活動(もし分からなければ今後の展望や一般論として必要な措置)を 2つ書くようにしました。解答時間を 20~30分と仮定すると、時間的な制約からイントロや結論は必ずしも書く必要はないと思います。この型を守って書いた結果、過去 3回の試験で 16点、16点、15点と得点することが出来たので参考にしていただければ幸いです。作文対策にあたっては、なみすけさんのサイトが非常に役立ちました。
「なみすけの英語ブログ」< eigoblog0405.com >
【二次試験対策】
・ YouTube を中心に国際情勢について学ぶ
試験前は移動中、常にニュースを聴くようにしていました。BBC / CNN / NBC / NHK World など鉄板のニュースメディアはもちろんですが、個人的にかなり役立ったチャンネルを紹介します。
Al Jazeera
中東問題を詳細に知るのに極めて役立つ媒体だと思います。イラン核合意における JCPOA (包括的共同行動計画)については Al Jazeera から多くの知見を学ぶことが出来ました。他の国際的な問題についてもノンネイティブが理解しやすい英語で情報が得られます。
DW News
ドイツの国際ニュースプログラム。語彙レベルも高くなく、幅広い話題について知ることができます。ロシアのウクライナ侵攻に関するニュースは DW News から多く学びました。面接試験直前も試聴していました。
WION (The World is One News)
インド発のメディア。Gravitas という番組がおすすめです。現在話題になっている国際問題について考察をメインキャスターの方が述べる形式で、他のメディアとは違った視点での知見が得られます。インド、パキスタン、アフガン情勢に関して詳細な情報が得られました。
これらを移動時間に活用し、幅広い話題に触れたおかげで、面接当日に全く聞いたことのないトピックについて聞かれるということはありませんでした。
・ ニュースの要約について
ニュースを見て自分の意見をまとめるという学習方法がありますが、私にとってはハードルが高いと感じました。
そこで、同じテーマの動画を 5,6本見ることで、共通する重要ポイントを把握し、要約するというやり方が有効でした。
国際情勢について「オリジナル」の意見を出すのは、正直に言って至難の業です。ですので、主要メディアで見解が一致している部分を把握し、そこに少しだけ個人的な意見を加えてまとめるというやり方だと、私の場合無理なく続けられました。意見を「絞り出す」というよりは、意見が「勝手に出てくる」レベルになるまで、まずはインプットにかなりに比重を置くよう心掛けました。
また、面接時の様子や雰囲気などを紹介している方のブログなどを読み本番で自分が話すイメージトレーニングも良い練習となりました。
土佐犬太郎さんのブログ
http://tosakentaro.blog82.fc2.com
【二次試験当日】
面接官のお二人が、終始和やかな雰囲気で進行してくださったおかげでのびのびと話すことが出来ました。
実際に聞かれた質問は以下の通りです。
(試験当日は偶然にも「国際中立デー」だったため、トルクメニスタンに見られるような永世中立という概念の重要性について話しました。紛争地域において衝突を避けるバッファゾーンを設け、和平的に紛争解決を図る必要性について言及しました)
面接では約15分間の間にされる質問は多岐にわたります。したがって、どんな質問に対しても、深掘りすることなく 30秒程度で概要、現状、解決策を提示する必要があります。面接官は外務外交の専門家ですから、曖昧な主張をすると必ず反論が来ます。そこでうまく自分の立場を擁護できない場合は、最初から無難な回答をするのが吉と考えます。とはいえ、私自身、個々の事案の解決策について極めて抽象的な回答しか出来なかったという反省があります。今後も外交、軍事を含む国際情勢について有効な策を提示出来るよう勉強していきたいと思います。
【おわりに】
高校時代、センター試験のリスニングで 50点中 18点しか取れないくらい勉強が苦手でした。特A級初受験をした 2020年10月。全く歯が立たず、悔しい思いをしました。しかし、SNS を通じて、同じ目標を持つ学習者の方々と出会えたおかげで、自分で勉強会を開いたり、合格者の方に面接練習をしていただく機会を得ることが出来ました。こうした方々の支えがなければ決して今回の合格は掴めませんでした。
私は英語を教える仕事をしています。今後も自ら学び続ける姿勢を示す学習者の一人として、語学を学ぶ方々の模範となれるよう邁進します。
元々趣味として始めた英語学習、今でも勉強を続けていられる最大の動機は「楽しいから」以外にありません。知的好奇心の赴くままに学習する喜びを、これからもっと多くの人と共有していきたいと思います。語学学習は、しばしば「役に立つ」か否か、という社会的要請の観点から語られがちです。しかし、私は「知りたい」という内発的動機に突き動かされるまま学ぶことの力を信じています。学習の努力が何らかの形で結実するには時間がかかります。だからこそ、私は「面白いから」「楽しいから」学ぶ、そうして身に付けた知識が、いつか滲み出てくるような教養と豊かな人間性を創り上げていくのだという希望を抱いています。
最後に、生活を支え、日々の語学学習を応援し続けてくれる家族、試験の得点では測れない「学び」の楽しさを教えてくださった母校山口県立大学の先生方、今日まで応援してくださった全ての方々に心から感謝します。
今後も自己研鑽を続け、これまでの経験を活かして恩送りをしていきたいと思います。ありがとうございました。
保有資格» 実用英検 1級 留学経験» なし(家族の赴任によりタイに 4年間滞在) 職業等 » 南山高等学校女子部 2年生 |
はじめに、コロナ禍にも関わらず試験を開催してくださった日本国際連合協会の皆様に、心よりお礼申し上げます。国連英検を受験するのは初めてでしたが、多くの人に支えられ、幸運にも初挑戦で特A級に合格することができたことを大変嬉しく思っています。私の合格体験記が少しでも今後受験される皆様の参考になれば幸いです。
【一次試験】
■ 使用したテキスト
■ 対策
大問Ⅰの対策として、「新わかりやすい国連の活動と世界」を一通り読みながら、特に重要だと思ったことをパソコンで Word にまとめました。まず最初に国連の組織や取り組みごとに段落を作り、その中で組織の活動内容を年代順にわけました。次に、箇条書きでそれぞれに詳しい情報を書き込んだ後、不要だと思った情報は削りました。情報量がとても多いので時間がかかりましたが、大問Ⅰの対策は作文や二次試験対策にもなり、さまざまなことに興味を持つきっかけにもなりました。プリントアウトした後は、出題されそうな箇所にマーカーで線を引き、繰り返し復習しました。さらに「国連英検過去問題集」を解いた後、大問Ⅰによく出てくる組織や年代、条約などをより詳しくペンで書き加えました。自分でまとめることで知識の定着をはかることができ、国連知識を問う大問Ⅰでは満点を取ることができました。
大問Ⅰ以降の問題を解くためには、どうしても豊富な語彙が必要になってきます。私自身も本番では穴埋め問題で苦労しましたが、試験を受ける数週間前から GRE Vocabulary Flashcards というアプリを使い、難度が高い単語をいくつか覚えていたので、そのおかげである程度の点数を取ることができました。合格体験記にはたくさんの有用な勉強方法が惜しみなく共有されており、とても参考になりました。
【二次試験】
12月の二次試験は学校の期末考査の真っただ中でした。火曜日から金曜日までテスト、日曜日の朝に新幹線で二次試験会場に向かい、月曜日もテストという日程で、準備不足を心配し本番はとても緊張しました。学校の試験勉強と面接準備の両立は思ったより大変でしたが、準備をする中で特A級合格者の方や特A級を受験される方とお話させていただく機会があり、アドバイスをいただけたことが大変励みになりました。私と年齢が近い学生の皆さんは、第1回目も第2回目も、国連英検の試験日と定期考査の日程が重なることも多いと思います。テスト勉強との両立は大変ですが、ぜひ諦めずに挑戦してほしいです。
二次試験の対策として、Economist Espresso(月曜日から土曜日の毎朝、ニュースのまとめをアプリで配信)を購読し、世界で起こっている新しい出来事についての知識を得た後、自分が興味を持ったものについてはより深く調べるようにしていました。足りない知識を補うために紙面の The Economist を読んだり、また、BBC や CNN、The Guardian など、無料でどこでも見られるインターネットサイト等を活用していました。特に BBC は、他のニュースサイトに比べてアメリカの出来事が中立の立場から報道されていると感じることも多く、多面的に物事を見る上で参考になりました。
一次試験の合格通知と一緒に二次試験の面接シートが同封されており、あらかじめ記入して当日持参しました。私の場合は、面接シートに書いた中で取り上げていただいたのは「行ってみたい国」だけでした。
■ 二次試験で話したトピックについて
Ⅰ 気候変動
Ⅱ 男女差別
Ⅲ 日本の教育
Ⅳ いま気になっているトピック
私はウクライナにおけるロシアとアメリカの勢力争いについて話しました。アメリカとロシアは他国に比べて保有する核兵器の数が多く、戦争が起こる危険性が高いことが懸念されることから興味を持ったと答えた後、面接官より、「戦争が起こらないようにするためには、どのようなことが必要になってくると思うか」と質問されました。
二次試験を実際に受けた全体の印象として、「間」を作らないことが大切だと思いました。自分が良く知らない出来事について聞かれた時に少しでも戸惑ってしまうと、知識不足であることが面接官に伝わってしまいます。私は緊張のあまり話題があちらこちらに飛んでしまい、決してまとまりは良くなかったと思うのですが、自分の持っている知識を総動員して頑張った結果、戸惑うことは少なかったので、そういった点も評価していただけたのかなと思います。とても緊張して、終わった直後は何について話したか思い出すことができないほどでしたが、それだけ全力を出し切ったと信じ、結果は落ち着いて受け取ることができました。
【おわりに】
国連英検特A級は英検1級に比べてもとても難しく、勉強量や勉強方法もかなり違うので、果たして自分が正しい方法で準備をしているのか、不安に思うことがたくさんありました。しかし、合格でも不合格でも、身につけた知識や経験は決して無駄にならないと思いますし、試験が終わった後も国際情勢について常に関心を持つ習慣が身につくなど得たものも多く、高校生活における貴重な経験となりました。
この受験を通して関わり、支えてくださったすべての皆様への感謝を忘れず、今後も努力を積み重ね、国際社会の一員として貢献できるよう、自分には何ができるかを常に考えながら、今できることを日々頑張っていこうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
保有資格 » 実用英検 1級 TOEIC スコア 970点 全国通訳案内士 職業等 » 会社員 |
合格体験記寄稿の機会をいただき、大変ありがとうございます。長年目指していた国連英検特A級に合格することができ、喜びを噛みしめています。
私は海外生活・留学の経験はありません。また日常で英語を使うことも皆無で、仕事でもこれまで何度か海外企業とのビジネスを行う機会があったぐらいです。友人等、普段接する外国人がいるわけでもなく、自分で意識しなければ数ヶ月、1年と、一切英語に触れることなく過ぎてしまいます。
そんな私でも、この最難関資格を突破できたということで、同じような境遇にある方のご参考になれば幸いです。
【一次試験対策】
この試験では、非常に高度なボキャブラリーを要求されますので、日常生活で英語に接する機会が乏しい場合、この部分は良質な英文を大量にインプットして強化するしかないと思います。私は数年前から「New York Times」(NYT)、英語ニュースメディアの「Quartz」を購読しています。両者ともメールマガジンが充実しており、国際ニュースからローカルニュース、ビジネス、政治、その他時事問題や、スポーツ、生活、エンタメ情報まで実にバラエティ豊かな記事を読めます。私が読んでいるのは毎日 4〜5通です。
読む際は流し読みでなく、辞書を用意して、単語、イディオム、文法、個々の単語の発音等、不明点を一切残さない徹底した精読です。
国連英検合格者の体験記で取り上げられることが多い「The Economist」と「Foreign Affairs」は両方とも読んでいませんでした。ただ、上記 NYT や Quartz の記事は国連英検で出題されるようなテーマにピンポイントで一致することは少ないため、これからどのメディアを教材に使おうかと考えているのでしたら、やはりこのどちらを選んでおいた方が試験準備として効率的だとは思います。
国際問題に関する知識については、準備段階のなるべく早いうちから出題されそうなテーマを押さえ、情報整理に取り組んだ方がいいと思います(私はこれを怠ったために二次試験直前に大量の知識の詰め込みをせざるを得ず、泣く思いでした)。
この試験を目指そうという方は基本的に自分の考えを英語で述べるスキルは持ち合わせていると思いますので、情報を日本語の本やニュースから収集するというやり方でも構わないと思います。ただし、二次試験に備える意味でも、各テーマに登場する固有名詞や、特有の用語は発音を含めて押さえておく必要があります。
「新わかりやすい国連の活動と世界」は標準テキストなので、当然何度も繰り返し学習しました。大問1. の国連知識問題に関しては究極を言えばこの本の「丸暗記」しかなく、多くの受験者に取って悩ましい課題かと思います。私は「Flash Cards Deluxe」というスマホアプリを活用しました。これはいわゆる「単語カードアプリ」ですが、物凄く高機能です。このアプリを使ってテキストで出題されそうな部分をほぼカード化し(全部で 400枚ほどになりました)、通勤時間や昼休み等、繰り返し眺めました。すると、潜在意識に定着したのか、問題を見るとある程度反射的に答えを選択できるようになりました。
過去問題集は、最初のうちは常に最新版を購入して全部解いていましたが、何度か受験して(実は 6回目の受験で合格しました)問題の傾向や回答のペースが分ってからは、取り組む必要を感じなくなりました。結局この試験で要求される英語力にもはや上限はありませんので、回答時間配分の感覚はつかんでおいた方がいいですが、過去の問題を見て対策を練る、といった受験勉強によく使う小手先のテクニックは必要ない(と言うか通用しない)と思います。
あと、最近 PCやスマホに慣れて「文字を書く」という習慣から離れている方が多いと思います。私はエッセイを書くときに手が動かしにくくてちょっと辛かったです。人によりますが、手書きの練習もしておいた方がいいかもしれません。
【二次試験対策】
一次試験の自己採点をしてみた結果、合格のボーダーラインぎりぎりだった上、合否通知の誤配で結果を知るのが遅れたため、実質二次試験の準備に割いた日数は 10日ほどです。しかも平日昼間は仕事をしていますので、焦りまくりました。
前述の通り、自分は普段英語を使う機会が皆無ですので、自分の考えをスムーズに音声にするという練習を積む必要がありました。そのため、オンライン英会話を平日帰宅後 1レッスンと、準備期間に含まれていた土日 3日間は 4~5レッスン受講しました。私が入会していた講座は教材を自分で選べるので、用意されたテキストのうちから国連に関係あるものばかりを選びました。レッスン中はとにかく英語を口に出す分量を増やそうと、講師からの質問に対して、自分の考えを交えながらできるだけ長い答えを返すようにしました。なのでレッスン中はほとんど 1人でしゃべっていたような感じです。
国際情勢に関する知識不足は、準備期間中に 1~2日に 1冊のペースで各テーマに関する日本語の新書を読み(と言うより、読まざるを得なかった・・・)、Webツールの「Notion」に二次試験対策用のページを作りました。そこにまず各テーマを箇条書きにし、新書や国連の Webサイト、さまざまなニュースメディア等から集めた情報をどんどん英語で入力しながら整理しました。「Notion」には簡易なアウトラインプロセッサ機能があり、メモを整理できるだけでなく、Webサイトをそのまま貼り付けてスクラップブックのように使えます。入力した情報の編集や閲覧も、PCからだけでなくスマホアプリからもできるので大変便利です。
実際の面接内容は主にコロナ対策に関するもので、海外と比べた場合の日本のコロナ対策、補助金の使い方、フェイクニュース対策等、テーマを絞っていただけましたので比較的答え易かったです。
私はコールセンター業界で 30年働いていて、この分野でしたら本が書けるぐらい知識があります。それで何かこの方向で話ができるといいなあと思い、駄目元で面接シートの職業欄には「 Office Worker 」などというありきたりなものではなく、「Call Center Operation Process Designer」と、より自分の役割が分るものを記入しました。運良く(?)実際の面接でこの部分に少し触れていただけましたので、そこから若干話題を展開することができました。
【最後に】
国連英検は英語力だけでなく、豊富な知識も要求されますので、特に社会人で学習時間が限られている方はスマホやインターネットをうまく活用することがポイントだと思います。
また、普段から「自分の意見をまとめ、発信する」癖をつけておくといいでしょう。自分は日本語ニュースサイトの「NewsPicks」で、掲載されているニュースに対して、読むだけではなくなるべく自分の意見をコメントするようにしています。普段から SNS やブログ等で、世界の出来事に対する自分の意見を投稿するといい練習になると思います。
保有資格 » 実用英検 1級 TOEFL スコア 112点 留学経験 » 家族の駐在のためにアメリカに 4年、バミューダに 3年半、スイスに 2年(1歳~10歳) 職業等 » 学生(慶應義塾湘南藤沢高等部 1年) |
この度は国連英検特A級に合格することができ、大変嬉しく思っております。
特A級では、高い英語力に加えて国際情勢や国連についての深い理解が必要となります。このため試験対策をする過程で有益な知識を得ることができ、良い経験になったと感じています。私の体験談がこれから受験する皆様のお役に立てば幸いです。
【1次試験】
参考書は、『国連英検過去問題集』2017~2020年分と『わかりやすい国連の活動と世界』を使用しました。
まず問題形式に慣れるために、時計をこまめに確認し、大まかな時間配分をつかむことを意識しながら過去問を解きました。最初は正答率が低かったことから、採点した後にできなかった問題の復習を念入りに行い、原因を分析しました。私の場合は、意味が分からない単語があって文意を誤解するケースが多かったため、単語とその意味を別紙に書き出して、こまめに暗記するようにしました。そして時間をおいて、今度はスピードと正確性を意識しながらもう一度解き、前回復習したことが定着しているか確認しました。
次に、国連についての知識を問う問題への対策として、『わかりやすい国連の活動と世界』を読みました。知識問題は英語力に関係なく、勉強量に比例して正解率も上がるため、特に力を入れて学習しました。膨大な情報量をすべて暗記するのは効率が悪いため、最初は一読して重要と思うポイントや過去問に出てきた内容に線を引きました。2回目以降は下線部分とその周辺に読む範囲を広げ、知識を定着させながら理解を深めていきました。
覚えることがたくさんあるため、計画的に勉強を進めることをお勧めします。学校の勉強や部活でまとまった時間がなかなかとれなくても、隙間時間などを有効活用し少しずつ覚えていくのが一番効率的だと思います。
【2次試験】
2次試験対策ではあまり参考書を使用せず、テスト形式を確認するため「国連英検特A級・A級面接対策」に目を通した程度でした。力を入れたのは、新聞やニュースを通じて国際情勢や時事問題、そしてその背景についての知識を蓄え、自分なりの考えを持つことでした。国連英検は「真に役立つグローバル・コミュニケーション能力」の育成を目的として実施されており、生きた題材を基に面接官の方々としっかりかみ合った会話をすることが重要と考えたからです。例えば、SDGs の中で自分が最も興味を持っている男女差別の解決についての理解を深めるために、主な活動家のバックグラウンドや、国連のどの機関がどうような運動をおこなっているかなど、細かく調べました。面接では、自分が関心を持っていることについて答える質問が多く出されるため、このようにトピックを予めいくつか定め、事前にリサーチをしておくと役に立ちます。そして本番では、与えられたトピックについて持っている知識を使いながら、焦らずに筋道立てて話すことを意識しました。準備を念入りに行ったことで、自信を持って話すことができたと思います。
非常に難易度の高い試験でしたが、その分合格した時の達成感がとても大きかったです。また試験対策を通じて、これまで知らなかった国連の活動や意義といった知識が身に付き、それを経験豊かな面接官の方に聞いていただいたことは、私にとって貴重な経験となりました。今後も自分の英語力をさらに高めていくために努力していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。皆様のご健闘をお祈りします。
保有資格 » 実用英検 1級 TOEFLスコア 116点 IELTS 8.0 実用フランス語検定 準1級 実用中国語検定 4級 GOETHE INSTITUT (ドイツ語検定) A2 留学経験 » 父の仕事で香港、フランス・パリ、イギリス・ロンドンに 14年 職業等 » 渋谷教育学園渋谷中学校 3年 |
合格をいただきありがとうございました。
昨年4月に日本の中学校へ編入し、同じ学校の友人が国連英検を受験し、合格したこと知り、私も受験してみました。
その時まで国連英検というものを知らなかったので、どのように勉強したら良いのか全くわからないなか、試験に臨みました。初めての試験で合格できて嬉しく思っています。
海外のインターナショナルスクールや現地の私立校で過ごし、英語はとても身近にあり、いつも自分の好きなストーリーを書いていました。また、小さい頃から英語の本を読むのが好きで、試験前も本を読むようにしていました。
一次試験の対策は特にしていませんが、国連の活動について事前に YouTube や BBC を観ました。
二次試験は、試験対策として、「国連英検 特A級・A級 面接対策」(三修社)を母に購入してもらいました。
面接では、国連の活動で興味のあることは何か?という質問があり、私は、ジェンダー平等について話しました。
ちょうど夏休みから 3ヶ月半、東京都主催の「ティーンズアクション」という活動のメンバーに選出され、ジェンダー平等と LGBTQIA+ についてグループで研究していたので、そのとき調べたことを話すことができました。
また、世界中にいる友人達に呼びかけて、ソーシャルプラットホームを立ち上げ、その中のテーマの一つに、「ジェンダー平等」について話しあってきていたので、そのことについて話すことができました。
また、面接では、事前に記入した面接シートに基づいた質問がされ、私は以前、香港、イギリスに住んでいたということから、中国と台湾、香港の問題や、イギリスの BREXITについても聞かれました。
面接シートに関する質問をされる可能性が高いと思いますので、住んでいたところ、住んでみたいところに関わる国際的な問題などは前もって答えられるようにしておくと良いと思います。
一次試験も二次試験も、試験会場に同じ学校の友達が何人か来ていたので楽しかったです。
高校生になったら、世界で起こっていることにもっと関心を持ち、将来、国際社会に貢献できるような職業に付けたら良いと思います。
保有資格 » 実用英検 1級 TOEIC スコア 990点 全国通訳案内士(英語) 留学経験 » 海外赴任経験あり(米国 1年半) 職業等 » 地方公務員 |
【はじめに】
この度は国連英検特A級に合格し、大変うれしく思います。これまでに受験した英語の試験では紛れもなく最も手強い内容でした。私の合格体験記が今後国連英検を受験される方々に少しでも参考になれば幸いです。
【受験動機】
コロナ禍は現代社会の課題を炙り出すとともに、個人の人生観や仕事観にも影響を与えたと言われます。私もこのパンデミックを契機に自らを省み、次の二つの理由により、国連英検特A級に挑戦することとしました。
【一次試験】
一次試験の準備は、7週間前から開始しました。とはいえ、平日に新しいことに取り組む気力はありません。そこで、勤務日には長年の習慣である出勤前のスピーキング、出退勤時のリスニング、昼休みのリーディング(いずれも国連英検とは無関係な教材を利用)をそのまま継続することとし、国連英検の対策は休祝日を中心に、次の 3点に絞って行いました。
① 国連に関する知識
国連に関する知識を直接問うのは大問Ⅰの 10問のみとなりますが、準備すれば確実に点数を稼げることから軽視しない方がよいと思います。私は指定テキストである「新わかりやすい国連の活動と世界」を読み込みながら、自分なりに想定問答集を作成し、数回見返して記憶への定着を図りました。なお、本番は四択問題のため、事実関係の把握ができていれば十分であり、また、時間を効率的に使う観点から、この学習は日本語で行いました。
② 語彙
国連英検の語彙は広範囲にわたることから、「国連英検 過去問題集 2019/2020年度」を解き、出題形式に慣れるとともに、分からない単語や熟語の意味を調べてリスト化しました。リスト化にあたっては、どういう場面で使う表現なのかという情報も付記し、何度も読み返すようにしました。ただ、時間的制約から十分に学習できなかったのが実情です。
③ ライティング
ライティングについては、「国連英検 過去問題集 2019/2020年度」の解答例を参考に、自分なりの論理展開の「雛形」を定めました。その後は応用です。公式サイトに記載された過去の出題例を参考にトピックを設定し、「雛形」に基づいて 200字から 250字の範囲に収まるよう練習を重ねました。
一次試験を一言で振り返ると、「可もなく不可もなし」でした。① については、学習の甲斐もあり取りこぼしがほぼなかったものの、② については準備不足を露呈し思うように得点を挙げることができませんでした。③ については無難にまとめましたが、今思うと、解答用紙の裏面に下書きするべきではなかったと思います。清書時に表と裏を交互に見なければならず時間を取られてしまいました。
【二次試験】
二次試験の準備は、一次試験の終了直後から始めました。そもそも二次試験に進めるか否か確信がない中での開始となりましたが、合否判明まで待っていてはただでさえ短い準備期間がさらに不足します。振り返っても賢明な判断だったと思います。
二次試験にあたっては平日・祝休日を問わず、次の 3点を中心に学習を進めました。
① 国連に関する知識
二次試験では国連に関する表層的な知識では通用しないとの認識から、グローバルな課題ごとに国連の諸機関がどのように関与しているのか、英語で概略図を作成しました。トピックは、「気候変動」「COVID-19」「言論弾圧」「水問題」「難民」の 5つ。作成にあたっては、「UN NEWS」のほか、国連諸機関の公式サイト等を参照しました。この作業を通じて国連諸機関の役割について改めて頭の整理を行うことができました。
② 時事問題に関する知識
時事問題の範囲は多岐にわたります。全てを網羅する余裕はとてもないため、「日経新聞」の国際面の記事をスクラップすることとしました。つまり、情報を取捨選択するフィルターとして同新聞を使ったこととなります。
次に、スクラップした記事を基に、英語で想定問答集を作成しました。取り上げたトピックは次のとおりで、回答には自分なりの意見を盛り込むようにしました。
このように作成した想定問答集は、「Sound of Text」というサイトで音声(MP3ファイル)に変換しスマートフォンに取り込みました。しかし、その時点で準備期間の大半を使い切っており、音読やリスニングに応用し始めたのは二次試験の数日前でした。時間配分のまずさにより準備が不十分なまま面接試験に臨むこととなり、この点は反省しています。
③ 自分の「世界観」の再確認
公式サイトは、国連英検を「単なる語学力の判定にとどまらず、総合的な国際コミュニケーションスキルが問われる検定試験」と謳っています。私はこれを「国際人として必要な資質や哲学が問われる」と解釈し、グローバル課題を俯瞰する際の自らの「世界観」を再確認する必要があると考えました。そこで、数年前に読了した Daron Acemoglu, James Robinson 著「Why Nations Fail: The Origins of Power, Prosperity, and Poverty」(Crown Business、2012年)を、空き時間を活用して再読しました。
目の前の面接対策という観点からは迂遠な取組だったかもしれませんが、自分の「世界観」の補強につながり、試験当日の精神状態にも良い影響を与えたと思います。
このようにして迎えた試験当日。心がけたのは、(a) 前日までに学習したことは一旦リセットする(学習した内容に固執し過ぎると質問に対して不自然な回答をする懸念があったため)、(b) 何があっても会話の流れを止めない、の 2点でした。
試験官はネイティブスピーカー 1人と日本人 1人。面接はリラックスした雰囲気の中、私が過去に訪問した国についての質問から始まりました。その後トピックは、気候変動、水問題、難民、ミャンマー問題、農業、と矢継ぎ早に続き、所定の 15分間はあっという間に経過しました。
振り返れば、文法や語彙の間違いがあったと思います。また、同じ言い回しをして単調になった場面もありました。しかし、上記 (a) (b) についてはいずれも実践することができたと思います。全く準備していなかった農業関連の質問に対しても、知っている限りの知識を総動員して淀みなく答えました。このあたりが評価され合格につながったのではないかと思います。
【おわりに】
国連英検は国内最高峰の英語資格の一つと言われますが、単に英語能力だけではなく、世界を舞台に活躍する国際人としての総合能力が問われます。個人的には、合格を目指すプロセスで改めて自分の強みと弱みに向き合うことができたのが最も価値ある経験でした。
今回は幸いなことに合格しましたが、自分に常に合格できる能力があるかというと心許ないのが正直なところです。今後も国連英検特A級の名に恥じぬよう、精進していきたいと思います。
保有資格 » 実用英検 1級 英単語検定 1級 英会話検定 1級 TOEIC 970 Versant 75 Duolingo 135 TEFL(英語教授法) EPT®英語発音(指導者級) ビジネス翻訳士(日本語→英語)
留学経験 » 米国(日米学生会議 日本側代表)(日本映像翻訳アカデミーJVTA 修了) 職業等 » 会社員(海外担当) |
コロナ禍におけるテレワーク中心の誰とも会わない生活が日常となり、日々のマンネリ化を打破し、成長の糧にすべく、この度国連英検A級を受験しました。
国連の掲げる SDGs(持続可能な開発目標)やパリ協定では、世界共通の長期目標が掲げられています。企業の社会的責任がますます求められる中、私の勤務先でも、日本を代表するグローバル企業として、事業そのものを通じて持続可能な社会に貢献すべく、様々な取り組みがあります。これまで以上にサステイナブルな企業であり続けるため、ESG を中核に据えた事業運営へと会社の方針も転換が加速しています。現在、海外の会社や投資家との重要な交渉において通訳に臨む場が多く、細かいニュアンスも正確に英語で伝えられるよう、毎回、悪戦苦戦しております。語学力は常に伸ばしていく必要があると実感しており、毎月何らかの検定試験を受けていますが、とりわけ国連英検は非常にアカデミックで国連や国際問題への知識、そしてコミュニケーション・スキルが必要なので、実力を試す上では非常に良いレベルの試験だと思いました。
私はまず SDGs の基礎的な理解を深めるために、国連英検受験の半年前には様々な SDGs関連の書籍を読みました。YouTube でも SDGs の番組があるので、いつでも学ぶことができます。自社の事業領域である「食料・水・環境」のみならず、SDGs 17 の全ての目標と現状について十分に理解が深まり、SDGs推進士試験にも合格することが出来ました。
国連英検では、国連全般の歴史や知識、国際機関の様々な役割をきちんと理解することが求められており、付け刃の対策では間に合いません。そのため、国際問題や時事問題について常にアンテナを張って学習してきました。隙間時間を活かして YouTube で学んだことが多いですが、具体的な番組などについて以下に列挙します。
【勉強したこと】
以上、大方の受験準備が整うために半年は掛かりました。社会人となると、中々まとまった時間は取りづらく、日々の積み重ねが大切です。土日は絶好のチャンスです。また、 Twitter上では、英検1級取得者で尚且つ、非常に意識が高い人たちがつぶやいているのを見て、励まされていました。
***
国連A級の 2次試験は、アカデミックな内容に関して、自分の軸を持って意見や主張が出来なければなりません。面接官の質問は 10問程度なので、どのような回答をしたのか一部再現してみました(本番は即答しなければならないので、実際の回答はこちら記載の 8割程度の出来でした)。
◎ いま世界が直面している、あなたにとって関心のあるテーマは何ですか?
世界の問題全般について関心があります。貧困、飢餓、不健康、教育、ジェンダー、水、エネルギー etc. 国連が掲げた SDGsを推進していくことに賛同しています。それは SDGs の 17の各目標において、個々人が直面すべき、世界の課題がすべて集約されているからです。
◎ それでは、具体例を挙げてもらえますか?
貧困を具体例に挙げましょう。世界銀行が定義する国際貧困ライン(1人あたり 1日 $1.90(約 200円)以下で生活)を下回る、「絶対的貧困」の人たちが、世界には約 8人に 1人います。このような人たちは、衣食住といった、生きる上での最低限の条件を満たすことも出来ません。イエメンでは、国民の過半数が栄養不良に陥っており、未曾有の人道危機が起こっています。パレスチナ自治区ガザ地区では、95% の水が汚染されており、病気の原因の 30% は水です。
日本に目を向ければ、約 6人に 1人が、世帯所得が等価可処分所得の中央値の半分未満で、「相対的貧困」に陥っています。G7 の中では米国に次いで、高い割合です。ジニ係数(社会における所得格差の割合を指す)も、再配分所得ジニ係数を見れば、所得の再分配は比較的うまくいっていますが、当初所得ジニ係数では着実に格差が拡がっています。123万世帯におよぶシングルマザーの貧困率は、約 50% を占めます。ワーキングプア(働く貧困層)は労働者の 40%を占めています。これらの人たちは経済的な厳しさから、高度な教育を受ける機会や、社会的なイベントへの参加に対する自由が奪われています。日本国内における富める人と貧しい人の二極化は、「冷戦の終結」「バブル崩壊」「小泉政権」の構造改革という 3つの時期を契機に進行していきました。
◎ どのように国連組織は、その対策を行っていますか?
FAO(国連食糧農業機関)です。FAO は、1945年に創設された国連最大の専門機関であり、イタリアのローマに本部を構えています。すべての人々が、いつ、いかなる時でも必要な食料を物理的、また経済的に入手可能な状況を作り出せるよう、世界の食料安全保障の確保を目指しています。食料および農業の国際的指導機関として、各国への技術的助言と、援助の主要計画の実行、散在する情報を集めた分析、政策および計画に関して各国政府に助言、政府と専門家が集まって食料および農業問題を討論できる中立の場を提供しています。
◎ 日本政府は、どのように対応しているでしょう?
日本政府は世界最大の人道組織であり、2020年ノーベル平和賞を受賞した WFP(世界食糧計画)への資金提供を ODA の一貫として実施しています。それにより、国際組織である国連主導での最貧国への食料援助に寄与しています
◎ あなた自身はどのように対応していますか?
食料ロスを無くす努力と、SNS での情報発信をしています。日本の食料自給率は 38% にも関わらず、年間 643万トンもの食料を廃棄しており、その量は東京ドーム 5個分に相当します。国民 1人当たり、おにぎり 1個を毎日捨てている計算になります。食料廃棄量は、なんと日本の途上国への食料支援量を上回っています。
◎ あなたが国連職員であれば、食料問題をどのように克服していきます?
世界の食料廃棄の25%を、食料が不足している人たちに配分することができれば、78億人の世界人口に普く食料が行き渡ります。したがって、適切な食料配分の仕組み作りに着手します。
◎ 他にどのような問題に、世界は直面していますか?
「大気汚染」が挙げられます。WHO(世界保健機関)も重大な健康問題に挙げています。大気汚染は世界人口の 91%に影響しており、「サイレントキラー」ともいわれ、毎年 800万人が間接的に影響を受けて死亡しています。日本でも 3万人が死亡しているといわれます。この問題を解決するためには、市民 1人 1人が汚染への反対運動をするなど、社会への意識を高く持ち、声をあげる活動が大事です。それによって着実に、世界をより良い方向に変革していくことができます。市民 1人 1人の力は微力ですが、団結した時にこそ、社会を変革する大きな原動力として新たな時代を生み出していきます。
***
テストスコアは総合評価 9/10 で、項目別のスコア合計は 78/80 と高い評価を頂きました。多少のミスや言い間違いがあっても、この水準での英語のアウトプットができれば、十分合格圏内に入る試験です。試験では尋ねられませんでしたが、他にも「宗教界の SDG の取り組み」や、「COP-26 のポイント」「核問題と軍縮の歴史」「中国包囲網の背景」「国連改革の必要性」など、色々なテーマに対する自分の考えをまとめました。さらに、これまでに観た映画や本を振り返り、政治の討論番組や国際問題を扱った報道番組を見ることによって、国際問題に対する理解も一層高まりました。また、これまで米国での 5年間の生活、サウジアラビアで過ごした約 3年半、そしてまたボランティア活動の一貫で世界各地の NGO、NPO団体との国際交流や異文化交流で見えてきた、様々な課題に対してマクロな視点が付加され、有機的にそれらの知識が結びつきました。そもそも英語学習とは、単に英語が話せるようになることがゴールではなく、ネイティブ相手に説得力のある、中身ある話をどれだけ論理的かつアカデミックに展開できるのか、ということが本来の学習の意義です。そういった意味でも、国連英検は、自分と世界とのつながりを見つめ直し、英語での発信力を確認する最適な試験でした。国内最難関の英語試験、国連英検特A級にはあと 1点足りず、1次試験不合格でした。今年は日本人社員の英語コミュニケーション力を向上させるための教育プログラムの開発や、英語コーチングスキルを実践的に習得するため、ケンブリッジ CELTA の取得に向けて臨んでいます。同時にまた、リアルタイムの世界情勢にもアンテナを常に張り、知識と教養も深め、国内最難関の国連英検特A級に再度臨みます。また地域の団体で、日本在住の外国人支援のボランティアを行っていますが、今回の受験を通して学んだ国際情勢・世界情勢の知識や、コミュニケーション・スキルを今後の活動に更に活かしていきます。
保有資格 » TOEIC スコア 980点 留学経験 » トンガ王国(駐在 2年)、スペイン(留学 1年半) |
【はじめに】
コロナ禍にも関わらず、試験開催のために御尽力下さった日本国際連合協会及び試験官の皆様に厚く御礼申し上げます。国連英検A級・特A級は、合格者が少ないということですので、情報収集にも困難があるかもしれませんが、この体験記がこれから受験される皆様の参考となれば幸いです。
【使用教材と勉強方法】
◆ 1次試験
① 『TOEFLテスト英単語3800』(神部孝)2014年発行
② 『16000語レベル最強ボキャブラリービルディング』(上田一三)2018年発行
私が使用する英単語帳は、国連英検と直接関係あるものではありませんが、英単語帳は自分のフィーリングにあったものがベストであり、それといかに長期的に向き合っていくかが重要であると考えます。私はあらゆる試験勉強を始める際に、まずは記憶が曖昧になりつつある単語を確認しつつ、新たな語彙力強化も行うため、単語帳のみを使用した学習期間を数日~ 1週間程取ることにしております。
全ての英語資格試験に共通して言えることは、語彙力がベース(最終的な結果に最も影響を及ぼす基礎であり、ある意味で全て)ということです。一例にすぎませんが、例えばリーディングの難問というものは、一般的に敢えて語彙レベルを上げた設問を作り、文脈から意味を類推させるような仕組みが取られることが多くなってます。この場合、速読し内容を理解するというリーディング力から解くことが基本ですが、選択肢(通例 4つ程度)にある難単語すべての意味を完全に理解していれば、文脈で悩む必要すらないことも大いにあり得るからです。
英語が得意な人は数多くいますが、そういった中で、自分独自の語彙力を作り上げていくことは、一つの武器になると考えます。帰国子女や長期留学経験者並みのリスニング力・スピーキング力は、自身の努力だけではなくあらゆる環境整備も必要となり、ハードルが高い場合も多々ありますが、日々英字新聞に触れ、一日一つでも知らない単語を調べ、保存し、暗記していくことは、どこ在住でも容易にできることです。単語力を重視することが、外国語学習の第一歩であると私は考えます。
② 国連英検特A級・A級対策[改訂版](日本国際連合協会)2011年発行
試験対策における最重要教材。練習問題という形で、実際の試験内容に近い設問を解くことのできる唯一の参考書です。発行が 10年以上前なので、購入前に躊躇ってしまうかもしれませんが、私の場合は最初の約 10日間はこちらの教材しか使いませんでした。
特に、大問1 の「国連ガイド」に関しては、他の合格者も書いているように、似た設問が一部繰り返し出題される傾向にあるので、まずは解いてみて、間違ってみることが第一歩です(日付等を問われるため、類推して解くことは不可能なので、初見での正答は容易ではない。その事実を理解する)。どういった条約、会議、宣言、時期、機関について問われるのか全体を網羅したら、一つ一つに関して自分で検索し、調べ、その内容をリスト化し、暗記する、といった流れが良いかと考えます。言わずもがなですが、ここで重要なのは、練習問題や過去問題の内容をピンポイントで覚えるのではなく、そこで触れられた内容が重要だと示されているわけですので、ひとまとまりの歴史的事実として学習することです。一例ですが、UPU の第二回郵便連合大会議の開催場所を問う設問で、回答はパリとなるわけですが、この事実を読んで安心するのではなく、では第一回はどこで開催されたのか(スイスのベルン)、前身の設立はどこが主導したのか(米国)、現在までに何回ほど開催されたのか(27回)と、深堀りして学習する習慣をつけると、知識が深まるのではないでしょうか。
③『国連英検過去問題集 2019/2020年度実施』(日本国際連合協会) 2021年発行
上述の方法で、基礎的な知識を身につけたのち、試験直前まで使用しました。3回分収録されているので、1日1回分として、3日間で使用したと記憶しています。脳を慣れさせるためにも、心の余裕を持つためにも、最後の総仕上げは大事だと思います。
④『新 わかりやすい国連の活動と世界』(日本国際連合協会)2019年発行
国連に関する一般知識を学ぶための参考書なので購入しましたが、実はほぼ全く使用しませんでした。この本は対訳を売りにしているのだと思いますが、さっと読んで一つ一つのトピックの内容が薄いと感じたからです。予算の限られている方は、こちらを買う必要はないと思います。
それよりも、② ③ のような参考書で勉強を進め、自分で深掘り学習するのがベターだと考えます。国連英検に挑戦される方は、既にこういったリサーチ力は有していると推測しますが、仮に、調べたりまとめたりする作業が苦手だという場合でも、この機会に身につけるといいと思います。人生において、自分の知りたい内容が、一冊の本にすっぽり収まっていることはまずないはずですので、自分が納得するまで好きなように深掘りし、自分の言葉で他者に説明できるようになることが「勉強」なのだと考えます。
◆ 2次試験
① 国連英検特A級・A級面接対策(日本国際連合協会) 2021年発行
良書です。過去の受験者の発言等、実際のやり取りが例として文章化されているので、これを読めば、自身の面接を想定した準備がしやすくなると言えます。
対策と勉強方法については、国際ニュースのフォローやラジオのリスニング等、既に他の合格者の方々が説明を尽くしてるので割愛しますが、一点だけ、面接対策に関する私見を述べたいと思います。
そもそも日本の教育は、自分の意見を明確に述べることを重視していないため、「●●について自身の意見を英語で述べよ」と面接で振られて、楽しく安心感を持って答えたくなる人はまずいないのではないでしょうか。その前提に立った上で、「意見を持つ」とは何か、今一度そこから考えてみましょう。ロックダウンについてどう思うか、ワクチンの途上国への提供についてどう思うか、入国制限についてどう思うか、このような問いに対して、真面目な人であればあるほど、「自分独自の意見を言わなくてはならない」と、瞬時にオリジナルで良い回答をしなければならないと考える為、脳にストレスがかかるのだと考えています。ネイティブスピーカーであれ、考えたこともないことを瞬時にペラペラ喋っているはずがありません。
では、何をすべきでしょうか。「検索」に尽きます。英語で検索して、「全ての賛成意見と反対意見を読んで理解」してください。その上で、全ての意見に対する自分の感情と向き合います(何故嫌なのか、何故賛同できるか等)。そこから、読み解いた他者の意見を活用しつつ、オリジナルな意見をつける/生み出していくのです。
真面目な人であるほど、それは自分の意見ではない、ずるい、と感じてしまうかもしれませんが、それでは学習になりません。あるトピックが存在すれば、それが重要であればあるほど、議論は既に尽くされています。それを知らずしてオリジナルな意見を、まして外国語で生み出そうというのは、生真面目というよりは、手順違いです。もし、昔の私のように、自身の意見をペラペラ述べることが苦手であればですが、一つのトピックについて、賛成も反対も掘り下げてこそ、自分自身の意見が見えてくるのだと、まずは考え方を変えてみてはいかがでしょうか。
【おわりに】
国連英検試験の魅力は、英語力に加えて国際関係の知識が求められる点であり、それゆえに準備期間も試験当日も、自身の知識欲が刺激される大変有意義な時間となりました。
自身の面接に関して言えば、実は、準備していたトピック(各機関の Mandates 等)がことごとく出ず、何一つスラスラ話せなかったのですが、暗記していた SDGs の内容等のつぎはぎで、運よく合格を頂くことができたようです。自身の不勉強を教えてくださった試験官の方に感謝しております。次回は特A級を受ける予定ですが、今回のことを糧に、今度こそ自信を持って回答できるよう、日々精進を重ねて参ります。
保有資格 » 実用英検 1級 留学経験 » なし (海外滞在 約 9年) 職業等 » 国際医療福祉大学医学部医学科 |
(はじめに)
この度は国連英検A級に合格でき大変嬉しく思います。今後受験する方の参考になれば幸いです。
(1次試験対策)
実習が忙しくなかなか国連英検の対策に時間を費やせなかったため、結局1次試験の準備は試験日の 2ヶ月ほど前から開始しました。短い期間で合格点を取るために、大問1 の国連知識問題と英作文にフォーカスし 1ヶ月間は国連の知識と苦手な英単語を重点的に学習しました。
大問1 で問われる国連知識はテキストから全て出題されます。配点は 10点と高いですが、一番点数を取りやすい部分だと思ったので一番時間を費やしました。テキストを読み始める前にまずは過去問をみて、大問1 の難易度と傾向を確認することをおすすめします。テキストの勉強方法としては、まずは英文の部分のみを 3日程度で流し読みし、2周目以降は細かい年号や国連の関連機関を正確に覚えるためにノートにまとめながら読み、試験日直前まで何周もしました。テキスト冒頭のスピーチも出題範囲のため一字一句覚えるようにしました。
英作文は国連の活動に関連することを聞かれるため UN news に登録し、メールで届くニュースは毎日隙間時間に読むようにしていました。また youtube で CNN, BBC などを検索し、興味のある分野や問題として問われそうな内容の動画をみました。特に私の場合は興味のある医学関連、女性の地位向上、環境問題に関しては現状、問題点、その問題点に対して世界は何をしているか、日本は何をしているか、それに対しての自分の意見、と 5点をポイントとしてまとめ、軽く文章を作っていました。
最も自分が苦手とする英単語で使用した単語帳は以下の通りです。
(2次試験)
A級では自分の興味のある分野に関して質問され、事前に記入する面接シートに基づいた面接になるとわかっていたため、 1次試験が終わってからは興味のある分野で話したいことをインターネットや新聞記事を使って深く調べました。私はコロナ禍での国連と日本の活躍に興味があったため、3分程度のスピーチ原稿を書いておきました。主に使った資料としては economist, UN news, 普段のテレビやインターネットなどからの情報です。
(最後に)
私は国際医療機関で働くことを将来の選択肢の一つとして考えていたため、以前から国連英検を受験しようと思いました。しかし、英検と違い国連の知識や国際問題、時事問題について知っていることが前提となっているためハードルが高くなかなか準備し始めることができていませんでした。
今思うことは試験の合否以上に、試験に向けて準備した期間で学んだ知識や考え方は今後国際人として必ず役に立つものであり、今後も世界に目を向けるきっかけになったと思います。次は特A級合格に向け勉強を続けていきたいと思います。最後になりますが、試験の運営に携わってくださった方々に心より御礼申し上げます。
保有資格 » 実用英検 1級 留学経験 » なし (家族の駐在のためアメリカに 3年) 職業等 » 頌栄女子学院中学校 3年 |
(はじめに)
この度、国連英検A級に合格できたことを幸いに思っています。これが皆様の参考になると嬉しいです。
(一次試験対策)
参考書:
― 国連英検A級 2020年度 ― 2015年度
まず時間を計って通しました。それから、間違ったところをチェックし、正解するまで解きました。
― わかりやすい国連の活動と世界
過去問を中心に、自分で大事そうなところを図り、覚えました。しかし、全く知らない問題も多々出題されました。これからはもっと幅広く勉強しようと思いました。2018年度くらいまでは繰り返される問題が多かったのですが、最近は違います。
― 国連英検特A級・A級対策(改訂版)
1回通したくらいです。
エッセー:できる限り毎日 UN news をチェックしていたので、そこからピックアップしたものを具体例として書きました。様々なトピックが出題される可能性があるので大変ですが、覚えた知識を広い範囲で使えるよう心掛けました。
(二次試験)
とりあえず質問数が多かったです。私の場合、ある質問に答えても、ほぼ話が深くならず、次のトピックに移りました。世界の時事問題が多かったので、日頃から世界の出来事にアンテナを張っておくと回答しやすいのかなと思いました。
私は実際、わからないトピック(ギリシャのワクチンなど)について何回か質問されましたが、自分の持っている知識で精一杯回答しました。その分、回答の内容があまりなく、スムーズにできなかったので、Structure, vocabulary という項目で点が低くなってしまいました。日頃から英語で自分のアイディアをすらすら言えるように練習するのが一番いいと思います。