試験概要

国連英検とは?

「国連英検」(正式名称:国際連合公用語英語検定試験)は、1981年に始まり、長い歴史を持つ英語検定試験です。試験は年に2回、全国主要都市で実施。 学生から社会人、シニアエイジまでの幅広い方々を対象としており、受験資格は特に無くどなたでも受験出来ます。

試験を主催しているのは公益財団法人日本国際連合協会です。日本国際連合協会は、国連のA級諮問民間団体である「国連協会世界連盟」 (WFUNA)の有力メンバーで、国内外での国連普及活動を積極的に行っています。

国連英検も国連普及活動の一環として実施されており、国連の理念である「国際協力」「国際理解」をコンセプトに「真に役立つグローバル・コミュニケーション能力」の育成を目標としています。

試験出題トピックも国連の活動に沿って、世界平和、地球環境、世界政治、世界経済、人権、食品、医療等の世界情勢・国際時事問題を広く取り扱っているので、今まさに地球上で問われている問題を認識し、自分の考えや解決策を論理的に伝達する表現力が求められます。単なる語学力の判定にとどまらず、総合的な国際コミュニケーションスキルが問われる検定試験です。

国際企業人、国際公務員、外交官など国際常識を備え、自分の意見を持って異文化の中で自在にコミュニケート出来る「グローバルプレイヤー」を目指して国連英検にチャレンジして下さい。

コミュニケーション重視

国連英検はコミュニケーション能力を重視した試験です。B級・C級で出題されるリスニング問題のウエイトは40%と高く、またB級以上は国際時事問題をテーマとした作文問題(ウェイト20%)が設けられています。A級以上は2次試験として面接試験を実施し、ネイティブ試験官と国際時事問題について討論を行います。さらに特A級については、ネイティブ試験官に加え、元外務省大使等 外交実務経験者や国際関係を研究する大学教授が試験官として面接を行いより深い議論が行われます。

作文問題出題例(2015年度第1回試験)

特A級

How can the UN help the world achieve gender equality?

A級

What are the benefits of United Nations’ actions in protecting world wildlife?

B級

In Japan, should more women be in the workforce? Why or why not?

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英語検定資格として

国連英検は資格として多角度にアピールできる英語検定試験です。多くの大学で推薦入試・編入試験の評価資格として認められ、B級以上の合格を単位認定している大学もあります。

  • 特A級は成績優秀者に外務大臣賞が授与される他、合格者には外務省国際機関人事センターが実施している「JPO派遣候補者選考試験」において加点が行われます。
  • この JPO は国際公務員(国連職員・ユネスコ職員等)になる為の登竜門と言えるもので、2年間の海外派遣経験を経て国際公務員試験に挑戦出来る制度です。
  • A級は成績優秀者に国連協会会長賞が授与されます。
  • C級以上の合格者は文部科学省より高等学校卒業程度認定規則において、英語科の資格としてレベル認定されています。
  • 国際協力機構(JICA)ではC級以上の合格者を派遣職種により語学力の評価基準として採用されています。
  • 警視庁では、警察官採用試験(第1次試験)に、「資格経歴等の評定」を導入していますが、国連英検C級以上の合格者については第1次試験の成績の一部として評価しております。

グローバルプレイヤーを目指す多彩な方々が受験しています。

合格体験記

各回の上位級合格者の皆様から合格体験記を寄稿頂いています。

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受験級レベル

ビジネスのキャリアアップや留学、グローバルに活躍する方から、学生をはじめミドル&シニアの方まで目的に合ったレベルを選択できます

C級

高校修了程度の文法・文型に基づく英語の理解力が要求されます。高校卒業程度認定試験(旧大検)において、文部科学省はC級以上を英語資格として認定しています。

旅先やフランクな食事の場で会話を楽しんだり、簡単な電話の取り次ぎの出来るコミュニケーションレベルです。

出題形式

試験時間: 100分/満点: 100点
リスニング: 40問/リーディング: 60問
作文: 無/面接: 無

B級

英字新聞や雑誌の比較的やさしい記事、日常生活で遭遇する場面を扱った会話文、読みやすい随筆や短編小説などが理解できる読解力が要求されます。

インターネットや雑誌の情報を活用できたり、電話の応対が大きな支障なくでき、日常生活で自由に意志を伝えられるコミュニケーションレベルです。

出題形式

試験時間: 120分/満点: 100点
リスニング: 40問/リーディング: 40問
作文: 配点20点/面接: 無

A級

英字新聞等の記事、小説や劇の一場面などを短時間に理解する、あるテーマについて論理的にまとまった内容を英文で表現する、外国人と日常の身近な出来事、時事問題などに関して討論する能力が求められます。

出題形式

試験時間: 120分/満点: 100点
リスニング: 無/リーディング: 80問
作文: 配点20点/面接: 10分間
※ 面接は1次試験合格後の2次試験

特A級

英語力はもちろんですが国際的に通用する知識・情報なども要求される点に特徴があります。文化、経済等、多くの分野の問題を自由に討論する能力が要求されます。

出題形式

試験時間: 120分/満点: 100点
リスニング: 無/リーディング: 80問
作文: 配点20点/面接: 15分間
※ 面接は1次試験合格後の2次試験

A級以上では、国際会議等で意思を自由に伝えることができる、グローバルな話題に対応でき、通訳なしで英語の契約交渉ができるコミュニケーションレベルを目標としています。

各級合格者 他英検資格

試験 特A級 A級 B級 C級
TOEIC
スコア平均
967.78 918.74 752.55 561.19
実用英検
1級保有
91.1% 55.6% 3.8% 0.3%
実用英検
準1級保有
8.1% 31.0% 27.8% 3.3%
実用英検
2級保有
0.8% 8.7% 56.6% 35.6%
実用英検
準2級保有
- 2.0% 6.7% 48.0%
実用英検
3級保有
- 2.8% 4.6% 11.6%
実用英検
4級保有
- - 0.6% 0.8%
実用英検
5級保有
- - - 0.4%
  • ※ 2008年度~2010年度第1回試験までの統計
  • ※マークシート裏面のアンケートの集計による
  • ※実用英検の保有率は実用英検を保有していると回答があった数を分母とした各級の内訳です。

成績優秀者の表彰

国連英検では、特A級の成績優秀者に外務大臣賞、A級の成績優秀者に日本国際連合協会会長賞を授与しています。

過去の授賞式の様子(2009年 国連協会 つどいの夕べにて)

高須幸雄国連大使より外務大臣賞を授与

千玄室国連協会会長より国連協会会長賞を授与

国連協会会長より受験者の皆様へ

私は日本国際連合協会の使命として、民間レベルから国連活動に関する世界的課題を国民の皆さんへ正しく周知し、全国的規模で「国際協力」「国際理解」を分かりやすく示すとともに、各国の国際連合協会との交流を通じて日本のあるべき姿勢を明確に世界へアピールしていきたいと思います。私はかつて粗暴な戦争を経験しており、少しでも戦争や紛争を阻止したい気持ちを持っています。「平和」の言葉は使いやすいのですが、現状ではなかなか世界平和の道は遠い状況と言わざるをえません。どうすれば本当に平和が達成されるのか、一向に見えてこないのです。

いま、私たち日本人は豊かになりそれだけで満足し、小さな器に入りすぎてしまっています。国連は6カ国語の公用語でコミュニケーションをとっていますが、なかでも「英語」を身につけて海外の人々と対話することが大切です。それが国際社会で日本が取り残されないためのポイントではないでしょうか。私は、真の国際化を進めるための多くのお手伝いをしたいと思っています。

国連の民間窓口 日本国際連合協会

公益財団法人日本国際連合協会<国連協会>は、民間の立場から国民の間に国連に対する理解と協力を増進し、世界の平和と人類の福祉向上に寄与することを目的として設立されました。全国に支部組織があり、国連のA級諮問民間団体である「国連協会世界連盟」(WFUNA)の有力メンバーとして、国内的・国際的に積極的に国連普及活動を展開しています。

国連協会が恒常的に行っている事業には、国連デー、人権デー、世界保健デーなどに関連した記念行事の実施、国連知識普及のための後援会、セミナーの開催、出版活動、中学生作文、高校生の主張などの各種コンテストの実施、国際会議の開催や参加などがあります。

国連英検統括監修官より受験者の皆様へ

国連英検では最近のコミュニケーション能力理論の研究成果を踏まえ、コミュニケーション能力の基盤をなす力を下の級で測定し、上の級ではそれらの基盤的な力の測定に加え、語用論的な力とメタ認知方略に関する力も測定しています。

特にA級および特A級では、良識ある国際人として持つべき国際常識や国際適応能力についてもテストされます。国連英検を受験され「真の国際人」となるための第一歩を踏み出されますことを願っております。

  • [服部孝彦氏プロフィール]
  • 日米両国で初等・中等・高等教育を受ける。米国ケンタッキー州立ムレー大学(MSU)大学院客員教授等を経て現職。元NHK英語教育番組講師。文部科学省のWWL等、日本のグローバル化のためのプロジェクトの中心メンバー。主な著書に文部科学省検定中学および高校英語教科書他、著書196冊。日米間を頻繁に往復しながら、米国の大学での講義・講演等も精力的にこなす。 » 日本言語文化学会 » 日本総合文化研究会