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保有資格» 実用英検 1級 留学経験» なし 職業等 » 浅野高校 2年 |
この度は、国連英検特A級に合格することができたこと、大変光栄に思います。私は海外生活や留学の経験はなく、普通の日本語の環境で育ってきました。そんな私でもこの最難関の試験に合格することができました。自分が試験に向け取り組んできた対策をお伝えすることで、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
【受験のきっかけ】
中学1年生の冬、私は小学生の頃から目標にしてきた英検一級に合格しました。それまでは英検一級取得を目指して学習を進めていたため、達成の喜びとともに目標を失ったような寂しさを覚えました。そして「一級以上の何か」に挑戦したいと思うようになり、国連英検特A級を志しました。初めて挑戦したのは中学3年生の時でしたが、その難易度の高さに打ちのめされたことを今でも鮮明に覚えています。この悔しさがあったからこそ、その後も頑張れたのだと思います。
【一次試験対策】
特に苦労した次の3点についてお話しします。
① 国連に関する知識
『新わかりやすい国連の活動と世界』を繰り返し精読し、国連に関する理解を深めました。読むだけでは記憶に定着しにくいと考え、自分なりに要点を整理して Google ドキュメントにまとめ直すことで、知識の定着を図りました。特に国連機関に関する情報は混乱しやすいため、発足の背景や目的、活動方法などを明確に整理しました。国連に関する細かな知識を問われるのは大問1だけですが、この部分は勉強量に比例して得点が伸びやすい分野であり、確実に得点源にできると思います。また、ライティングや二次試験でも国連知識が求められる場合があるため、軽視せずに取り組むことをおすすめします。
② 語彙
過去数年分の過去問演習を通じて、分からなかった単語を徹底的に復習しました。さらに、『英検1級 でる順パス単』を再確認し、基礎的な語彙が抜けていないかチェックしました。Youtube動画も教材として積極的に活用し、特に「国連英検特A級に出題されそうな単語500語」や「過去問に出題された単語1400語」を単語帳形式で紹介する動画が非常に役立ちました。これらを参考に、自分で単語帳を作成し、繰り返し学習したことが効果的だったと感じています。具体的には、Google スプレッドシートに単語とその日本語訳・英語訳、さらに用例をまとめて印刷し、緑の蛍光ペンで単語を塗り、赤い下敷きで隠すことで単語帳感覚で学習しました。単語帳を作る過程も勉強になるので、かなりおすすめです。
③ 英作文
過去に出題されたトピックに対して自分の解答を作り、それらを学校の英語の先生に見せて添削していただきました。この過程で、自分の文法ミスや頻繁に使ってしまう単語の癖を把握することができたと思います。また、国連英検特A級の過去問集に掲載されている模範解答は、深い国連知識が多く使われており、自分が本番で同じように書けるとは思えなかったため、あまり参考にはしませんでした。しかし、ライティングでは知識も評価対象であることは分かっていたので、どの話題にも応用できるような国連に関する汎用的な説明を組み込むようにしました。また、直近のニュースで得た国連に関する知識を積極的に盛り込むよう心がけました。その結果、15/20 点を取得し、何とかギリギリ及第点を超えることができました。
【二次試験対策】
普段から学校の部活動で英語ディベートや模擬国連の活動を通じて英語で討論を行っていたことが、間接的に二次試験対策に繋がったと感じています。以下に具体的な対策内容をまとめます。
まず、Economist Espresso というニュースアプリを習慣的に読むよう心がけました。このアプリは、世界の重要なニュースをその日の始まりに簡潔にまとめてくれるもので、16歳以上の学生には無料で提供されています。学生の方には特におすすめです。また、UN News を頻繁に活用しました。このサイトでは、国連に関連するニュースやイベント、国際社会での動きに関する情報を網羅的に提供しています。国連の活動についての理解を深めるためには最適なリソースでした。他にはトピックスによって時々 BBC や The New York Times なども読んでいました。
また、二次試験前には、当時話題となっていたニュースの中から試験で聞かれそうなトピックをリストアップしました。それぞれについて理解が不足している部分があれば、関連する情報を徹底的に調べました。特に、国連に関する知識量が少ないことを自覚していたため、各ニュースが国連とどのように関わりを持つのかを重点的に確認し、自分の意見を言えるように練習を行いました。その結果、一発合格することができました。当日はベストパフォーマンスを発揮できたと思いましたが、結果は 8/10 点で、ヒヤッとしました。スピーキングが得意な方も油断せず、万全の準備をすることをお勧めします。
【終わりに】
今回の学習を通じて、英語力の向上にとどまらず、国際情勢への関心を深めることができました。その背景をより深く理解することで、日々のニュースを一層楽しめるようになったと感じています。将来は国際舞台で活躍し、世界が直面する課題の解決に貢献できるよう、自分自身をさらに高めていきたいです。そのためにも、今回の学びを基盤にして、知識と経験を積み重ねていくつもりです。
最後に、英作文を添削してくださった先生方、質問に親身に答えてくれた同級生、そして学習を支えてくれた家族に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
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保有資格» 実用英検 1級 TOEIC スコア 980点 国連英検 A級 留学経験» フィリピン(1か月 /大学3年次),アメリカ合衆国(6か月/2023~2024年) 職業等 » 官公庁 |
この度、国内最難関の試験と名高い国連英検特A級に合格することが出来、大変嬉しく思います。私の努力をサポートしてくれた妻、家族、同僚、そしてこれまで受験体験記を投稿して頂いた先輩方に感謝を申し上げます。国連英検特A級を目指す皆様の少しでもお役に立てるよう私の経験を共有します。
1次試験について
【対策】
まず ①語彙力ですが、4年前に英検1級を合格した際に「英検1級 でる順パス単 」(旺文社)を一通り学習し、実用英検1級レベルの語彙にはある程度自信がありました。しかしながら2年前に初めて A級を受けた際、1次試験で落ちてしまったので、A級でもさらなる語彙力強化が必要と痛感し、再度 1級パス単を通した学習に加え、「究極の英単語 SVL Vol.4 超上級の3000語」(アルク出版)を一通り覚えました。また、スキマ時間で英文記事(UN news / Guardian)を多読し、知らない単語が出てきたら必ず意味を調べるようにしました。これらの学習により、英検1級を上回る単語力が得られ、特A級にも対応できるようになったと思います。しかしながら、今回の試験でも多くの初見単語があり、まだまだ先は長いと考えています。
次に ②読解力について。基本的に、読解力=文法知識×語彙力と考えています。語彙力は上記の方法で向上させつつ、文法知識に関しては英文の多読をする中で、意味が分からない英文があれば文構造を分解してみるなど、分からない知識を埋め合わせる方針で進めました。数年前に「頻出英文法・語法問題1000」(桐原書店)を一通り学習したことがあり、これが現在の文法知識の基盤になったと思います。また、読解に関しては慣れも必要なので、上述の通り多読しました。
次に ③国連知識については、(1)大問1 対策 (1)筆記試験対策という 2つの軸から考えました。大問1対策には、公式テキストを熟読するに尽きます。時間をかけてインプットを行いつつ、過去問でアウトプットを行い、記憶に定着させました。特に国連の関係機関の設立年、本拠地、国連機関の幹部となった日本人名はよく出るので完全に丸暗記しました。暗記カードを作れるアプリも活用しました。過去問で出た箇所はマーカーで塗り潰し、必ず覚えるようにしました。本番では 7点取ることが出来、健闘したと思います。次に(2)筆記試験対策用の知識について、国際社会が抱える様々な問題に対して 5W1H を軸に暗記しました。例えば途上国の教育問題であれば、【どこの国で】【どんな問題が】【だれに】【どの位】影響を及ぼしているか知り、それに対して国連(【どの機関】)が【何を】(国際会議の開催、基金の設立、情報収集・分析・拡散等)しているかを押えました。一昨年から A級を受験していたので、知識を積み上げることが出来ました。主に UN news が情報収集に役立ちました。
④ライティング対策では、Hello talk というアプリを使って英文を投稿しました。ネイティブスピーカーが無料で添削をしてくれるため、重宝しました。また、実試験では鉛筆で書くため、ノートに論文を書く練習も行いました。英語話者の妻に依頼し、添削をしてもらいました。トピックは、「controversial topics」などで google 検索すると沢山出てくるのでそれらを使いました。しかしながら実際の試験では、 ”How are UN plans for global finance reform intended to advance SDGs?” というトピックで、全く準備していない分野であり、試験中途方に暮れました。何とか、公式テキストで覚えていた World Bank Group に関する知識と結び付けて書きましたが、トピックの本旨である reform に触れられておらず相当低い点を覚悟していました。しかし案外 16点という評価を得られ、国連機関の丸暗記はライティングパートでも大いに役立つと感じました。
⑤特A級の公式過去問題集を 3冊分購入し、合計過去13回分を直前2週間毎日行いました。英文を読むにもスタミナが必要なので、本番で 2時間集中力を維持するためにも自分には必要な訓練でした。また、自分の得点と過去の合格点を見るとおおよそ 1/2 の確率で合格点を超えるだろうと予測出来たので、今回も 1次合格率は 50%程度だろうと、ある意味で腹を括ることが出来ました。
自己採点では、大問1~7 で 56点でした。一昨年も同じ点数で不合格であり、論文に全く手応えが無かったので不合格だと覚悟していましたが、上述の通りライティングで 16点を取れたため、何とか合格点である 72点に滑り込むことが出来ました。
2次試験について
【対策】
前述の通り、1次試験受験後に 1次通過の自信がなく 2次対策にあまり身が入らなかった為、本格的に準備を開始出来たのは、1次合格を速報で確認した 3週間前からになってしまいました。前回受けた A級では、総合評価 7点で合格を頂きましたが、特A級の合格点である 8点を獲得するにはさらなる能力向上が必要でした。評価項目の中で 1番点を取りやすいのは knowledge だと考え(英語技能は一朝一夕には伸びない為)、2次対策の方針としては、知識の大幅強化を狙いつつ、副次的に英語技能を上げる事に決めました。具体的には、下記のような学習法で対策に取り組みました。
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1 知識で高得点を狙うにはまずはインプットが必要です。1次試験から継続してニュースを読んだり、chat GPTに”Tell me about the activity of the UNESCO”などと指令し、知識を得ていきました。また、ウェブサイトの UN news に加え、podcastのUN news today と UN interviews は国連の情報を得るのに非常に活用できました。
3 インプットした情報をアウトプット出来なければならない為、その場所としてオンライン英会話を活用しました。3週間前からは 1日30分、1週間前からは 1日1時間~2時間程チューターと模擬面接を行いました。
○ その他にやったこと、意識したこと
・ 早い段階でインタビューシートの内容を決めておき、想定問答集も作成しました。私は A級の受験経験があったので、基本的には A級の時と同じ内容で作成しました。また、最新のニュースで質問されそうなトピックについても考えを事前に整理しておきました。私の場合は、日本被団協のノーベル平和賞受賞と韓国大統領の戒厳令発令についてはある程度意見を述べられるように準備していきました。日本被団協については、やはり質問されたので準備をした甲斐がありました。
・ 対策を進める中で各種問題に対し「当事者意識」を持つということを意識しました。例えば、日本にいると発展途上国の問題は中々現実味が持てず、自分事として捉えることが難しいです。そこで YouTube等でドキュメンタリーを視聴し、実際に人々の苦境を知ることで問題に現実感が湧き、自分も彼らのために何か行動を起こしたいという当事者意識が芽生えます。そうすることで問題を主体的に捉えることができ、知識の記憶が容易になる事に加え、面接でもそうした意識から来る情熱は面接官にも伝わり、スピーキング力にも繋がったと考えます。
【本番】
面接では、下記の質問がありました。
【所見】
最初はインタビューシートに沿った内容で質問が始まりましたが、徐々に記入していない内容に変遷していったので、多様なトピックを話すことになりました。その中で事前知識が無く考えたことの無い質問もありました(先進国の教育政策や日本のエネルギー政策等)。A級と違い、特A級ではこの状況が必ず発生すると思いますので、日頃から様々なトピックについて情報収集と意見を持つことが重要だと思います。また、SDGs の質問等、こちらの知識を問う質問もありました。少なくともアンケートに記入する内容について関連する SDGs、関連機関、その活動内容、効果、被支援国・地域、日本政府の協力内容等を綿密に調べておくと良いと思います。私は、核開発の質問では TPNW と NPT に言及したり、ブルーラインの質問の際に安保理決議1701号について述べたりと、調べていた内容を入れて回答しました。この際、面接官の方もメモを取っていた様子だったので知識面でアピールできたと思います。結果として knowledge の評価は 9 でした。
おわりに
この合格に満足せず、今後も受験を通して国際関係及び国連の知識の習得とさらなる英語技能の向上に努めたいと思います。最後に、私の拙い文章を読んで頂き、有難うございました。この体験記が少しでも皆様のお役に立つことを願うと共に、皆様の成功を祈ります。
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保有資格 » 実用英検 1級 留学経験 » なし 職業等 » 会社員 |
この度、国連英検特A級という国内最難関の英語資格試験に合格することができました。
海外経験のない私がどうやってこの難関試験を突破したのかを共有することで、今後同じような境遇で特A級の取得を目指される方のお役に立てればと思います。
【1次試験】
使用教材:究極の英単語プレミアムvol1,2
TOEFLテスト上級英単語2500
GRE Vocabulary Flashcard
1100 Words You Need to Know
Foreign Affairs
The Economist
1次試験の最大の壁は語彙習得だと思います。英検1級レベルの単語を能動語彙に、更に上級レベルの単語を受動語彙にしなければなりません。この地道な作業ができるかできないかで合否が別れると思います。私の場合、単語帳を制覇すると同時に Foreign Affairs や The Economist を読み、何度も難単語に出会うことで語彙力が着きました。また英英辞書を活用し、表面的な日本語訳ではなくその単語のコアの意味を覚えるよう心掛け、難問ばかりの語彙問題に対応できるようにしました。
長文読解は Foreign Affairs 、The Economist などをきちんと理解して大量に読むことが大事だと思います。難しい単語ばかりだとついつい調べて満足し終わりがちですが、理解することにより注力し、その内容を要約し短いエッセイを書いたり話すようにしました。そのおかげか半年で大問2 の正答率が 4割から 8~10割まで上がりました。
文法及び英作文に関しては特別に対策しませんでした。難易度の高い英文を読み、ニュースを聞き、時事問題について話す練習をすることで自然に身に着くと思います(現在は文法を極めるためロイヤル英文法を熟読中です)。
【2次試験】
使用教材:UN News
BBC World Service
NHK World-Japan (Global Agenda, Deeper Look)
2次試験対策は“コミュニケーションを取る”ことに重きを置くべきだと思います。英検1級のようにスピーチを披露するのではなく、面接官と国際情勢について対話をしなければなりません。暗記した高尚な文をスピーカーのように口から出すのではなく、その場で自分が考えたことや思いを上級レベルの語彙を用いて論理的に言えるようにならなければなりません。
以下、国連英検のホームページより引用。
“A級以上では、国際会議等で意思を自由に伝えることができる、グローバルな話題に対応でき、通訳なしで英語の契約交渉ができるコミュニケーションレベルを目標としています。”
私は上述の内容を意識し、あらゆるトピックに対し自分の考えが言えるようになるまで何度も何度も練習をしました。
下記が実際に試験で問われた内容です。
【最後に】
7年前に仕事上英語力が必要となり独学で英語学習を始め、それから一日たりとも休まず勉強を続けてきました。その努力が遂に実を結び念願の国連英検特A級を獲得しました。
国連協会の求める “異文化の中で自在にコミュニケート出来るグローバルプレイヤー” になれる様、今後も努力を惜しまず突き進みたいと思います。
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保有資格» 実用英検 1級 TOEIC スコア 990点 IELTS Academic スコア 7.5点 中検 準1級 HSK六級 248点 HSK口語 高級 日商簿記 2級 ビジネス会計 2級 ビジネス法務エキスパート
留学経験» 無し(滞在:中国広東省 20年 香港(英国) 2年 中国香港 7年 フィリピン 2年) 職業等 » 会社員 Business Intelligence Manager |
この度は特A級および A級に合格することができ、非常にうれしく思います。今までの経緯を振り返ってまとめてみました。合格を目指す方々の一助となれば幸いです。
【チャレンジ史】
人生最初の挑戦は 32年前、B級不合格でした。再挑戦を考えたのは 10年ほど前のことでした。8年前に特A級とA級を 2度併願受験した後また遠ざかっていましたが、2024年度内の 2度目の挑戦でついに合格できました。A級は 8年前も 1次には合格していたのですが、帰国の負担のため 2次は受験せず、特A級 1次合格まで待ち続けていました。
【きっかけ】
中国在住という環境と国連英検との結びつきは不思議に感じられるかもしれませんが、これは中国内地での情報に制約を感じていること、また目に若干の後遺症があるため負担を避けていること、という 2つの逆境に起因しています。主な情報源として耳から入る英語ニュースを利用し始め、時間が経つにつれて時事問題への興味が高まり、再度挑戦してみようと 10年前に思ったわけです。
【使用教材、リソース】
個別記載はしませんが、必要に応じて AI音声やパソコン拡大表示にも頼りました。
【1次試験】
<大問1:第1問~第10問>
対策はテキストをしっかり学習することに尽きます。今回第6問の 1972~1981 の事務総長については、歴代事務総長の写真の位置を思い出し、在任期間をさかのぼって答えにたどり着きました。
<大問2:第11問~第20問>
最初に第17問(この文はパッセージのどこに入るか?)を読めば、文章を読むうちに正解の箇所がわかります。また、段落ごとに該当設問に進むと、忘れないうちに解答できます。第20問(区分け)は捨てるつもりでしたが、新しいモノが出てきたところを区切りとしたら受験人生初めて正解しました。それが設問の意図であり、勝手に「強い論文にするにはどこで分けるべきか」などと考えてはいけなかったのです。
<大問3:第21問~第30問>
文法・表現対策は、ニュースを見聞きしたら、戻ってでも文法構造を理解することが唯一の方法だと思います。なお過去問学習中は、間違いを含む問題文を頭に残さないよう、見すぎない方が良いでしょう。
<大問4:第31問~第40問>
動詞の変化を突き止めるためには、問題個所を含む文を読むだけで十分です。本番では全文を読む時間は無いし、省エネ解答も実力の一つです。
<大問5:第41問~第50問>
同義語は本文を読まなくてもわかる場合もありますが、ギャンブルです。やむを得ない場合を除き、語彙力で勝負したいものです。(という自分は今回 5点でした。)
<大問6:第51問~第60問>
大問3 も同様ですが、検索すると過去のニュース記事にヒットします。同じ内容ならば別のニュース源でも類似表現が使われるため、実際にどこかで見聞きした 10問と言えます。
<大問7 および 8:第61問~第70問、および第71問~第80問>
語彙力と読解力が試されます。解くための近道は無いと思います。
<エッセイ>
試験開始と同時に問題を読んでおくと、思いつくたびにメモを取ることができます。
今回は「国連グローバル金融改革計画は、SDGs をどのように推進することを目的としているか?」でした。メモに基づき最後の 30分で組み立てましたが、少し脱線して「改革による経済発展」を論じてしまいました。設問が問う SDGs が漏れていると気付いたときは、残り時間があと数分しかありませんでした。そこで「経済発展あっての SDGs である。それができる唯一の機関は国連である」とまとめました。結果は 18点で、高得点に驚きました。
勝利の方程式は、ポイント=(テキストの知識+時事の把握+設問理解)×発想、でした。
【2次試験】
<大失敗の 2024年度第1回 2次>
まず、Interview Sheet に基づく事前準備が不十分でした。次に、「興味のある国連の機関は?」という質問に対して苦し紛れに安全保障理事会と答えてしまったのも間違いでした。そして、「イスラエルに関して最近非常に重要な決議が採択されたが、何か?」との質問に答えられず早々に追い詰められ、大失敗に終わりました。特A級、A級ともに 5点不合格でした。
<再挑戦の 2024年度第2回 2次>
1次試験は再度合格し、2回目の 2次試験に臨みました。話題をまとめると次の通りです。
広い範囲から次々に質問が向かってきました。自分も次々に引き出しを開け、素早くロジックを構成して主張しました。返答にもう少し国連機関の作用を盛り込む余地があったとは思います。結果はギリギリの 8点でした。私の主張内容は書く必要は無いと思いますが、それは、各人の自由な意見それ自体がその人にとっての模範解答だと思うからです。
【最後に】
先輩方の体験記によると、多くの方が過去のニュースをまとめられていましたが、私は自分の感性に頼っていました。面接待合室では想定問答など行わず、頭が疲れないように窓の外を眺めていました。自分のアプローチの良し悪しはわかりません。知識を積み重ねれば質問への耐性が強くなり、感性を基軸とすればロジック構築力が向上すると思います。
合格には時間と労力を必要とするため、不合格ならまた受験するだけだと考えて精神的負担を減らすのもいいかと思います。合格後はこれをバネに、継続して学んでいきたいものです。
今回の合格に際し、関係の皆様に深く感謝申し上げます。お読みいただき、誠にありがとうございました。ご参考になれば幸いです。
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保有資格» 実用英検 1級 留学経験» なし 職業等 » 渋谷教育学園幕張高等学校 1年 |
この度は念願の国連英検特A級に無事合格することができ、合格体験記寄稿の機会をいただけたことを光栄に思っています。合格するまでの学習方法や感じたことを皆さんと共有できればと思います。これから特A級に挑戦する方々に少しでも参考になれれば幸いです。
【一次試験】
筆記の一次試験の対策として、以下の教材を使用しました。
『新わかりやすい国連の活動と世界』は国連英検対策の基盤なのでしっかり押さえるよう心がけました。僕の場合は複数回読み、重要な箇所は何度もノートを取りました。
『英英英単語 超上級編』を、語彙力が問われる後半の大問(5 から 8)の対策に使いました。この本で対策することで点数が大幅に伸びたので、おすすめします。
対策の仕上げとして過去問題集 8年分を数回解きました。時間配分のシミュレーションができ、出題の傾向がよく分かるようになりました。
【二次試験】
二次試験の面接では面接シートに記入した内容についての質問や、難民問題・核問題・戦争などの世界情勢についての質問が出されます。その対策として、朝食の間、通学の間などの隙間時間を利用し、CNN、BBC、UN News、ABC News Podcast “Start Here”などから世界情勢についての知識を深めました。また、趣味や専攻に関連する国連組織や分析データを本番直前まで調べたりメモを取ったりしました。
面接当日は以下のことを心がけました。
〈面接シートに基づいた話題〉
最初に面接シートの「職業・専攻・趣味」の欄に記入した内容を中心に質問されます。それらを国連に結び付けて、しっかり伝えられるかがポイントだと思います。また、詳細なことを長く話すと本題から外れてしまいがちなので、気をつけながら話すようにしました。
〈世界情勢の話題〉
世界情勢についての質問では、できるだけニュースや記事で読んだ最近の出来事を回答に含めるように心がけました。(例えば「核兵器と日本の立場」という話題で日本被団協がノーベル平和賞を受賞したことについて話しました)
全体的に、ただ質問されたことに答えるだけではなく、それをもとに自分の考えやそのトピックについての知識を話すことが大切だと思います。
【終わりに】
国連英検を受験することで多くのことを学び、自分の英語力にもっと自信がつきました。勉強がしんどいと感じる時もあり、諦めたい時もありましたが、最後まで応援してくれた両親に感謝しています。
最後まで僕の合格体験記をお読みいただき、どうもありがとうございました。
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保有資格 » 実用英検 1級
留学経験 » なし 職業等 » 学生 |
この度は、国連英検特A級に合格でき、大変嬉しく思います。私はこの試験を通じて、英語力の向上だけではなく、国際情勢の理解を深めることができたと感じています。この体験記が少しでも今後国連英検特A級を受験する方々の参考になれば幸いです。
[1次試験]
1次試験では、時間配分を特に重視しました。試験時間が限られている中で、事前にどの問題にどのくらいの時間をかけるか計画しておくことが重要です。
例えば、大問2(読解問題)は非常に文章が長く、難しい表現を含むことが多いと過去問から分析していました。そのため、このセクションには他の問題の 3倍ほどの時間を費やすことを事前に決め、実際の試験でもその計画を忠実に守りました。また、比較的短い時間で解ける大問1(国連知識)や大問4(文法問題)は最初に解いて確実に得点を確保し、最後に時間がかかる問題に集中する戦略を採用しました。
[2次試験]
2次試験では、国内外の国際情勢について問われるため、日々新聞を読むことが最も有効な対策方法だと思います。その上で、私が2次試験で特に意識していたのは、「日本の立場」を考えることです。
例えば、「ある課題に対して日本はどのようなことができるか?」と問われた際には、日本の強みや役割を具体的に挙げ、自分の意見を論理的に述べるよう心がけました。このように、自分の答えに一貫性を持たせることで、より説得力のある印象を与えることができると思います。
幅広い国際的な知識が要求される国連英検は、私にとって非常に刺激的なものであり、勉強になりました。この機会をいただけたことに心から感謝しています。
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保有資格» 実用英検 1級 TOEIC スコア 950点 職業等 » 開発コンサルタント, 関西学院大学, 株式会社トラスパイア |
私が国連英検に興味を持ったのが、40歳代でした。国連英検の特A級が現在の英語検定では最高レベルであるとの記載があり、挑戦してみようと思い 6回受けたのですが、全て 1次試験で不合格でした。その後、あきらめていたのですが、2020年からまた、もう一度やってみようと思い、勉強を開始し、毎回受検したのですが、やはり 1次試験では点数が 60点台で不合格が続き、2024年第1回目でやっと合格しましたが、2次試験は海外出張の為、2024年の第2回目での 2次試験となりました。という事で、合計 12回受検しました。
2次試験の面接シートに今までの海外での仕事の概略を記載しました。私がかつて、日本政府の ODA案件でパレスチナ西岸地区での滞在経験があることを記載しました。特に、現在も続いているガザ問題に関する質問が来るかも知れないと期待したのですが、それが的中しました。イスラエルとパレスチナの関係についてどう思うか?の質問が来たときは内心しめしめと思いました。とはいうものの、面接後は合格の自信はなく、また、挑戦しようと思っていた矢先の合格通知でした。
Pronunciation, Fluency, Structure の評価がいずれも 7点ですので、まだまだカイゼンすべき余地があります。話す面では杉田敏先生の現代ビジネス英語と CNN English Express で勉強しています。現代ビジネス英語は内容がとても参考になります。CNN の方は Native の speaking が早いので、その速さになれる練習です。
私が出張する国の若者は英語を学ぶ方が増えており、中には私より上手に会話する方がいます。
私も何とか負けないように今後も勉強を継続していこうと思っています。
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保有資格» BA(1978)、MA1(1981)、MA2(1986)、PhD(2019)、実用英検 1級(1998)(優秀賞)、国連英検 特A級(2023) 留学経験» 海外生活(1974-2024) 職業等 » 元国連職員、元大学教員 |
元国連職員が特A級を再度受験すると
私はオランダから 2往復して 2023年度第2回国連英語検定の特A級を受験した。その時の合格体験記(“元国連職員が国連英検特A級を受験すると”)は事務局ホームページに掲載された。そして昨年(2024年)の 6月に日本での生活を始めて、一年ぶりに同年度の第2回検定特A級に再挑戦し、合格体験記を再び書いている。今回の受験では、しっかり準備して、前回よりも良い成績で合格しようと自分を鼓舞していた。「疲れる長旅」が省けるだけでも体力的に助かる。前回の合格体験記は“ドタバタ受験”という副題を付けた苦労話だったが、今回も違った意味でドタバタがあった。
国連英語検定特A級には高級な単語や専門用語もたくさん現れるので、基本的に豊富な語彙力が必要となる。前回の受験前、語彙力強化の一環として『ウィズダム英和辞典』(収録語 75,000)を 2度通読した。具体的には、 2022年と 2023年に数か月かけて一度づつ読み通した。今回は語彙力再点検のために、旺文社出版の『ハンディー英和辞典』(収録語 35,000)に目を通し、例外はあるが収録語は概ね理解できると自覚した。しかしこの小辞書に記載されていない時事問題関連の英単語は、日々メディアを通して理解する必要があった。
特A級 の 1次試験(筆記試験)の出題形態はパターン化がされている。国連関連の 大問1(10問)は指定教本の記述された大切な史実をどれだけ記憶に詰め込んだかが問われるものだが、この試験以外では役に立たない、そして試験が終われば忘れ去られるようなもの、本来の教養とか知性とはあまり関係のないようなものが多い。長文読解問題(大問2,5,7,8)(10問 x 4)で採用される文書は、区分すれば概ね国際的な時事問題と生活サイエンスに関連するものである。前者では安全保障、開発、人権、軍縮、移民など、後者では AI、エネルギー、環境、公共衛生、医学、生物学などの分野からの出題が多い。英文法や語法の問題(大問3,4,6)(10問 x 3)は、英文に接する生活をしていれば、全般的にそれほど難しくないと思われる。そして、配点が全体の 20%の英作文問題(大問9)には国連関連の知識が大切であるが、それよりも重要なのは時間管理である。特に知識がある課題についてのエッセーを書く場合は、自説を述べるのに夢中となり、それ以外の問題に時間的しわ寄せが生じないように留意しなくてはならない。
長文読解に関しては、過去問を数多く解けば、出題傾向の高い分野の関連知識が確実に増える。脳科学の観点からも、テスト形式で試験の臨場感をもって勉強すると対象となる課題が記憶されやすくなるという。古書マーケットで過去問題集を探すとなんと 20年以上遡ってそれらを手に入れることができた。繰り返しになるが、特A級の文書は学究的もしくは技術的で理屈っぽいものが多く文芸的なものは皆無に近い。もっとも、この傾向は、社会科学の分野に身を置く自分には歓迎するところではあった。
試験勉強は順風満帆の滑り出しだった。しかしながら直近数か月の受験勉強中に、この過去問を集中学習するというパターンから私を離脱させる事故に遭遇する。そのため私の試験勉強は突然迷走することになり、その結果、合格はしたものの正直なところ、失敗談ともいえるような経験をすることになる。それは以下のとおりである。
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事故は 20年以上前の 2001年度第2回特A級の大門5 の文章(約 1300語)によって引き起こされた。この文章の内容は雨が降る春の朝、ニューヨークのダイナーで 30年ぶりに偶然出会った昔の恋人同士の話だった。これが国連英検特A級に適切かどうかはさておき、内容を少し肉付けして要約すると…
Hirsch (ハーシュ) が一人で先に入っており朝食を終えた後で、後に入ってきた Helen (ヘレン)に気付き声をかけて、ボックス席で会話を始める。二人は、一昔前ヘレンの父親の反対で一緒になれなかった経緯があった。その後ハーシュは、兵役で日本(横須賀)に駐留し、そのときにヘレンがほかの男性と結婚したことを人づてに聞き辛い思いをする。そして退役しニューヨークに戻り、ヘレンへの未練を引きずるものの、やがて彼も結婚して子供もできる。ハーシュは服装会社を起業して成功するが、離婚争議で財産の多くを手放す。ヘレンは結婚後専業主婦になり子育てに専念するが、子供たちが自立し、そして夫とも死別すると再び仕事(マンハッタンのオフィス)を始める。
長くものない会話のあと、ヘレンは仕事に向かうためにダイナーの玄関ドアーに向うが、ハーシュも彼女に続く。まさにへレンが雨の中に走りだそうとした時、ハーシュは彼女の腕を取って、「今夜夕食を一緒にしないか」と誘う。彼女は「Yes」と返答する。さらに、「明日の夜はショーを見に行こう」というと、”Yes, Yes”と微笑む答えがかえってきた。
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いきなりだったが私は、出典元がわからないこの斬新で余韻を残す人間味のある文体(英文)に魅せられてしまい、それを書いた作家が誰なのか気になり始めた。そして最終的にそれが Pete Hamill(ピート・ハミル)であることを突き止めた。[1] そして使われたストーリーが 1980年に発行された彼のベストセラー短編コラム集 Invisible City:New York Sketchbook の1編だということも知る。古書マーケットで原書を手に入れ一気に読んでしまった。
ピート・ハミルはベトナム反戦運動が盛んだった 1960年代にいち早く反戦を訴え、1970年代以降アメリカのニュージャーナリズムの旗手として活躍した。昨年迷走する米国大統領選挙のメディアの報道や、混乱を極める多国間外交に関する動画や文書に疲れを感じる中、私にとって昔の彼の文章は一種の清涼剤だった。その後、彼が崇める Arnest Hemingway(アーネスト・ヘミングウェイ)の短編集なども読みあさった。また彼が昭和期の日本映画の傑作『幸せの黄色いハンカチ』の原作者でもあるとわかると、 その原作 Going Home も気になり、目を通した。今回の私の経験談は最終的に方向違いの文芸書を多読したというところが大きい。
旅行疲れもないこともあり、今回の 1次試験(会場は京都)の成績は前回よりもよく、余裕をもって合格できた。その数週間後、新しく開通した北陸新幹線で上京して口頭試問の 2次試験受けることになった。この時点で私の精神は大いに高揚しており、試験勉強中に出会ったカッコイイ男、作家、ピート・ハミルのことを誰かに話したいとムズムズしていた。そして話した、それも 2次試験中に…。もちろん試験中の質疑応答は国連関連が中心となったが、自分の学習中の経験も述べた。試験が終わって、自分ではよく国連のこともそれ以外のことも話せたと思った、実際よくペラペラしゃべった。手ごたえを感じ、気分もよかった。しかしながら、後に送られてきた 2次試験の成績を見て、それがかなり自分勝手な思い違いだとわかり冷や汗をかくことになる。
今回の 2次試験では二人の審査官に迷惑で失礼な大暴走をした。ピート・ハミルの文章にどれほど魅了されたかを述べて、終盤にはカバンから持参した上記の 2001年度の過去問を含む問題集を取り出し力説した。審査官には、私は求められていない「場違いの話」をまくし立てる「厄介な受験者」にしか映らなかったであろう。試験時間 15分はあまりにも短すぎた。そのためか、意思の疎通(communication)は及第点(10点中8点)に届かず 7点、空気が読めないと思われ理解度(comprehension)も 7点しかもらえなかった。国連の知識を披露するのもおろそか(8点)になったように思える。スピーチの評価(発音や流暢さなど)で稼いで、総点で滑り込みの 8点合格、つまり前回の 2次試験の総点(9点)よりも悪くなっている。本当に失態だと反省している。次回は冷静に適切な態度で高得点を目指そうと思う。
それでも、20数年前にピート・ハミルの文章を選んだ問題作成者の方には喝采を送りたい。確かにこの文章が国連英検の問題文として適切かということでは、首を傾げる受験者もいたかもしれない。しかし実は引用文の中に国連は出てくる。それは、ヘレンの勤めるオフィスは国連近くというくだりである、まあそれだけだが…。上記のピート・ハミルのコラム集 Invisible City:New York Sketchbook の原書は廃版になっている。日本では講談社英語文庫で 1990年に出版されたが、今では古書マーケットに頼るしかない。しかし安価で手に入る。同様に古書マーケットでしか手に入らない翻訳本『ニューヨークスケッチブック』(高見 浩訳、河出文庫)には Going Home の翻訳文も記載されている。
上記の合格体験談を書き終わった後、昨年発行された青木富貴子著の単行本、『アロン アゲン 最愛の夫ピート・ハミルをなくして』を読んだ。1948年生まれ著者は 1984年渡米し、『ニューズウイーク日本版』ニューヨーク支局長を 3年勤め、1987年ピート・ハミルと結婚する。この本では、「地面が揺らいだ東京での最初の出会い」で始まる「二人の出来事」が彼女の立場から書かれている。数年の大変な闘病の末、彼女は最愛の夫を2020年に失い、途方もない喪失感を抱えながら作家として「一人の日常」に戻る中でこの手記を書き上げた。
1980年後半以降ハミル夫妻が住んでいたマンハッタンのトライベッカ地域は、私が 1980年代に住んでいたミッドタウンのアパートに近い。隣人だったことを知るとピート・ハミルをもっともっと好きになった。これまでの受験者の中で、過去問の文章にここまでのめりこむ者がいたであろうか。
[1] 正確を期すれば次のようになる。私は気に入っている文書をそのまま教材として自分が活動する英検学習サークルで使い、その時にメンバーにはその文書の著者と著作名が不明であることを伝えた。するとたちまちメンバーの一人がこの文書のなかの一文を使い“ Google Books ”で検索して、欲しかったインフォメーションを提供してくれた。
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保有資格» 実用英検 1級 TOEIC スコア 955点 留学経験» 海外赴任(アメリカ,2年間) 職業等 » 会社員 |
今回,特A級に初挑戦で合格することができました。本試験に関する有益な情報を得ることが出来,今回の合格に繋がったと言える合格体験記に寄稿する機会をいただけ,大変光栄に思います。
私が 1次試験と 2次試験対策として取り組んできたことの概要を以下に記載します。これから受験される方々の一助となりましたら幸いです。
【1次試験】
過去問演習,語彙力強化,国連関連知識向上の 3点を主に行いました。
過去問演習では,出来る限り多くの過去問(2015~2022年)を解き,問題形式に習熟することを意識しました。出題傾向を把握することで,自分なりの時間配分や解答方針を立てました。文法・読解問題で問われるポイントと解答根拠,エッセイ問題で要求される解答例を単に理解するだけではなく,自分の力で再現できるところまで繰り返し演習を行いました。
語彙力強化では,過去問で出てきた未知語の記憶に加え,GRE Verbal Reasoning 対策の海外の単語帳・単語カードを複数こなすことで,語彙力不足による失点を防ぎました。受動語彙 20,000語超の水準を目標に据えて取り組みました。
国連関連知識向上では,指定テキストを繰り返し読みました。過去に知識問題で問われた箇所とその関連事項,過去のエッセイ問題で問われたトピックに関連する箇所に重点的に取り組むのはもちろん,それ以外の箇所も指定テキストの通読を繰り返しました。通読の際,重要だと思った箇所のみを一問一答式に記憶するのではなく,テキストの英文を文単位,時には文章単位で記憶するようにしました。
【2次試験】
情報収集と想定質問の準備を主に行いました。
まず,国連英検のホームページで紹介されている 3つの情報源から,面接官からの質問と要求される回答レベルの情報を入手しました。具体的には,2次試験対策用テキスト,2次試験モデルケース,過去の合格者の合格体験記です。
次に,本番で想定される,私個人に関する質問とその回答例を事前に準備しました。その際,自分の経験や知識に基づいた具体的なエピソードを盛り込むことで,内容に説得力を持たせるように心掛けました。世界情勢に関する議論については,1次試験の翌日から 2次試験前日までの約1か月間,毎日 UN News をチェックすることで対策しました。具体的には,その日に出たすべての News の内容を UN News のカテゴリーに従って分類し,国連や日本が現在行なっていること,国連や日本が今後行うべきこと,自身の意見や考察の 3つの項目にまとめて,それぞれを約100語の箇条書きで整理しました。その際,客観性を持たせるための情報(国連専門機関や関連機関,安保理決議の決議番号や内容,統計データ,SDGs 等)を必ず含めるようにしました。
最後に,上記の方法で整理した,個人に関する想定問答集と日々蓄積されていく世界情勢に関するトピックの論点を流暢に話せるように毎日何度も練習しました。特に,世界情勢に関するトピックについては,当日未知のテーマの議論となった場合でも,自分が知っている同カテゴリーの話題から臨機応変に議論できるよう意識して練習しました。具体的には,準備した項目の文章をそのまま暗記するのではなく,ポイントや論点のみを記憶するようにし,当日の議論が詰まることなく,円滑に進むように注意しました。
国連英検特A級を受験しようと思った理由は,日本語だけではなく,英語でも,教養のある会話や議論が出来るようになりたいと思ったからです。国際連合はその一つの切り口に過ぎませんが,世界情勢の広範な分野をカバーしていることから,本試験の受験を通じて,世界情勢に関する多岐に渡るトピック,今後も参照すべき情報源,そしてそれらを理解し,自分の意見や考察を述べるための基礎知識を身に着けることが出来ました。
本試験で学んだことを糧にし,自身が目指す理想の英語を目指して,今後も日々の学習を積み重ねていきたく思います。
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保有資格 » TOEIC スコア 975点 TOEFLスコア 100点 留学経験 » 米国MBA留学 二年間 職業等 » コンサルタント |
もともと英語学習に興味を持っておりましたが、単なる語学力の向上に留まらず、近年の国際関係の複雑化に伴い、国連やその他の国際機関が果たす役割について深く理解する良い機会だと考え、この度国連英検A級を受験いたしました。この試験は英語能力だけでなく、国際的な視点および時事問題に対する理解も求められるため、挑戦的ではありましたが、それゆえに大きなやりがいを感じました。
【一次試験対策】
<使用したテキスト>
■多肢選択問題について
国連そのものについての知識があまりなかったため、まずは公式テキスト① を読むことから着手しました。テスト対策という観点では、初めから終わりまで読む必要はないかもしれませんが、個人的な興味もあり、すべてを通読しました。このテキストは国連システム全体の活動を体系的に記載しており、多くの学びを得ることができました。
次に、過去問演習を実施しました。② のテキストに関しては、掲載されている文章が若干古いものの、問題量が豊富で解説も詳細であり、出題形式に慣れる上で有益でした。② を一通り終えた後、新しい年度の過去問については ③ を用いて取り組みました。
■エッセイについて
エッセイ対策においては生成AI を活用しました。国連英検ホームページから取得可能な過去のエッセイ課題について、自分で回答を作成したうえで、その内容を添削する、または模範解答を生成して参考にするなどの方法を取りました。ただし、生成AI には誤情報が含まれることもあるため、必ず自身で情報源を確認することを徹底しました。エッセイの内容については、具体性を持たせるために、SDGs のゴールや国連機関の具体的な活動と関連付けて記載することに留意しました。
■語彙について
今回の試験のために特に読み込んだというわけではないのですが、昔から愛用している ④ Z会の「速読速聴・英単語」シリーズの本が有用でした。この単語集は、単に単語の意味だけでなく、長文の中での実際の使い方が収録されているため、実践的な形で単語を理解するのに重宝しています。
【二次試験対策】
<使用したテキスト・リソース>
■面接について
二次試験については、まずは ① を用いて本番の試験形式を学びました。また公式ホームページ上に面接のモデルケースの動画が掲載されており、こちらも面接の雰囲気を事前に知るのに有益でした。
次に、どういったトピックが来ても対応できるよう、② UN News を用いて日々情報収集するとともに、典型的な社会問題(地域紛争、気候変動、災害対策、COVID-19 、、、など)に関する想定問答を準備しました。具体的には、それぞれのトピックについて近年世界的にどういうことが起きており、国連のどういった組織がどのような活動を行っているかを整理したうえで、どうすればそれらの問題を解決に近づけることができるかなど、自分の考えを述べられるよう準備しました。この準備によって、単に試験対策ということを超えて、いま世界で起きていることに目を向けるよい機会となり、大きな学びとなりました。
また、実際の会話力の向上については、生成AI で対話ができるツールを活用して、リアルな会話練習を行いました。
【最後に】
国連英検は、英語力の向上はもちろん、世界で起きている様々な問題に意識を向ける非常に良い機会となりました。勉強していて、英語力以上に学びが多く、楽しい試験でした。この試験を通じて得られる知識やスキルは、個人の成長だけでなく、今後のキャリアや社会を生きていく上でも大いに役立つことでしょう。世界と繋がるための一歩を踏み出し、自分自身の可能性を広げてください。皆さんの挑戦を応援しています。
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保有資格 » 実用英語技能検定 準1級 留学経験 » なし 職業等 » 上智大学外国語学部英語学科 1年 |
1. はじめに
この度は合格体験記執筆の機会をいただき、誠にありがとうございます。私は留学経験がなく、英検1級もまだ受けたことがない状態で国連英検A 級を受けました。そのため、2次試験の合格をいただいて本当にうれしかったです。ここでは私の勉強方法と試験の内容を簡単に説明したいと思います。
2. 1次試験
私は 2024年度第2回の試験を受ける前に、第1回の試験で B級に合格していたので、そのときの教材をレベルアップさせて準備しました。まずは指定のテキストです。これは時間が足りず、何度読んでもなかなか頭に入らなかったのですが、大学受験の際の世界史の教科書と同じように、テキストを何回も読んで、ポイントとなるところに線を引いて覚えました。過去問の演習をしたときに、過去に出題されたのと同じ箇所について問われることが多いとわかったため、出題されたところにはマーカーでしるしをつけ、重点的に覚えるよう意識しました。また、出題の多い章も一定の傾向があるかなと思ったので、分析しながら勉強しました。山を張るのはよくないですが、意識して勉強するだけで点数が変わってきます。次に、単語帳です。私は、過去問の冊子などで推奨されていたものとは違うものを使っていたのですが、2002年発行の A・B級共通の単語帳で、CD付きものを購入し、愛用していました。CD の音声を食事の時間に流すなどして、単語を見て(聞いて)すぐに意味がわかるように集中して覚えました。A級にはリスニングはないのですが、音声で頭に入っていると覚えやすいのでおすすめです。あとはひたすら過去問を解いてやり直すことを繰り返していました。正直、国連についての知識が足りていたかというと自信はなかったです。本番は、予想通り過去問と同じ文章からの出題があり、見覚えがあったのでそれだけで緊張がほぐれました。英作文は、過去問を見て大体どういったことを書こうかというシミュレーションはしていたのですが、本番の試験で聞かれた問いに関しては、国連を絡めた知識に自信がなかったため、エッセイ感覚で書いてしまい、周辺事項の説明に終始してしまったので、もっと勉強しなくてはと感じました。文法問題も、時間がかかる割に私はあまり正答率がよくなかったため、皆さんには高校で習う範囲までの文法事項の復習をおすすめします(ネイティブの英語の感覚がある方には必要ないかもしれませんが)。
3. 2次試験
私は『国連英検特A級・A級面接対策』というテキストをベースに勉強しました。ここでは、実際にどれくらい点数がとれるかという評価別に面接の内容がスクリプトのような会話形式で文章になっていて、どのような観点で評価されているのか、自分は今の時点でどの程度取れそうかなどがわかるので、リアルにイメージできてとてもためになりました。また、私は国連英検のウェブサイトから閲覧できるモデル面接を見たのですが、特A級の面接なだけあって、あれほど完ぺきに話せる自信はないと思いました。そこで、面接シートの準備に力を入れようと考えました。すべての項目についてより詳しく説明できるように、説明のための原稿まで考えていったのです。こうした対策により、直前の不安を少しは軽減できたと思います。しかし、実際の面接では、時事的なこと(そのときはアメリカの大統領選についてでした)から話が始まり、早い段階で国連の活動についての話題に移ったため、考えてきたことを話す時間はあまりありませんでした。それでも、アメリカの政治や外交は私の興味関心であると面接シートに書いていた通り、大統領選についてはニュースで注意深く聞いていたため、それほど動揺せずに答えられました。その後は、アメリカと国連の関係性の動向や COP16 についての話題など、知識が追い付かず対応しきれないところも多くありました。しかし、焦りを抑えて終始意識していたのは、わからないことを伝えたうえで自分の知っていることを話すという心構えです。私個人の意見ですが、面接官とコミュニケーションしたいという素直な気持ちを大事にすべきだと思います。国連英検に限らず、英語ネイティブの人と会話するうえで重要だと感じています。また、前述したテキストに掲載されている、会話での効果的なつなぎ言葉を使えるようにすることもコツです。私は、国連に関する話題のところで事実と意見の区別をはっきりさせて述べるのに活用しました。概して、面接官との会話は楽しかったです。特に、面接官から別れ際に「あなたとまたお話ししたいです」と(もちろん英語で)声をかけていただいたのが本当にうれしかったです。これまでスピーキングにあまり自信がなかったので、大きな心の支えになりました。とはいえ、やはり知識不足の不安から結果がわかるのが怖かったのですが、母から合格の連絡を聞いて、一人大学で喜びに浸りました。
4. 最後に
私は英語を使った議論の場で自分の意見を言えるようになりたいとずっと思っていたため、国連英検という機会でその第一歩が踏み出せてよかったです。大学でも普段から英語で話す機会は多いのですが、帰国子女の学生に気が引けていたところがありました。今回、試験という公式な場で、合格というお墨付きを得られたことで、大いに自信がつきました。今後も特A級合格を目指して努力するつもりです。ただ単にニュースを見るというだけではなく、国連の活動とのつながりも意識したいと思います。この合格体験記を読んだ純ジャパの方々にも、合格の喜びを体験していただきたいと心から願っております。
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保有資格 » 実用英検 1級 留学経験 » なし 職業等 » ジェンテックス・ジャパン株式会社 |
このたび、国連英検A級に合格を果たすことができ、心から光栄に思います。この権威ある資格試験を主催してくださった、日本国際連合協会の関係者の皆様に御礼申し上げます。また、資格勉強を理解し、サポートしてくれた妻、ふたりの息子にも心から感謝しています。
まず、国連英検に興味を持った経緯からお話しします。2024年の 3月に英検一級に合格した私は、次なる英語学習の目標を探していました。そんな折、トフルゼミナールの一ノ瀬安先生が国連英検特A級の対策について話をしている動画を見て、国連/国際情勢の知識や、高い英語力が必要となる国連英検に興味を持ちました。当初は特A級の受験を検討していましたが、過去問を見た際にその難易度の高さに圧倒され、まずはひとつ級が下の A級から挑戦することにしました。
試験の準備を始めたのが、一次試験の四か月ほど前であった事情もあり、時間に限りがあることを踏まえて、対策は”国連知識”のみに絞ることにしました。具体的には、大問一の国連関連知識、また大問九の英作文のみ対策することにしました。その際に留意したことは、手先のテクニックに頼るのではなく、国連の活動やその歴史に興味を持つことです。国連の活動は盲信すべきではありませんが、人権問題や科学技術、環境問題など数え切れないほど多くの分野の問題で成果をもたらしてきたことは紛れもない事実です。こういった人類が直面する難問に国連がどう取り組むかを少しでも理解しようと、下記の和書を購入し、理解に努めました。
加えて、本試験の公式テキストである下記の本を文字通り何度も読み、年号、国連機関や人名をできるだけ覚えるよう努めました。
はじめは全く知識がなく、非常任理事国の数など、本当に基本的な事柄すら覚えるのに苦戦しました。しかし、最終的にはこの教科書の試験範囲をきっちり読み込み、大問一の過去問では安定して 9点以上が取れる状態に仕上げました(本番では 7点でしたが・・・)。
また、上述の大問九の英作文については、OpenAI社の生成AI、ChatGPT に英作文を書いてもらい、内容を何度も読み、また写経することで SDG や専門/関連機関、プログラムなどを覚えました。例えば、2024年度第一回のA級の英作文は、”Discuss how the UN helps refugees; additionally, focus on one specific example.”です。これを ChatGPT に読み込ませると、UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)の主要な役割と、シリア難民問題に UNHCR がどう取り組んでいるかをまとめた英作文を作ってくれます。これを何度も読み、書くことで UNHCR の取り組みと実例ひとつを、”持ちネタ”としてストックすることができます。最終的には、国連英検のホームページにある過去五年分ほどの特A級、A級の英作文についてこの訓練を行い、本番に備えました。
試験まで残り一か月前を切ると、国連英検過去問題集を購入し演習を積み、問題の傾向をつかむよう努めました。例えば、大問三は易しいが、大問四は英検一級より難しい語彙であること、などもこの演習を通じて知りました。二年分ほどではあるものの過去問の演習を通して、例年の合格点 70点前後はどうにか取れるのではないかと予想していました。結果、一次試験本番では嬉しい誤算の 80点を獲得し、二次試験に駒を進めることができました(上述の通り、大問一の国連関連知識は 7/10点、大問九の英作文は 18/20点でした)。
二次試験対策は、”UN Newsを毎日読むこと”としました。心がけたのは、同じ記事を何度も何度も読むこと。一度読むだけで終わりにせず、UN News のアプリをスマートフォンに入れ、興味深い記事をブックマークし、通勤中や昼休みに何度も読みました。例えば、二次試験の準備を行っていた 24年の 11月~12月当時、UN News で取り上げられていたトピックの COP29 や、イスラエル-レバノンの停戦協定などはもちろん、国連事務総長グテーレスの声明などを毎日チェックし、繰り返し読みました。
私は、英検一級の二次対策時に、10本ほどのスピーチを丸暗記して臨みましたが、今回はそのような対策はとらず、国連の活動に興味を持ち、また国連に関する幅広い情報に触れることのみに注力しました。というのも、国連英検の二次試験の評価項目のひとつは”Knowledge”です。ここは、自分の言いたいことを伝える英語力を前提とはするものの、基本的には国連の知識が評価されるはずです。今回は、ここで少しでもいい点数が取れるよう準備しました。
少しですが、二次試験のテクニック的な側面に触れます。私は、自分の興味がある分野、特に仕事に関わる分野に話を誘導するのがいいと考えています。例えば、私は自動車業界で技術者として仕事をしているため、AI やサイバーセキュリティなどに多少の知見があります。私は、二次試験の会話でそのような領域の話に誘導するため、事前の面接シートにそれらの技術に興味がある旨を記入しました。加えて、これらの分野に関する国連の取り組みを調べ、話せるようにしました。私の場合、AI であれば、ITU (International Telecommunication Union) が、AI for Good という国際サミットを開いていること、サイバーセキュリティであれば、近年病院に対するランサムウェアなどのサイバーアタックが急増しており、WHO (World Health Organization) が他機関と連携して、技術サポートや標準化を推進していること、などを事前に頭の中に入れておき、本番に備えました。
二次試験本番は、大変話しやすい外国人女性の面接官でした。事前準備しておいた AI やサイバーセキュリティの質問も二問ほど聞かれ、ある程度準備した回答を話すことができました。その他も質問は多岐にわたり、考えたことがないような質問もありました。それでも、UN News で読んだ内容が不意に自分の口から出てきたときは我ながら驚きましたし、一次試験の準備の際に熟読した、”新わかりやすい国連の活動と世界”の内容も、少しですが話すことができました。下記が、聞かれた質問の一部です。
二次試験で私が話した内容は、専門家や面接官の方からすれば、表面的で、理解が不十分なものばかりだったかと思います。それでも事前に国連知識について調べ、本番ではその知識に基づいて回答を瞬時に作り上げ、面接官の方と議論を交わす経験ができたことは、かけがえのない経験でした。私は、この二次試験こそが、国連英検の大きな魅力ではないかと感じています。結果、二次試験は”Comprehension”と”Knowledge”で 10点満点を獲得し、合格することができました。数か月にわたり国連の勉強をしてきたことが報われた気持ちになりましたし、英語力だけでは測れない、真の国際人へ僅かですが近づけた気がしました。
私は、国連英検の魅力はまさにそこであり、真の国際人への一歩を踏み出せる点ではないかと考えています。私はもともと英語の学習に興味を持ち、ここ四年ほど取り組んでまいりました。その中で蓄積した、語彙や文法、発音などの知識は、世界の様々な英語話者と意志疎通する上で、言うまでもなく重要です。しかし、さまざまなバックグラウンドを持つ彼らが、国際的な問題(その多くはその重要さゆえ国連が取り組んでいるはずです)をどう捉えているか、を理解することは、それと同じくらい重要だと思います。国連英検の勉強は、その理解を深めるのに大変役立つ試験だと実感しています。私は米国の会社で勤務しており、外国人と話す機会も多いです。国連英検A級の合格で得たものをどう生かしていくか、これからも考えていきたいと思っています。
今後も、真の国際人への追求をやめず、国連英検特A級に挑戦する予定です。国連に関する洋書も複数購入し、少しずつ読んでいます。昔読んでいた難単語が掲載されている単語帳も引っぱり出し、さらなる語彙力増強に努めています。合格した際、また今とは違う自分に出会えるのではないかと、今からワクワクしています。
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保有資格 » 実用英検 1級・TOEFL iBT 105点・国際バカロレア(IB)・ スペイン語技能検定 3級・実用タイ語検定 4級 留学経験 » なし(父の海外赴任に伴いタイにて通算 12年間在住) 職業等 » 一橋大学・社会学部 3年 |
この度は国連英検A級、また合格体験記執筆の機会を頂けて大変光栄に思います。
私が国連英検にチャレンジしてみようと思ったきっかけは、学生時代を海外で 12年間過ごして培った英語力と、大学で学んできた国際関係の知識を変わりゆく国際情勢の中で試したいと考えことが背景にあります。国連英検A級では、英検1級以上の単語が多用されることに加え、国際情勢に関する深い知識が不可欠であることを実感したため、まずは国連英検A級に向けて試験対策を個人的に工夫しました。国連に関するマニアックな知識と、英語の難易度も高いため、なかなかハードな試験ではありますが、改めてこのような形で合格体験記を執筆する機会をいただけて非常に嬉しいです。少しでも、これから国連英検A級を取得される方々に、何かしら参考となる内容となれば幸いです。
【一次試験対策について】
まず、一次試験対策で使用した教材と具体的な対策は以下の通りです。
① 『新 わかりやすい国連の活動と世界』
こちらの参考書を軸に、一次試験並びに二次試験の対策を行いました。不可欠な国連に関する活動や具体的な機能について理解を深めていくように熟読しましたが、内容が膨大且つ難解であるため、以下の手順で学習を進めました。
こちらの国連英検ノートはライティング対策や二次対策でも大いに活用することになったため、参考書を基に指定範囲を全てまとめて良かったです。また、通学時間やバイト休憩時間も利用して、こちらの参考書を熟読するように心がけました。
② 国連英検過去問題集A級 2019・2020年度実施 / 2021・2022年度実施 / 2023・2024年度実施
国連英検テキストを熟読後、実際にA級の過去問に取り組みました。ここからは私が問題を解いている際に特に苦戦した範囲を克服するために意識したことをご紹介いたします。
《過去問分析から出題ページ把握》
大問1 で最初に国連に関する知識が出だれますが、直接① の参考テキストから出題されるものの、内容がマニアックであるため、最初は全然点数が取れなくて悔しい思いを何度もしました。問題を解き終わってから採点の際、最もこだわった点として、問題を間違えては、参考書の【どこに載っているか】自分で探して、見つけたら参考書へ直接【〇〇年度第○度出題】とメモを残し、付箋をつけました。これを 2019年度のものから 2024年度まで出題された問題と出題箇所を把握することで、大体どのページから大問1 を出題していることを把握することができました。大問1 の過去問分析を行なったことから、出題傾向や実際に同じ問題が何度も出題されていることを確認することができたため、出題される頻出ページを特定することができました。
《ライティング対策:テキスト第4 – 6章でテーマごとに国連の活動をチェック+とにかく書いてみる》
ライティング対策として、国連英検テキストの第4 – 6章を中心に、国連の活動を整理し、過去問を通じてさまざまなテーマに触れるようにしました。
③ 『英英英単語・超上級編』と Foreign Affairs(ニュース)
大問4 で出題される 4択の語彙を問う問題もまた英検1級以上の単語ばかりで、普段聞き馴染みにのない単語・熟語が出題されるため、『英英英単語・超上級編』の単語帳を使って少しずつ語彙を増やすように努めました。過去問で不正解となった単語も、こちらの単語帳にメモをして反復的に覚えるようにしました。尚、単語帳以外では Foreign Affairs で日頃から最新の国際情勢に関するニュースを確認するとともに、語彙を増やすようにしました。
【二次試験対策について】
次に、二次試験対策で使用した教材と具体的な対策は以下の通りです。
① 『国連英検特A級・A級面接対策』
一次試験の合否を郵送でいただいた翌日、書店にて上記対策本を買いに行った覚えがあります。
参考書では主に、二次試験の評価項目と採点基準を確認し、過去に出題されたトピックスをパラパラと確認しました。具体的に二次対策は行いませんでしたが、一次対策で作成した国連ノートを復習し、本参考書で評価項目や採点基準に満たすように、出題されたトピックスをいくつか選択してマインドマッピングしました。
② データ収集:TED Talk や UN 公式サイトにて
こちらは面接対策のためのみならず、普段大学で勉強する際に調べたデータを、作成したノートにまとめ、試験前まで復習しました。
③ Foreign Affairs にて出題されそうなテーマをチェック
一次試験対策でも Foreign Affairs を活用しましたが、二次対策でもこちらを参考にしました。 国連に関するニュースは最優先に、また出題されそうなテーマ(例:安全保障・移民問題・貧困・人権侵害問題・紛争解決・気候変動・女性の人権啓発・SDGs など)と今日ホットなトピックなど多面的にチェックするようにしました。
④ 「面接シート」を入念に
一次試験の合否と一緒に、「面接シート (Interview Sheet)」が送付されてきます。事前にいただけるものですので、面接でどんな形で活用されても良いように内容をじっくり考えて各項目を偽りなく、なおかつ興味ある分野を書くようにしました。
【二次試験の流れと実際に受けた質問】
初めての国連英検A級二次試験で緊張しましたが、外国人の面接官の方が面接室へ案内してくださり、面接シートに沿った内容から始まり、リラックスしてお話しすることができました。私は人とお話をすることが好きなので、面接時間があっという間に過ぎてしまいました。
実際に受けた質問は以下の通りです:
以上 7点について質問を受けましたが、こちらから興味ある分野を選択できる自由度が与えられたことから、自分が得意とする国際関係の分野へ誘導するように自らテーマを選択し、面接シートを入念に書きました。
また、面接では論理構成(Statement → Analysis → Conclusion)を整理しながら、② で収集したデータを自分の主張に交え、テキストで記載されていたこと・個人的な経験に基づいてお話しを展開していくように意識しました。例として、貧困問題では私が大学1年の際にタンザニアへ渡航して人道支援を行なったこと経験から貧困の現実について、テロリズムの台頭についてはセキュリティ・ジレンマや国家の安全保障強化による抑圧と過激派の台頭(ISISなど)の話をしました。
【二次試験終了後・合否を受けて実感したこと】
初の二次試験終了後、当初は得意とする国際関係の知識や、国連に関することを踏まえて受け答えができたと達成感を感じたものの、数時間後に「こう言えば良かった。あれを言いそびれた。下調べが足りなかった」などミニ反省会を行いました。達成感がありながらも悔しさが残り、合否が届くまでドキドキする日々が続きましたが、二次試験の総合評価が惜しくも「9」でしたが一発合格でき、その時の喜びはとても大きなものでした。合否を受け、国連の活動と国際関係を学ぶ楽しさ、英語で学ぶ楽しさを改めて実感することができ、引き続き真の国際人になれるように日々励んでいきます。
【今後の目標】
国連英検A級の合格は間違いなく大きな達成感をもたらし、念願の合格カードをいただけて嬉しさを感じたのとともに、この合格に満足することなく「絶対国連英検特A級に合格する!」ことを次の目標としています。また、長年海外で生活してきて培った国際感覚、語学力と今日まで学んできたことを踏まえて、今後キャリアでは小さい頃から憧れの外交官になれるよう、国際関係・外交の分野で活躍できるよう努めていきます。最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。