保有資格 » 実用英検 1級 留学経験 » なし 職業等 » 早稲田大学政治経済学部 1年 |
【はじめに】
この度は合格体験記寄稿の機会をいただき、誠にありがとうございます。私は帰国子女ではなく、二次試験を通過することに苦戦しました。今回はそんな私の、「純ジャパ」からの視点を簡潔に共有させていただければ幸いです。
【一次試験】
<使用教材>
①『国連英検 特A級・A級対策【改訂版】』
②『改訂版 究極の英単語Vol.4 超上級の3000語』
③『新 わかりやすい国連の活動と世界』
④『国連英検過去問題集[特A級]<2019-2020年度実施>』
一次試験では単語力が物を言います。英検一級の単語力では及ばないことを①をめくった時点で痛感し、② で単語力強化に努めながら、並行して ①,③ を進めました。Foreign Affairs と The Economist に関してもオンラインで無料公開されている部分は読み、試験で出されるレベルの長文に親しむことが必要です。本番では読んだことのあるForeign Affairsの記事がそのまま出たため、非常にラッキーでした。このルーティーンを続けた結果、3ヶ月程で単語力・読解力にはある程度自信がつき、次にエッセイの対策に移りました。
エッセイは誰かに添削してもらわずとも、得点源にできると思います。まずは ① に載っているモデルアンサーを真似て雰囲気を掴み、なるべくデータに基づいたアンサーを書けるよう練習しました。ここでは UN News や ③ で得た国連に関する知識があると採点官に好印象を与えられるでしょう。ジェンダー平等や環境問題について、国連のどの機関がどのような取り組みをしているのか書けるようにしておくのがおすすめです。私の場合は UNICEF と UN Women に特に関心があったため、この二つの機関に関しては活動を暗記してどんなトピックにも紐付けられるようにしました。どの国連機関でもいいので、「得意な引き出し」を持っておくと強みになると思います。
最後に ④ でシミュレーションをし、一次試験は一発で合格することができました。毎日の小さな積み重ね(単語力強化、海外ニュースのチェック etc.)が一次合格への 1番の近道だと思います。知識を増やすことを楽しみ、コツコツ頑張ることを大切にしました。
【二次試験】
冒頭でも触れましたが、私はリーディング・ライティングに比べスピーキングの能力が欠如しており、二次試験を通過するのに一年近くかかってしまいました。高校三年時に初受験した際は 10点中 6点で不合格でしたが、今回は 9点で合格することができました。主観ではありますが、私が得た教訓をお伝えできればと思います。
<使用教材>
①『国連英検 特A級・A級 面接対策』
国連英検の二次試験といえども、一番重要なのは国際情勢に関する知識ではなく、難しいトピックについて英語で考え、自信を持って伝えられるかだと思います。不合格だった際は、そもそものスピーキング能力が足りていませんでした。知識があればどうにかなると思い、試験前に ① を読んで国連の活動や今起こっている戦争について知識を詰め込みましたが、試験官からの反論に上手く答えられず、対話できませんでした。机上の勉強だけでは、二次試験を通過するのは厳しいです。私は大学に入るまで高いレベルの英語を実際に使う機会が乏しく、スピーキングに限界を感じ、受験を諦めたくなった時もありました。海外経験のない多くの「純ジャパ」英語学習者の方々は、一次試験よりも二次試験で苦戦することになるかと思います。
二次試験で乗り越えられない「壁」を感じた時こそ、国際情勢に関する知識の収集から一度離れ、英語を話す「楽しさ」に戻ることが大切だと感じました。私は大学に入学してから、帰国子女の友達や英語で議論する機会に恵まれ、スピーキング能力が格段に伸びました。英語で考え、議論することが楽しく、どんどん自分の英語に自信がつくのを実感しました。
その結果、ニュースに特別詳しくなった訳ではありませんが、試験官と落ち着いて「議論」できるようになりました。英語でのディスカッションに抵抗がなくなったことが、最大の合格要因だったと思います。
【おわりに】
二次試験の評価項目の一つである Knowledge (International Affairs) を支えるのは、英語を話す自信です。「純ジャパ」にとって、この自信を身につけるのは並大抵のことでないのは、私もよく理解しているつもりです。英語を話さなければいけない機会に恵まれた帰国子女の友達を羨み、英検一級を取得しても「ネイティブスピーカー」にはなれない自分にもどかしさを感じてきました。だからこそ自分が英語にかけた努力を証明したいと思い、特A級の受験を決めました。
越えられない「壁」を感じ本当に辛いときもありましたが、ここまで続けられたのは、英語が大好きという初心に帰れたからです。国連英検の受験者で英語が嫌いな方はいないと思いますが、なるべく楽しい方法で積み重ねた努力が、合格に導いてくれるはずです。一緒に英語で楽しく話してくれた友達や先生、見守ってくれた家族に感謝しています。みなさんのお役に立てれば幸いです!
保有資格 » 実用英検 1級
留学経験 » 家族の赴任により ニュージーランド マレーシア 1歳 ~ 10歳 職業等 » 渋谷教育学園 幕張中学校 2年生 |
この度は、国連英語検定特A級に合格できたことをとても嬉しく思っています。この試験は、私にとって英語力を多角的に試し、自己成長を促す素晴らしい挑戦でした。リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングといった全てのスキルを活用するこの試験に取り組む中で、自分の英語力を再確認し、さらに磨きをかける良い機会になったと感じています。私の経験が、これからこの試験を目指す方々にとって少しでも参考になれば幸いです。
【第1次試験】
第1次試験の準備として、私は『新 わかりやすい国連の活動と世界』を繰り返し読みました。特に重要なイベントの日付や国連の主要な機関の所在地など、試験で問われそうな詳細を徹底的にハイライトしました。そして、これらの情報を効率的に覚えるためにフラッシュカードを作成し、空いた時間に何度も復習しました。さらに試験では高度な英語の語彙力が要求されるため、『英英英単語超上級編』などの語彙集を利用し、新しい単語を積極的に学びました。また、国連に関する知識だけでなく、現在の国際情勢や重要な出来事についての理解も求められるため、BBC や UNニュースの記事を毎日読み、最新の情報を取り入れるように心がけました。こうしたニュース記事から得た知識は、試験の様々なセクションで非常に役立ちました。特に、記事の内容をまとめたり、自分の意見を述べたりするスキルは、エッセイのセッションでとても重要で、これに時間を十分に費やしました。
【第2次試験】
第2次試験の面接では、事前に書いたインタビューシートに基づいた質問や、拉致問題などの国際情勢に関する質問を受けました。そのため、自分がインタビューシートに書いた内容や世界で起こっている様々な問題について深く理解し、それに関連する質問への準備を十分に行うことが大切だと感じました。また、会話の流れを途切れさせずに、自分の考えを整理して話す能力も試験では非常に重要です。私は、国際問題に関連する質問にもスムーズに答えられるように、ポッドキャストや動画を通じて国際ニュースを頻繁に聞くようにしていました。これにより、さまざまなトピックについての知識を深め、面接官からの予想外の質問にも対応できる自信をつけることができました。
この試験に合格するためには、相当な努力と綿密な準備が必要ですが、自分の英語力を試し、さらに向上させるための非常に有意義なプロセスだと思います。試験を通じて多くのことを学び、自分のスキルを向上させることができたのは、支えてくださった方々のおかげです。この機会をいただけたことに心から感謝しています。
保有資格» 実用英検 1級 TOEIC スコア 990点 英単語検定 1級 留学経験» 特になし 職業等 » 千葉県柏市立公立中学校勤務 |
この度、念願であった国連経験特A級に無事合格することができました。これまで応援してくれた家族、SNS で知り合えた方達の期待に応えることができた喜びと感謝の気持ちでいっぱいです。
この試験に挑戦しようと思ったきっかけは、すでに実用英語検定、TOEIC 等で目標をクリアした後、旧Twitter を眺めている時に特Aに合格した若者の投稿を目にし、「自分にも、もしかしたらできるかもしれない。」と考えたことでした。過去の問題集を購入し解いてみると、英検1級と比較するとはるかに難しいとは感じましたが、不可能ではないと言い聞かせ受験を決意しました。
その後、旧Twitter でまんちゅうさんという方が、当時定期的に勉強会を催していることを知りました。連絡を取ったところ、すぐに返信があり、勉強会に参加させていただきました。何度も打ちのめされましたが、試験会場で出会った戦友IさんやYちゃんにも刺激やアドバイスをいただき、ついにこの度、頂上立つことができました。
※ 1次試験にについて
最初の受験で合格点まであと一歩だったので、次回は合格できるかもしれないと思いましたが、考えが甘くなかなか合格点に達することができませんでした。やっと 2023年の第1回目の試験、4回目のチャレンジで合格することができました。当時はWEBで結果を知ることは出来なかったので、試験結果が入っている封筒が過去のものより若干厚みがあったので、急いで開封したところ合格の文字が目に入り、年甲斐もなく小躍りしたことを覚えています。
1次試験使用した教材
□ 新 わかりやすい国連の活動と世界
大問1 では、国連の知識が問われます。このテキストに取り組むことを苦痛と感じる方も多くいると思います。しかしながらこの指定テキストで得た知識はエッセイや 2次試験にも役に立ちます。初めての受験者は数回通読し、国連の活動を理解し、細かい年号月日などを暗記、各機関の概要、出来れば HP にアクセスし、今現在、具体的にどこでどんな活動を何の目的で行っているかを調べると良いと思います。エッセイ、2次試験でも役に立ちます。
□ 大問2・5・7・8 について
これらの大問はいわゆる長文読解です。私見ですが、7 → 2 → 5 → 8 の順に難易度が上がっていきます。読み物としては 5 が難しいといつも思いますが、設問の形式がそれぞれ違うので 8 が最難関であると思います。
国連英検では、世界情勢に精通し、背景知識を蓄えておくに越したことはありません。私は読み物としていちばん多く時間をかけたものは、過去の合格者が勧める Foreign Affairs でした。もちろん UN NEWS は、ほとんど欠かさず、特にこの 2年間は毎日読みました。
また、精読力を高めるために過去にやった参考書としては、「英文読解の透視図」「英文解釈教室」「英文解体新書」になります。過去問には 4 ~ 5 回取り組みました。解く順番を意識した時期もありましたが最終的には 1番から順番に解くことに選択しました。
特に意識をしたのは時間配分です。実際の試験では計画通りにはいきませんでしたが、それでも時間がなくていわゆる「塗り絵」状況に追い込まれないことを特に意識しました。最初に受けたときにエッセイから取り組み、大問8 がほとんどその状況になってしまったからです。時間配分としては、
大問1 5分 大問2 25分 大問3 10分 大問4 8分 大問5 10分 大問6 10分
大問7 10分 大問8 12分 エッセイ 30分
合計 120分の戦略を立てました。
□ 大問3 について
使用した参考書は「上級時事英文法」と過去問題集です。残念ながら前者は現在なかなか手に入りませんが、それでも最近 10年くらいの過去問題集に取り組むことによって傾向を掴むことができます。取り組めばわかるのですが,ここ 2年くらいで傾向がかなり変わっています。難化しているので要確認です。具体的な対策はないのですが、英文を読む際少しでも疑問に思ったことは必ず調べ、わからないことは徹底的に追及する習慣を身につけることが大切です。
□ 大問4 について
10点を狙いたいです。最近合格ラインが上がっているのでは、ミスはしたくはありません。しかしながら、スピーディーな回答も大切です。7 ~ 8分で駆けることが理想で正確さも求められます。過去 6回の特Aの合格最低点は確か 1度だけ 70点を切ったことがありましたが、その他の回はいずれも 70点以上で、今回のテストではなんと 75点でした。特に大問8 で 8点以上取ることは至難の業なので、まず過去問で傾向を抑え、試験 1か月前くらいになったら、時間を測って取り組み、10点を目標にしたいものです。
□ 大問6 について
ここでは語彙、イディオム力が問われます。単語集使用派、不使用派に分かれるかもしれませんが、私が特A級合格を意識して取り組んだ単語集は以下になります。
■ 英英英単語超上級編
■ TOEFLテスト上級英単語2500
■ 究極の英単語プレミアム1
■ 究極の英単語プレミアム2
ただ、勉強会の仲間からアドバスを受け、単語集ばかりに頼るのではなく、New York Times などの英字新聞やエコノミスト、フォーリンアフェアーズなどの記事を読みながら語彙感覚を養いながら語彙強化していくことも意識するようになりました。
□ エッセイについて
初めのうちは、たいした準備もせず試験に臨んでいました。直近の 1年は、2次試験の準備をしていたのでそれが対策になったと思うのですが、点数的にはそれほどの向上はありませんでした。繰り返しになりますが合格最低点がここ数年 70点以上になっていますので、最低でも 15点は取りたいところです。時間的に余裕がある人は下記の対策をしてはいかがでしょうか。
■ 過去問の課題を AI に書いてもらい自分で書き直してみる。
■ 国連関連機関やイニシアティブをエッセイに自然な形で言及する。
■ 分詞構文、関係代名詞非制限用法、強調構文など様々な構文を散りばめる。
■ 同じ単語の重複を避ける。
※ 2次試験について
使用した教材は以下のものです。
■ UN NEWS
■ NHK WORLD
■ オンライン英会話
■ 国連英検特A級・A級面接対策
■ 日曜討論(NHK)
■ サンデーモーニング(TBS)
結びに
国連英検特A級の合格を掴むまで 3781日間英語学習を継続することが出来ました。私は千葉県柏市の中学校の教員として、バスケットボールの顧問を 24年間務めました。バスケットボールの経験がなく、はじめのうちはなかなか指導がうまくできず生徒からも信頼を得ることができませんでした。それでも素晴らしい生徒、保護者に恵まれ4年目で市内優勝を果たすことが出来ました。その後紆余曲折を経て、平成17年には柏市初の全国大会出場を果たすことができました。私に継続することの大切さを教えてくれたのは厳しい練習についてきてくれた生徒たちです。感謝しても感謝しきれません。
バスケット指導者を引退し、管理職になる直前、2014年の 1月31日、私たち夫婦に晴天の霹靂が起こりました。妻が悪性のガンと診断され、進行度合いもステージ3C、医者によってはステージ4 と診断され厳しいものでした。事実を受け止められない中、わずかな希望を求め、血眼になってより良い治療を探し、何の根拠もなく英語学習を続けることを願掛けとしました。以来、どんなに忙しくても、どんなに体調が悪くても必ず英語と向き合いました。つらいと思うことも何度かありましたが、抗がん剤治療でベッドの上でのたうち回る妻、髪の毛どころか眉毛、睫毛もなくなり、骨とか皮のような体となりそれでも病と闘う妻を目の当たりにし、つらいなどと言ってられませんでした。当時乳がんと闘病していたアナウンサーの小林麻央さんが亡くなった時、その先に待ち構えている恐怖に耐えられず大粒の涙が妻の目から溢れました。毎月の血液検査結果を祈るようにして待っていました。そして 2年と 6か月後に再発。どん底に落とされたような気持でした。それでもいつかは治ることを信じて学習は続けました。いつしかモチベーションを保つために資格試験に挑戦し始めました。TOEIC で 950点前後を取るようになってからは、英検 1級を受験。運よく初受験で合格できました。妻はその時かなり体調が悪かったですが満面の笑みで喜んでくれました。TOEIC 990点への道は思いのほか険しかったですが 2021年3月に長いトンネルを潜り抜けました。2人で喜びを爆発させました。再発をしてから3年の年月が経っていました。
国連英検の受験を決意し、ついに 2023年第1回1次試験を突破。ついに妻の主治医から、ガン寛解のお墨付きをいただきました。2回目の 2次試験が不合格だった時、妻が声を上げて泣くのを見て、「次こそは」と 3回目の挑戦を始めました。2024年の 1次試験と 2次試験の間に私のもう 1人のサポーターであった母が他界。棺に入れた手紙の最後に「特A 必ず合格する」と書き加えました。2次試験の結果を期待と不安に駆られながら 8月9日に届く結果を待っていました。不合格の際にはかなり落ち込むとわかっていたので夕方までポストを見に行くのを先延ばしにしました。ポストを開け、封筒があるのを確認し恐る恐る触ってみました。今までと違う感触!合格の証明であるカードをあるのを感じました。はやる気持ちを抑え、急いで妻のところに持っていきました。ハサミを渡して「この封筒開けてみて」と促しました。妻は怪訝な顔をしながら封筒にハサミを入れました。妻の顔が前回とはうって変わってはじけるような笑顔に変わりました。2人で抱き合い、長い戦いに勝った喜びを噛み締めました。
国連英検特A級は私の前に立ちはだかる山のような存在でした。しかし、かつてバスケ部の生徒が耐えた猛練習の日々、妻の病との激闘が私を叱咤激励してくれたのです。合格当日は妻と美酒に酔い、SNS等で知り合えた仲間から多くの祝福メッセージが送られてきました。努力が報われた瞬間でした。
最後に私の合格体験記が、過去の合格体験記が私にとってそうであったように、今後の受験者に少しでも励ましとなることを切に願っております。
保有資格» 実用英検 1級, TOEICスコア 950点, 国連英検 A級, 米国公認会計士 留学経験» 小学校5年の終わりまで父の仕事の関係でアメリカのシカゴに在住 職業等 » 外資系金融機関勤務 |
国連英検特A級の合格通知と共に、A級合格時の時と同様に事務局より合格体験記の依頼のお手紙が同封されており、とても嬉しく光栄に思いました。
特A級はほかの英語の試験と比べて、ハードルの高さを感じた試験だったので、今回受験にあたり投入した時間と努力が実り純粋にとても嬉しくまた合格通知をみて安堵しました。
情報量が少ない試験なので、私の体験記がこれから受験される方に少しでも役にたてれば、と思います。
【1次試験対策】
大問① の知識問題ですが、まずは日本国際連合協会 『新 わかりやすい国連の活動と世界』を購入して読むこと。そして、国連が出来るまでのおおまかな歴史的な背景と組織の概要をきちんと理解することが大切だと思います。ここの理解がないと、理解が伴わない暗記となり、覚えることが苦しくすぐに忘れてしまいます。私は A級に合格してから特A級の受験に進んだので、A級の 2次対策時から YouTube で見つけた代ゼミ世界史講師の佐藤幸雄先生の大人の為の世界史講座の番組の視聴するようになり、古代史から近代史まですべて見ました。併せて A級と特A級の両方の過去問も 2年分くらい復習し、結果このセクションは 10点満点を取ることができました。
一番時間を要する大門②の長文問題ですが、本番では飛ばして最後にやりました。ここに 20分充てられるようにほかの大門で時間配分しながらやっていたので、本番の時は 25分くらい使えました。
合格体験記を読むと Economist, Foreign Affairs, Time などを普段から読んで対策をしたという方を多くみかけますが、私はこれらの雑誌は購入したことはありません。
私は、過去 2年分の Section 2 を複数回復習しました。分からない単語はすべて調べ自分の訳とあっているか解答訳と突き合わせ、間違えた問題は解説を読み込み、最後に全文を声にだして数回音読しました。手間も時間もかかるので、すぐに数時間過ぎてしまいますが、個人的にはこれが最も効果的な勉強法だと思っています。地味な努力が実って、このセクションも 10点満点でした。
大問③ の文法問題ですが、三修社出版『グローバル・エキスパートを目指す 上級時事英文法』と旺文社の『ロイヤル英文法』、そして過去問で対策しました。短いセンテンスに難易度が高い単語が複数入っているので、間違いを見抜くのに苦労しました。使用したテキスト、上級時事英文法は現在絶版していますが、代替テキストが他になく、且つ私はこのセクションが苦手だったので何とか手に入れました。
大問④ はサービス問題です。この試験を受ける方々は皆、満点もしくは高得点だと思います。
大問⑤ ~ ⑧ は長文をベースとしたパラフレーズ、語法のコンビネーション選択、同意語選択、空欄補充問題です。本文も選択肢の単語も難易度が高いため、語彙力がないと選択肢が絞れず、運頼みになってしまいます。速く正確に長文を読めること、語彙力をつけることが重要です。
私が使った単語の参考書は以下2冊です。
究極の英単語 SVL Vol.4 超上級の3000語 (究極シリーズ)
CD付 究極の英単語セレクション 極上の1000語 (究極シリーズ)
私はこれらの参考書で分からなかった単語は英英辞典も調べ、英語でのニュアンスも掴むようにしました。
また、暗記は五感をフル活用、というモットーなので、分からない単語は音声を聞き声に出して覚えるようにしました。
大問⑨ の Essay ですが、特に対策はしていません。なるべく簡潔に素早く仕上げて、大問2に戻らなくてはいけなかったので、駆け足で書きました。
【2次試験対策】
2次面接というと世間では “おまけ” のようなイメージがありますが、この試験では 1次と同じくらい難関と聞いていたのと、日本語でも国際情勢や国連機関について意見を求められてもイマイチよく分からないのに、それを英語でとなると準備は必須と感じ 1次試試験が終了して 1週間後位から取り組み始めました。
1次試験終了から結果が出るまで約1ヶ月ほどあります。この間に国際情勢の知識の収集と国連の活動で自分が興味が持てる機関を探すこと、且つそれを英語で表現できるようにする時間にあてました。
私の場合、2023年10月の A級受験時の2次試験は 12月、2024年5月 特A級受験時の 2次試験は 7月にあり、この間 UN NEWS で常にトップであがっていた国際情勢はイスラエル、パレスチナ問題でした。
この試験を受ける前までは恥ずかしながらイスラエルとパレスチナの地図上の位置もなぜ対立しているのかの歴史的背景も全く理解しておりませんでしたが、この試験に受かりたいと決意した以上このような時事問題の理解は必須なので、A級の 2次対策の時から UN News で上がっているトピックスに関しては世界地図で位置確認をしながら紛争の歴史的背景の情報収集と理解、且つ英語でも表現できるように練習することが日課となりました。
また 1次終了後からは通勤時往復とも BBC Podcast を欠かさず聞きました。BBC のトップで出てきたニュースで自分の知識不足で理解が出来なかったものに関してはネットで情報収集をしました。
面接の練習に関しては想定質問に対する回答は何度も声にだして練習しました。普段の生活から英語を母国語とする方と話す機会がある場合は別として、そうでない場合、自分で声にだして話す練習をすることはとても大切だと思っています。私は試験対策をしていないときでも、歩いているとき、通勤時の電車待ち、色々な隙間時間を利用してよく英語で話す練習をしています。この話をすると、友人から恥ずかしくないの?と聞かれますが、東京のような大都会ですと街自体が騒がしく聞こえませんし、周りも自分に忙しく誰も見ていません。
【2次試験当日】
面接の質問内容は千差万別だと思いますが、やはり一番気になる点だと思うので、私が聞かれたことを共有したいと思います。
① 自己紹介シートから:ここから聞かれる人とまったく聞かれない人と本当に人それぞれのようですが、私は当日ここから複数質問をされました。
② SDG について自分が最も興味があるゴールとその理由。
→ 私は SDG 12番に最も興味があるので、その理由とこのゴールに密接に関わっている UNEP の取り組み、また自分の普段の生活の中で 12番に貢献できるよう取り組んでいる事柄を話しました。
③ 国連が多くの人に活動内容を理解・普及するために必要だと思う課題とその理由。
④ 国連のどのような機関がどのような人たちを助けていると思うか、またそれに対する自分の考え。
→ 2次面接対策として、自分の興味がある機関がどのような活動をしているか色々準備していたので、複数の機関名とそのミッションについて話しました。そのなかの一つの機関である UN WOMEN が中東やアフリカ大陸など女性の人権という概念自体がない地域で女性の地位向上や経済的自立を目指して行っている活動の話をした際に、外国人の女性面接官の反応がとてもよかったのを覚えています。
面接時間終了のベルが鳴った際に、面接官の方に “I think we were able to cover so many UN agencies today.” とコメントをいただけました。
部屋を後にしたときは実力をだしきった、と思いましたが自宅に帰るともっと○○といえばよかった、など、色々な思いが錯綜して不安になりましたが、総合評価 9点で合格することが出来ました。
【試験を終えて思う事】
2023年11月の A級受験合格時に国連協会会長賞を頂くことが出来ました。2024年8月にホテルオークラで受賞パーティーがあり、特A級と A級の受賞者が招待され日本国際連合協会の職員の方々、合格者の方々とお話しをする機会を頂けました。協会の方々は気さくに話しかけてくださり、他の合格者の方たちと皆で面接や試験に向けてどのように準備をしたかを話すことが出来とても楽しく充実した時間を過ごせました。英語の資格試験でこのようなパーティーは初めてだったのでこのような機会を設けていただけた事にとても感謝しています。
そして、資格試験合格に向けてまとまった時間を集中して勉強すると、自分の英語力が以前よりも向上したことを実感することが出来ます。働きながらの受験となると、どうしても土日を勉強時間にあてるためにつぶすことになり、それが億劫で一歩を踏み出せないこともあると思いますが、勇気をだして踏み出すことをお勧めします!私もこれからも楽しく英語を勉強して切磋琢磨していきたいと思います。
保有資格» 実用英検 1級 TOEIC スコア 965点 国連英検A級 留学経験» なし 職業等 » 会社員 |
1. 受験の動機
「英語で議論をする」ことを目標に据え、オンライン英会話を中心にコミュニケーション力を磨いてきました。昨年、国連英検A級を初めて受験し、自分の目標に最もふさわしい試験であることを知り、「次は特A級」と心に決めました。私自身、過去の合格者の皆さんの体験記を大いに参考にさせて頂きましたので、同じような目的意識を持つ方たちに少しでも役立ちたいと思い、共有させて頂きます。
2. 普段の学習法
試験に特化した学習も必要ですが、その土台を作るのは普段の学習です。「英語で議論をする」目標のために私が頼りにしている教材は 2つあります。
一つが、オンライン英会話スクールのレッスン(25分間)。旅行や出張中でも毎日受講するよう心がけています。海外在住や留学経験がない英語学習者にとって、そのハンデを補う上で大変有効な手段です。毎日更新される「デイリーニュース」という教材を主に使いますが、幅広い話題について講師と意見交換していることが、面接試験での想定外の質問にも対応できる力につながったと感じています。
もう一つが、NHK の「杉田敏の現代ビジネス英語」。年4回テキストと音声教材が刊行されます。地球温暖化や環境問題、銃社会、ジェンダー、AI、高齢化社会、働き方改革、フードロスなど現代社会の重要課題について、NY在住のビジネスパーソンたちが深い洞察とともに意見を交わすという内容で、知的好奇心を刺激されます。私は自分が議論をする際の多彩な言い回しを身につけたいと考え、シャドーイング教材として活用しています。
3. 1次試験対策と実際
① レベル違いの単語帳の併用で語彙力を強化
国連英検に特化した学習は 1次試験の 2か月あまり前、3月中旬に始めました。A級受験の経験から、語彙力の強化こそ最重要だと確信しました。というのも、長文読解や空所補充、誤文訂正、同義言い換えなど出題パターンは様々ですが、大半の問題が語彙力を問うているためです。合格体験記を参考に、さっそく「究極の英単語SVL Vol.4」を購入したものの、すぐに心が折れそうになりました。「超上級」を謳うだけに私にはレベルが高く、後半に行くにつれ初見の単語で埋め尽くされていったからです。そこで、英検1級や国連英検A級の受験時に慣れ親しんだ「キクタン英検1級」も併用しました。「キクタン」をヘビロテすることで掲載単語の 100%近いマスターを目指しつつ、より高難度の「究極の英単語」を使い、既に覚えた単語のクロスチェックと、プラスアルファの語彙力を獲得する作戦です。「究極の英単語」については、「とにかくやれる範囲で頑張ろう」と割り切りました。結果的に、実際の試験で遭遇した初見の単語数は想定の範囲内だったため、悪くない作戦だったと思います。
② 時事問題のアップデート
3月から 2次試験本番の 7月まで、以下の教材を活用し、時事問題に関する広範囲な知識のキャッチアップを心がけました。
③ 過去問の演習
1次試験の 1か月くらい前から、週末を利用して過去問の演習を進めました。
はじめの 2回は時間を気にせず解き、後半 3回は大問ごとの時間を計りながら解きました。過去問の活用で重要なのは単に問題の傾向を把握することではなく、大問ごとの所要時間の傾向を把握し、本番でのタイムマネジメントに結びつけることだと思います。私の場合、大問2の長文読解は問題文の難易度により所要時間のバラツキが大きかったため、いったん先送りし、英作文の前に解くことにしました。こうすることで、英作文に最低でも 20分を確保できるよう大問2で時間調整しました。
また、過去問を解いたあとに、問題文や選択肢に使われている意味がわからなかった単語にマーカーを引き、単語帳と照らし合わせ、語彙力強化につなげました。
④ 国連関連知識
国連英検で避けて通れないのが大問1対策です。国連への理解を深めるという目的に異論はないものの、時に出題される微に入り細をうがつ知識には汎用性が乏しく、正直、気乗りしない学習でした。あまり早くから始めても試験時に忘れてしまっては意味がないため、本番 1週間前から集中的に取り組みました。
「新わかりやすい国連の活動と世界」を丸暗記するのは到底不可能なので、5回の過去問で出題された全50問について、該当する記述部分にマーカーを引き、その前後を重点的に繰り返し読むようにしました。過去問で扱われていない範囲から出題をされた場合はあきらめるという割り切った作戦です。結果的に、2024年第1回試験では過去問からの出題がほとんどだったため、大問1 を 10問全問正解という予想外の成績をおさめることが出来ました。満点はたまたまの幸運ですが、時間に限りがある中、労力をどこにかけるかの取捨選択は必要だと思います。
⑤ 英作文対策
同じく、時間がなくて割り切った対策しか出来なかったのが英作文です。過去の出題トピックのチェックは行いましたが、出題されるトピックを想定し、それらについてあらかじめ英作文する時間は取れませんでした。そこで、序論・本論・結論といった構造を守りながら、どんな話題が来ても国連の汎用的な説明(あらゆるステークホルダーが集い、議論する場を提供する、等)を織り交ぜてなんとか体裁を整える、という消極的な作戦でなんとか乗り切りました。本来なら、2次試験対策を前倒しして英作文対策と兼用するのが理想だと思います。
⑥ 合格ラインが高かった1次試験
そして臨んだ 1次試験。過去の事例から、合格ラインは 70点前後だと想定していましたが、蓋を開けてみると 75点という驚きの高さでした。自分の場合、クリアできたのは、やはり、時間をかけて取り組んだ語彙力の強化が決め手だったと感じています。
4. 2次試験対策と実際
1次試験の4日後に解答が発表され、自己採点をしたところ、英作文次第ではあるものの、2次試験に進める可能性はあると判断し、対策を始めました。なるべく広範囲の時事問題について、国連に関連付けて自分なりの見立てや意見を述べられるようになることを目標にしました。前半はひたすら情報収集に専念し、後半は逆に情報をなるべく整理して、自分の意見として内在化できるよう心がけました。
① 情報収集
The Economist、UN News、The Guardian、BBC News、NHK World などのニュースサイトを中心に、国連や時事問題のキーワードを駆使してインターネットから幅広く情報を集め、トピックごとに自分なりの英文メモを作成しました。なるべく英語でのインプットを心がけましたが、日本語で効率的に背景や歴史を学ぶことも効果的だと考え、以下の 2冊を活用しました。
後者は、書店でベストセラーになっていることを知って受験の 1週間前に購入し、一回通読しただけでしたが、とても役立ちました。最新の国際政治や時事問題が池上彰さんの視点でわかりやすくまとめられているため、情報収集の偏りからひとりよがりの意見に陥ることを防いでくれます。国連英検A級以上の受験者に自信を持っておすすめできます。
② 情報整理と内在化
どれほどたくさん情報を集めても、本番で即座に自分の口から出てこなければ何の意味もありません。そこで、試験の 1週間ほど前からは、逆に情報をなるべく削ぎ落とし、整理していきました。最終的に、以下の 7項目について、それぞれ歴史や背景、国連との関わりを含めた英文を作成したうえで、本番を想定して Q&A形式にまとめ、何度も繰り返し音読をして記憶の内在化を目指しました。
ところが、音読を何度繰り返しても、用意した英文がスラスラと出てくるという状態にはなかなかたどり着きません。しょせん、短期間で仕入れた情報や借り物の意見ですから、1週間やそこらで内在化など無理な話なのです。試験日が迫るにつれ、2人の試験官から質問を矢継ぎ早に浴び、フリーズする自分の姿が想像され、不安は募っていきました。
③ 試験当日
それでも試験当日の朝まで、自作 Q&A英文の音読を繰り返しました。そんななりふり構わぬ努力のおかげでしょうか、会場へ向かう電車内で、ふと、自作英文のあらゆる回答に共通しているキーワードがあるのでは、と思い至りました。それは、国連が追求する人類共通の普遍的な価値とでも呼べるもの、"fundamental values of humanity" です。国連はもちろん、アメリカ大統領選挙も、中国・台湾問題も、SDGs も、全てこのキーワードでつながっている気がしました。自分の中で理解が一段深まった感覚です。「今日の面接でどんな質問が来ても、どこかにこの言葉を入れたい」と強く思いました。もしかすると、こういう気付きを経て、初めて意見の内在化が進むのかもしれません。
もう一つ、最後まであきらめないことが役立つ例をあげておきます。やはり当日の行きの電車内で、The Economist の News in Brief を聞いていると、イラン大統領選で改革派候補が勝ったという短いニュースが入ってきました。そのおかげで、本番の面接でいきなり「イランについてどう思うか?」という想定外の質問をされたときに、「これはまずい!」と思いつつもパニックに陥らず、「改革派の候補が勝ったので、今後、民主化が進む可能性が高い」となんとか最低限の切り返しが出来たのです。
さて、試験直前の待合室に話を戻します。「やるだけのことはやった」という自信のおかげか、不思議と緊張感は感じませんでした。「とにかく会話を楽しもう。『思い出そう』という姿勢で臨むと、思い出せなかったときに頭が真っ白になる。そうなるくらいなら、あらかじめ思い出そうという気持ちは捨て、来た球を打ち返すことに専念したほうが良い」という境地に達していたのです。
待合室で隣に座った男性が話しかけてくれたので、そのことを話したところ、「それで良いと思います。とにかくニコニコして楽しむのが一番です」とアドバイスをくださいました。その男性は「今回で5回連続の合格をめざす」とおっしゃるすごい方で、どこかで見覚えのある気がしました。あとで調べたところ、以前 YouTube で動画を拝見した、英語学習や教育の第一人者だと判明しました。話しかけて頂き、気がやすらぎました。この場を借りて、お礼を申し上げます。
いよいよ、面接が行われる部屋に案内されました。部屋にいたのは、大柄な白人男性と白髪の日本人男性。質問をリードするのは、主に白人男性でした。
自己紹介が終わると、いきなり、白人男性がイランについての質問を繰り出してきました。そこから先はとにもかくにも無我夢中でした。記憶している範囲で、やり取りの一部を記しておきます。
■ イランについて
Q. イランでは女性のヒジャブ着用など、人権がさまざまに抑圧されている。その現状をどう思うか?
A. 確かに抑圧はあるが、改革派の大統領候補が勝ったので希望がある。
Q. イランは超保守的だが、本当に可能性があると思うか?
A. かつて保守的だった中東の他の国でも、サウジアラビアのように改革が進んだ国もある。サウジでは、今や女性が車を運転できる。なので、イランにおいても改革が進む可能性はある。
■ パレスチナ紛争について
Q. パレスチナをどう思うか?
A. 10月のハマスの攻撃は許しがたいものだが、歴史的な文脈で理解する必要がある。それ以降のイスラエルの反撃を見ると、犠牲者の数があまりにも不釣り合いという印象を持っている。ハマスの攻撃で亡くなった人の数 1000人に対し、イスラエルの反撃では多くの女性や子供を含む 35000人が亡くなった。
Q. 和平交渉が成立する見込みは?
A. 希望は持ちたい。膠着状態の一つの理由はイスラエルのネタニヤフ首相が意図的に戦争を長引かせていること。ICC がハマスのリーダーとともにネタニヤフにも逮捕状を出した。犠牲者をこれ以上増やさないため、あらゆ手段で一刻も早い和平を目指すべき。
Q. 日本が果たせる役割は?
A. 欧米に比べると、日本は中東で複雑な歴史を持たない。アメリカはユダヤ人の強い影響下で自由な決断ができない。イギリスやドイツもイスラエルやユダヤ人に関する複雑な歴史があり束縛されている。それらの国に比べると、日本は中立的なスタンスを保てており、和平交渉で仲介役として役に立つ可能性がある。
Q. ICC と言えば、プーチンは ICC の逮捕状を無視しているが、ICC は機能するのか?
A. 確かにプーチンは無視しているが、ICC加盟国に入れば逮捕される恐れがある。他にも、ロシアのウクライナ侵攻に対して国際社会の声を示すなど、一定の効果はある。声を上げ続けることが大事だと思う。
■ リーダーについて
Q. バイデン大統領をどう思うか?
A. 概ね支持している。トランプ前大統領に比べれば評価できる。
Q. トランプ大統領候補についてどう思うか?
A. 彼には暴動を扇動した疑いなど問題が多い。もし彼が大統領になったら、彼の標榜するアメリカ第一主義は、国連が追求している人類普遍の価値(the fundamental values of humanity)と正面衝突する。
こうして書き出してみると表面的な受け答えが多く、恥ずかしい限りです。それでも面接の雰囲気やボリューム感が伝わると幸いです。A級よりも特A級は面接時間が長いため、試験官から「時間です」と告げられた時は、「え、もうそんなに時間が経っていたの?」と感じました。時間の感覚を失うほど、集中していたのだと思います。
5. 最後に
合格を頂けたのは、家族のサポートがあればこそです。なかば呆れながらも、英語学習に関して私の好きなようにさせてくれた妻や子どもに深く感謝しています。旅行中や外出時もオンライン英会話を受講したり、試験が近づくにつれ週末を試験対策でつぶしてしまったり。家族の理解がなければここまで来られませんでした。
今回の受験で、「英語で議論する」という目標からまだまだ遠いことも思い知らされました。至らないのは、英語力と教養の両方です。単語帳を使った学習で一時的に語彙力を強化することが出来ても、試験が終わればみるみる忘却が進みます。実際、英検1級や国連英検A級受験時に「キクタン」で覚えたはずの単語の多くを、今回の試験対策を始めた段階では忘れていました。本当に、英語学習とは穴の開いたバケツに水をためるようなものです。そして、国際政治や社会問題の幅広いトピックに関して、誰かの借り物ではなく、自分自身の血肉となっている知識や見識を駆使して建設的な議論を展開できるだけの教養が、悲しいほど足りていないことも知りました。それは、一朝一夕に身につくものではありません。日本語・英語を問わず、読書や他の人との議論を通してコツコツと、楽しみながら積み重ねていくつもりです。そうして学んだことを、家族にも共有していきたいと思います。
最後に、「杉田敏のビジネス英語」で出会った素敵なフレーズをご紹介して終わります。"Always be curious and open-minded. The moment you think you know it all is the moment you stop growing."
保有資格» 実用英検 1級 国連英検A級 留学経験» 英国 1年 職業等 » 会社員 |
この度、国連英検特A級に合格しました。この試験は、グローバルに活躍するためのパスポートとなりうるものです。1次試験での高度な英文や英単語への対応、そして 2次試験での国際情勢に関するディスカッションを通じて、合格後には飛躍的に英語スキルが向上することを実感できます。ぜひ多くの方に挑戦していただきたいと思っています。
1次試験
国連英検特A級で求められる英単語のレベルは高く、語彙力の向上が不可欠です。私は、「究極の英単語 Vol.4」や「究極の英単語セレクション」及び「HACKERS SUPER VOCABULARY」を活用しました。読解力を鍛えるうえでは、実際の文脈やコロケーションと一緒に学ぶことが効果的です。「Foreign Affairs」や「Japan News」を日常的に読み、読解力を高めつつ、生きた語彙を増やしていきました。
また、国際情勢の背景知識不足で文章の読解力が低下しないよう、池上彰氏の「知らないと恥をかく世界の大問題」シリーズを活用したり、国連に関連する書籍を読み、知識を補充しました。
試験対策としては、「新わかりやすい国連の活動と世界」をベースに、国連英検の過去問題集を繰り返し解き、対応力を高めました。このような地道な努力の結果、1次試験を突破することができました。
2次試験
2次試験の対策は、大きく 2つに大別されます。
1つ目は、スピーキング力の向上です。私は主にオンライン英会話で国際情勢のディスカッションに多くの時間を費やしました。会話の瞬発力を高めるために「英語のハノン」にも取り組みました。
2つ目は、時事問題への対応です。国連英検の面接では、様々な国際情勢が取り上げられます。私は過去の合格体験記を読み、話題となりそうなトピックを事前にノートにまとめて準備をしました。具体的には、米大統領選挙、米中覇権争い、AI、ロシアのウクライナ侵攻、NATO、核廃止、国連安保理改革、日本の経済・安全保障政策、SDGs、気候変動、マイクロプラスチック、女性の地位向上などのテーマを準備しました。国では、アフガニスタン、ミャンマー、台湾、シリア、イラン、北朝鮮について、背景知識、国連の取組みや自分の意見が述べられるよう理解を深めました。
実際の2次試験では、次の質問がありました。
2次試験では、国連が直面する問題に対して、国連のリソース・枠組みを活用してどう対処するかを考え、自分の意見を述べる必要があります。国連では日々、様々な諸問題に対して、議論の場を提供し、国際的な法的枠組みを検討し、情報収集・分析を通じて様々なレポートを公表しています。日頃から、国連ニュースに慣れ親しんでおくことが重要です。
最後に
国連英検の勉強を通じて、国際情勢に対する視野が大きく広がりました。今回の合格はゴールではなく、次のステージへの出発点です。今後も継続的な研鑽を通じて、グローバルマインドを養っていきたいと思います。皆様、合格体験記をお読みいただき、ありがとうございました。
この度は国連英検特A級に合格でき、とても嬉しく思っています。
以下、とても簡単ですが、私の合格体験記となります。
<受検のきっかけ>
2年前に、国連英検A級に合格し、国連協会長賞まで頂き、これでやる気になり次はすぐに特A級をとるべきであると思ったので受けさせて頂きました。
<勉強方法>
少し前から過去問を解くなどの対策をしましたが、学校の定期テストなどに追われて、勉強が思うように進まなかったのも事実です。でも、忙しい中でも、自分なりのやり方で準備をしました。
作文に関しては、ピンポイントであるテーマを調べると言うよりは、世界情勢の知識を広く得られるような勉強法を意識しました。主に UN News などの国際情勢を数多く報道しているソースを中心として、それで得た知識をネットで深掘りしたり周囲の人達とディスカッションしたりして、その知識に対しての理解を深めていく勉強法を試みました。
<その他>
二次試験に関しては、一次試験とあまり勉強法は変えずに挑みました。その上、学校では英語ディベート部に入っているので、そこで得た、ある論題に対して議論を深める能力も力となり、合格につながったと思います。
本番ではかなり詳細な知識を問われましたが、その分面接を通じた学びもあり勉強になる時間を提供していただいた試験官の方々には感謝しかありません。
<最後に>
これで国連英検は最後になると思いますが、この試験を通して得た貴重な経験、そして知識を将来に生かすのが一番大事であると思います。
国連英検は無事終わりましたが、これから先もまだとても長いようです。
保有資格 » 実用英検 1級 TOEIC スコア 935点 職業等 » 元IBM , 小学校講師 |
この度は、合格体験記投稿の機会をいただき、ありがとうございます。
合格の連絡をいただいたのが、ちょうど 60歳の誕生日の翌月。
年齢的に遅い挑戦ですが、私の体験記が今後受験される方々のご参考になりましたら、光栄です。
私の国連英検A級の受験動機は、取得した英検1級の次のステップアップという単純なものでした。
過去問に取りかかってみると、国連英検にパスするには、「英語力」と「国連知識」、「国際ニュースの記事を読みこんで理解し、考える力」をつけることが必要だと痛感しました。
英検1級受験の際の、単語を覚えたり、エッセイのストラクチャーを頭に入れたり、スピーチの時間配分を練習したり、といういわゆる試験対策的な勉強から抜け出し、国際情勢を理解し、考え、話すという、国際人としての実用的な力を身に着けていく過程の試験だと、個人的に感じました。
[一次試験]
国連知識に関しては、「新わかりやすい国連の活動と世界」のテキストに過去数年間の試験にでた部分に印をつけ、読み流した後、印の部分そして重要と思われる内容を数枚の用紙にまとめ、その数枚をしっかり覚えるようにしました。
あとは、とにかく国際ニュースの記事を多く読んで、国際情勢を知ること、幅広い英文記事に慣れることに時間を費やしました。
でも、私は、コツコツまんべんなく、という勉強方法が苦手です。年齢のせいもあるのか、集中力も続きません。
まずは、興味を持って続けられることを第一として、「The guardian」や「BBC」のニュースサイトで、重要度に関係なく、好きな国の記事や私的に一番興味を持った記事を選んで取り組み始めました。
記事を読むことに慣れてくると、どんどん読みたい分野や興味をもつ地域が広がり、中東やアフリカの状況、各組織や各国のリーダーや首脳陣の動き、市民の動きにも興味が広がっていきました。
慣れてきたら、ニュースを読む際には、なぜこのような状況になったのだろう、歴史や宗教・民族・地勢など何の影響を主にうけているのだろう、どうしたら解決できるのか、を考えるようにしました。
地球儀を見つめて、大きな枠で眺めている気分です。
現在起こっている紛争等、背景や歴史を理解すればするほど複雑で、解決が難しい事がわかります。
その背後には負担を強いられている人々が絶えず存在します。
社会が、国が、国連ができることは何だろう、と長時間考え込むこともありました。
背景や原因を理解するには、YouTube や Podcast で歴史家、地政学者、国際政治学者の意見を聞くのがとても参考になりました。理解の深みがいっきに増し、感動することもしばしばでした。この過程で、知らぬ間に、国際事情に関する語彙が増えました。
[面接]
面接では、簡単な挨拶、自己紹介をした後に早々と、日本社会でどれぐらい SDGs が理解され、浸透しているかについて聞かれました。そして、その状況は各国と比べてどうか? 更なる浸透の為に国連は何ができるか?などの質問を次々と聞かれました。
私は、「学校教育やメディアを通じて、SDGs に関する知識を広め、行動を促す教育をすること」、「政府や企業によるインセンティブの提供」の重要性をあげましたが、もっと具体的な例や数値で内容を深められたら良かったと心残りでした。
前半は、国連のおもな活動と現状、個人的な見解などをしっかりと聞かれます。
面接後半になると、最近の世界情勢で、気になることや興味を持っていることを聞かれました。
私は、ヨーロッパやアメリカでの移民問題が、多くの選挙の争点となっていることを取りあげ、ポピュリズムに走ったり、暴動を生みだしたり、大局的な視点を見失いがちになっている事例をあげました。
ソーシャルメディアの台頭で、その傾向や社会の二極化が深刻化していることについても話しました。
また、興味をもっている国はどこか?その理由は?と聞かれました。
この、後半の面接では、私が理由を述べている間、試験官がうなずいてくださったり、笑顔で驚いてくださったりの対応がとてもうれしく、頬を紅潮させながら、興奮気味に話してしまいました。
今まで記事を読み進めてきて、積みあがった私の意見を聞いてくださり、それに言葉を添えながらのあいづちや上質な質問をポンポンと投げかけてくださる中で、私は、この面接を受けられただけでも良かったなぁと感じました。
自分の未熟さ、英語を学んでコミュニケーションをする楽しさ、世界情勢を考えて話すやりがい、を緊張の中で感じ、この経験はこれからの自分の学習・行動に大きく役立っていくことと思いました。
今度は特A級をめざして、マイペースで頑張っていきたいと思います。
保有資格 » 実用英検 1級 留学経験 » カナダ在住(5歳〜9歳) 職業等 » 高校生 |
2024年度第一回試験において、初挑戦で国連英検A級に合格することができ、大変嬉しいです。
私は 5歳から 9歳までの間、父の仕事の都合でカナダに住んでいたため、小さい頃から英語が好きで、得意でした。中2 の時に英検一級に合格し、次は何に挑戦しようかと考えていたなかで、国連職員という仕事に関心があったこと、そして英語だけでなく国連や国際的な課題についても学びたかったことなどから国連英検の受験を決めました。ギリギリの点数での合格でしたが、受験を検討されている方、特に私と同じような学生の方の参考になればと思い、私の勉強方法を紹介させていただきます。
一次試験の勉強で私が一番力を入れたのが最後のライティングです。実用英検は自分の意見を述べていれば良いのに対して、国連英検は国連や国際問題に関する知識を求められるため、自分の知識の少なさを痛感しました。私が取り組んだのが、指定テキスト[わかりやすい国連の活動と世界]やインターネットをもとに、さまざまなお題に関する情報をまとめること。これは大門1 での得点にもつながりました。また、UN News Today も活用させていただきました。5分前後の音声版があり、家から駅に向かう間などの隙間時間で聴くことができるため忙しい方におすすめです。
学校の定期テストが終わった次の日が一次試験、という時間のない状況の中、自分のまとめを見返すことと UN NewsToday を聴くことをテスト勉強の合間に続けて、一次試験当日を迎えました。
本番のライティングのお題が私の得意分野の一つである難民についてだったので、それを見た時はすごく嬉しかったです。
二次試験のためには一次試験で作ったまとめに付け加えていく形で知識を深めること、そして引き続き UN News today を聴きづづけました。
私は緊張してしまうので面接試験というものがとことん苦手なのですが、今回の面接は面接官の先生と一対一で話せたのと、先生が終始ニコニコして、相槌を打ちながら聞いてくださったのでいつもとは違い楽しんで話すことができました。優しく聞いてくださった先生に心から感謝しています。
私は面接カードに模擬国連について書いたのでまずそのことについて聞かれました。それから以前、模擬国連の議題となった核兵器について話し、最後に SDGs について話しました。全体を通して私の話したい内容、分野について話させてくださった、という印象でした。
二次試験対策についてひとつ言い切れるのは、早く準備を始めた方がいい、ということです。インターネットでの一次試験合格発表を待っていては間に合いません。合格がはっきりしていないのに二次試験の勉強を始めるのに抵抗があるのもすごくよく分かりますが、時間をかければかけるほど、試験当日安心して、落ち着いて挑むことが出来ます。また、学校の先生に頼る、オンライン英会話を活用するなどして日頃から英語で話すことに慣れておくことも大切だと思います。
国連英検は実用英検などと比べてマイナーな試験で、受験者数も圧倒的に少ないです。実用英検や、TOEIC、TOEFL などを受けた方が将来的にいいのではないかと思ってしまったり、ネットに出回っている情報量が少なくて困ったり、と迷ったり大変な思いをすることも多いと思います。私もそうでした。しかし、国連英検は、資格だけでなく、勉強の過程で英語力だけでなく大切な知識を得ることのできる試験です。だからこそもっと多くの方に国連英検の存在を知り、挑戦してもらえたら良いなと思います。私も特A級に合格できるよう、これからも努力を重ねていきたいです。
保有資格 » 実用英検 準1級 留学経験 » なし 職業等 » 医師(総合病院勤務) |
この度は国連英検A級に初挑戦で合格することができ、とても嬉しく、大変光栄に思います。また、この度は合格体験記を記載させて頂く機会を頂き、誠に感謝しております。
私は現在医師として総合病院に勤務しておりますが、兼ねてから疾患の世界における疫学データに大変興味を持っており、世界の疫学データの統計学的性質について研究するために、国際連合事務局経済社会局人口部が作成している World Population Prospects という世界人口及び死亡数等の疫学データを用いて研究を行う中で、国際連合の活動に大変興味を持ちました。また、世界各国の人口動態において、中東の高所得国の人口動態が出稼ぎ移民の流入に大きく影響を受けていることに興味を持ち、その中で国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動に大変興味を持ちました。さらに、私はマラリア、デング熱等の輸入感染症の発生リスクを評価した厚生労働省のデータを用いた研究も行っており、その中で世界保健機関(WHO)の活動にも大変興味を持ちました。そして、国連に関する知識を取得しながら、国際情勢に関する文章をより精度高く読解する能力を身につけることを目的とし、今回国連英検A級を受験することを決意した次第であります。
国連英検A級の勉強法に関しては、私は今回の国連英検A級を受験する数か月前に英検1級を受験した経緯もあり、その英検1級の受験のために行っていた勉強内容を一部継続+国連英検A級の勉強という形をとっていたことをご了承ください。
まず1次試験についてです。
難易度ですが、私の英検1級と国連英検A級のリーディング問題の正答率が共に 7割前後であったことから、国連英検A級は英検1級とほぼ同等のレベルではないかと実感しております。ただ、リーディング問題の内容に関しては出題形式が異なっており、英検1級は 41問中 25問が語彙、イディオム問題で 16問が文章読解問題であるのに対し、国連英検A級は 80問中 10問が国連の知識問題、20問が文章読解+文法問題、10問が語彙、イディオム問題、10問が文法問題、30問が文章読解問題です。
まず文章読解問題(51~80番)についてから入りますが、英検1級は文章の内容に関する設問に対する正答を選択する形式であるのに対し、国連英検A級は文意を考慮した上での単語の類語選択、空所に適切な単語の選択、そして文章全体の流れを考慮した上での適切な接続詞等の選択といった形式です。国連英検A級の文章読解に必要な語彙力は、英検1級の単語や、語彙、イディオム問題を勉強していれば概ねカバーできるレベルであると実感しておりますが、時事問題に関する文章に頻出する特徴的な単語を知っているとアドバンテージはあると思います。文章内容に関しては、英検1級は教育、文化、歴史、政治経済、医療、テクノロジー等多岐にわたりますが、国連英検A級は国連の活動がからむ内容であることが多く、教育、文化なら UNESCO、医療なら WHO等、文章の内容に関連する国連の機関に関する記載があることが多いです。国際社会における重要な問題や最近の話題等が、英字新聞のような文章で記載してあります。英検1級ほど文章の構成等の難度が高くないせいか、普段から国際情勢に関するニュース等を見ることで自然に得られる背景知識があれば、文章の内容自体は英検1級よりやや読解しやすい印象があります。ただ、英検1級の場合は文章の内容がある程度正確に理解できていれば正答は得られやすいのですが、国連英検A級の場合は文章の内容が理解しやすくても語彙力がなければ解けない(特に 71番~80番)という特徴もあります。
次に文章読解+文法問題ですが、英検1級では文法問題はないため、国連英検A級に特徴的な出題となります。11番~20番は、文章の流れを理解しながら、該当箇所の単語の、文法を考慮した適切な形を選択する問題です。この問題は、文章の構造を正確に理解するのに必要な文法の知識に加え、「この動詞は自動詞のみか、他動詞のみか、両方あるか」等の知識も必要とします。文章構造の正確な把握力や単語を含めた正確な文法の知識を身につけ、あとは反復演習を行えば、ある程度の正答率が得られる問題であると実感しております。21番~30番は正確な語順を選択する問題であり、国連英検A級の設問の中では比較的ボーナス問題的な位置づけではないかと実感しております。国連英検A級の大問の中で唯一、全文を読まなくても該当箇所の読解のみで、文章を構成するための正確な文法知識があれば満点近くをとれる可能性が高い問題です。反復演習で満点近くをとれるようにすることが合格に必要ではないかと思います。
次に 31~40番の語彙問題に入ります。語彙問題は、時事問題の文章に特化した難度の高い語彙力を必要とし、英検1級の語彙の勉強ではカバーできません。加えて、実用英検は過去問題集以外にもオリジナル問題が掲載された問題集が多種類発売されておりますが、国連英検は過去問題集しかありません。ただその代わり、国連英検A級に出題される語彙に関しては、過去問で出題された語彙が、出題される大問を変えて出題されるというケースがそれなりに見受けられます(おそらく過去問題集しか勉強手段がないことに対する配慮ではないかと思います)。私も国連英検A級の過去問題集を 7、8年分解きました。ですので、英検1級の語彙の勉強(でる準パス単+語彙・イディオム問題集)+ 過去問題集を 7、8年分解くことで、国連英検A級に合格するために必要な最低限の語彙力はつくのではないかと思います。
次に、41~50番の文法問題についてです。私は 31~40番の語彙問題と 41~50番の文法問題、この大問 2問の正答率に自信がなかったため、試験を解く際リーディング問題の中で一番後回しにする方針をとりました。あくまでも私の実感ですが、41~50番の文法問題は国連英検A級の設問のなかで最も難しい設問であると思います。であるため、勉強に一番時間を割いたのですが、リーディング問題を一通り解く反復演習を行う中で、何度解いても低い正答率であったため、本番 2週間前に「捨てる」決意を致しました。私は現在 42歳ではありますが、正直「120分の試験時間の大半を経過し脳が完全に疲弊している状態でこの文法問題の高い正答率を得るのは不可能」と思っています(でも実際は高い正答率を得ている人もいるはずなので、信じられないです)。ただ、国連英検A級もそうですが合格するために満点をとる必要はなく、私には英検1級も国連英検A級も時間内に全問解き切る能力はありません。実際、7割以上の正答率を目標にするのであれば、大問 1問くらいは捨てられます(英検1級の時は最終の長文問題(大問1題[小問4問])は捨てていましたが、41問中の 4問です)。初めは 100点中 20点の配点であるライティング問題を捨てる方針で取り組んでいましたが、脳が疲弊した状態では 41~50番の文法問題には少なくとも 20分くらいかかっており、逆に文章読解問題は反復演習で正答率が安定してきた手ごたえもあったため、「20分で10点満点」の文法問題よりは「15分(150字)で20点満点」のライティング問題を解いた方が得策だと思い、本番 2週間前に方針転換をし、残り 2週間は 1日 1問ライティング問題の過去問を解きました。国連英検A級に合格するためには、私がここで述べたようなマネジメントも重要であると考えます。ちなみに、最終的に捨てた 41~50番の文法問題の勉強が無駄だったかというと、そんなことはありません。41~50番の文法問題の理解は、11番~20番の文章読解+文法問題を解くのに生かされます。ですので、41~50番の文法問題を捨てる方針だったとしても、もし 11番~20番の正答率が良くなければ、41~50番を大問1問の単問として演習することは大事だと思います。
最後に 1番~10番の国連の知識問題についてです。私にとっては国連についての基礎知識を取得するのも目的の一つであったため、国連英検の指定テキスト「新わかりやすい国連の活動と世界」の試験範囲を一通り勉強しました。ただ、試験問題に関しては、国連英検A級の設問の中で唯一「過去問と同じ問題もしくは類似問題が出題される」設問です。必ず、「新わかりやすい国連の活動と世界」から出題される様になった年次以降の過去問は解いてください。テキストから抜粋された文章の空欄に適切な正答を選択する形式ですが、「同じ文章で空欄を変えて出題される」ケースも散見されました。ですので、「設問の文章を音読する」という勉強法もおすすめです。この勉強法により、同じ文章で空欄を変えた問題でも正答を得られやすくなると思います。あと、時間があれば、テキストの出題範囲の文章を一通り理解した上での音読もおすすめです。
ライティング問題に関しては、英検1級の場合はリーディング、リスニング、ライティングの配点比率は 1:1:1 ですが、国連英検A級はリーディング:ライティングの配点比率は 8:2 です。ですので、私は勉強し始めのときはリーディング問題の大問当たりの正答率が大問それぞれで安定していなかったため捨て問を決められず、ライティング問題を捨てる方針をとっていました。ですが、通しで反復演習をしていくうちに正答率の高い問題と低い問題がはっきりしてきたため、正答率の低い 41~50番の文法問題を捨て、ライティング問題を解く方針に転換しました。英検1級の勉強でライティング問題の演習はしていたため、本番 2週間前の方針転換でも、残り 2週間毎日ライティング問題の演習を行うことでなんとかなりました。ライティング問題に割く時間に関しては、15分で 150語をベースに「試験残り時間に応じた変動制」という方式をとりました。私が国連英検A級を解く順は、① 1~10番(5分) ② 11~20番(15分) ③ 21~30番(15分)④51~60番(15分)⑤61~70番(15分)⑥71~80番(15分)⑦31~40番(15分)⑧41~50番(すべて勘でマークするため30秒)⑨ライティング(15分)です。すべて足すと 110分30秒なのですが、脳の疲弊によって終盤は 15分→20分程度になります。つまり、ラストのライティング問題に 15分以上残すことを目標にしました。逆に、残り 10分になっても ⑧ まで終わっていなかったら残りはすべて勘でマークして、最低 100語前後は記載する方針を立てていました(150語以上の規定で100語前後の場合採点がどうなるかは存じ上げておりません)。ですので、残り 2週間のライティング問題の演習は、ストップウォッチ形式ではなく15分でセットしたタイマー形式で行いました。1文毎に語数をカウントしながら適宜残り時間を確認し、残り時間に応じて記載内容を調整し、残り 1分前後となったら結語文を書く、という方針をとりました。実際本番は、文章が最近の時事に応じたオーソドックスな内容であったため比較的読みやすく、 ⑧ まで終わった時点で普段の演習時よりも多い 20分以上の残り時間があったため、150字程度記載できたと記憶しております(合格点もやや高めだったのではないかと推察しております)。ただ、15分くらいで150字程度記載した実感でしたが、実際は 20分かかっていました。やはり本番はいつも通り解いているつもりでも演習よりは疲弊しているのだなと実感しました。ですので、本番では普段の演習よりは時間がかかると思って、演習の解答時間の設定をしたほうがいいと思います。記載内容に関しましては、過去問の模範解答のように国連機関の詳細な知識に基づいた論理的な記載が出来たら理想的なのですが、なかなか難しいと思います。私は、SDGs の内容を軸として国連が課題としている内容について体系的に要点を理解し、過去問演習を通じて設問のテーマに対して最低一つの国連機関を想定できるようにし(例:難民問題→ UNRWA、UNHCR;健康問題→ WHO;人口問題→事務局社会経済局人口部;地球温暖化→ UNEP、WMO;若い世代→ UNICEF;教育、文化→ UNICEF、UNESCO;環境問題→ UNEP、WMO;食糧問題→ WFP;人権問題→人権理事会;ジェンダー問題→ UN-Women;国際紛争問題→安全保障理事会、国際司法裁判所、PKO;等)、また、テーマの具体例をいくつか列挙できるようにします(例:難民問題→パレスチナ、ミャンマー;環境問題→地球温暖化、森林伐採、砂漠化;女性の権利→アフガニスタン(タリバン);国際紛争問題→イスラエル-ハマス戦争2023、ロシアとウクライナの戦争;等)。そうすると、オーバーラップしてくる内容が出てきて、その内容がライティング問題のテーマとして融通が利きやすいため、優先して理解し覚えるようにします(例:地球温暖化(グレタ・トゥーンベリ):地球温暖化→海面上昇→蚊の産卵場所増加→蚊媒介感染症(マラリア、デング熱等)増加→ WHO、地球温暖化→海水温上昇→生態系の異変による海洋資源(魚介類)の減少、UNICEF が若い世代を援助することの恩恵→グレタ・トゥーンベリ等の若い活動家の国際貢献、等)(例:若い世代+女性の権利→ UNICEF + UN-Women、等)。このように展開していけば幅広いテーマに対応しやすくなり、15分 150字である程度まとまった内容の記載ができるようになると思います。
長々と記載しましたが、国連英検A級の1次試験の勉強法の軸は「① 英検1級の語彙・イディオムの知識レベルをリーディング問題の合格レベルまで上げる。② 国連英検A級の過去問をできるだけ多く解き、様々な角度から時事問題文章の語彙レベル、文法レベル、読解レベルを合格レベルまで上げる。」ことであると考えます。
次に、2次試験についてです。
国連英検A級の 2次試験は、事前に面接シートに家族構成、仕事、特技、趣味、興味を持っていること、お気に入りの本、訪れたい国等の情報を記載し、面接官がその内容を基に質問するという形式です。ですので、面接シートに記載したことについて準備し、また質問してほしい内容を記載することで、比較的準備はしやすいと思います。ただ、私は1次試験の結果が出てから準備を始めるようでは間に合わないと思い、空振りでもいいからと思って、1次試験終了直後からこつこつと準備を始めました。
まず、2次試験において質疑応答した内容を、記憶している範囲で記載させて頂きます。
⑤ 以外に関しては、事前に準備した内容を基にしっかりと答弁できたと思いますが、⑤ の内容だけは正直虚を突かれたため、どもりながらの答弁になりました。ただ、事前の準備の甲斐あって、国連英検A級の 2次試験を 10点中 7点(合格ライン 7点)でギリギリ合格することが出来ました。
準備のコツとしましては、想定される質問に関し、内容のある答弁で出来るだけ長く話すことが大事ではないかと思います。国連英検A級の2次試験の試験時間は約10分であり、実際上記の ①~⑥ の内容で 10分はあっという間に立ちました。事前に準備した内容で長く答弁できたため、虚を突かれた質問も一つで済んだとも実感しております。逆に、答弁が短いと、それだけ虚を突かれる質問をされるリスクも高まります。国連英検A級に関しては、例えば「国際労働機関(ILO)の活動に関してどう思うか?」のように国連機関を指定しての質問ではなく、「国連の活動について興味を持っていることを教えてください」や「最近興味を持っている時事問題について教えてください」というような、事前に準備していれば長い答弁も可能な質問をして頂ける可能性が高そうです。ですが、国連機関を指定しての質問をされる可能性もあります。それに対しては、まさにライティング問題の準備として行った、SDGs の内容を軸とした、国連の活動に関する上記の体系的な理解を、「記載」→「答弁」に置き換えて準備をしました。以上より、国連英検A級の2次試験の対策の軸は、「① 面接シートに質問してほしい内容を記載し、それに関して事前に答弁の準備をする。② 最近の時事問題について事前に答弁の準備をする。③ ライティング問題の準備として行った、国連の活動に関する体系的な理解を、「記載」→「答弁」に置き換えて準備をする」であると考えます。
最後に
国連英検の最大の魅力は「国連の活動内容に関連して世界の時事問題に関する知識を幅広く得ながら、同内容に関するハイレベルな英文読解力を身につけることができる」ことであると思います。私自身、国連英検A級の勉強を通じて、その目的を概ね達成できたと思います。今回長々と私の考えを述べさせて頂きましたが、英検1級の語彙・イディオム問題の勉強を継続し、国連英検A級の過去問を数多く解くことを通じて得られた経験、実感を記載したまでであります。上記の内容が皆様の国連英検A級の勉強に少しでもお役に立てれば幸いです。上記の内容を参考にして頂いた上で、皆様が国連英検A級の勉強を通じて経験、実感されたことを皆様の勉強の質の向上に活かして頂けたら幸いです。最後に、皆様が国連英検A級の合格を通じてより豊かな人生を歩まれることを、心より祈願しております。
保有資格 » 実用英検 1級 TOEIC スコア 985点 HSK 4級 留学経験 » オークランド大学(ニュージーランド)約4か月間 職業等 » 高校教員 |
私が国連英検に興味を持ったのは、ある友人の特A級合格体験記を読んだのがきっかけでした。私はその時までは、実用英語検定1級に合格していたこともあり、自身の英語力にはある程度の自信を持っていました。しかしその体験記には、聞いたこともないような英語学習アプリや単語帳の名前がズラッと並んでおり、
英語学習には想像を絶するレベルの未知の領域があるんだと思いました。何よりも、試験に向けて工夫を重ねながら取り組んだ学習内容やその方法を丁寧に綴った文面には、英語学習に対する桁外れの熱意が迸っていました。この体験記を読んだことで、私は英語という学問に改めて正対し、謙虚な気持ちで今一度挑戦したいと思いました。
去年は初めての受験だったのですが、特A級を受験しました。最終目標地点と自分の実力がどのくらい離れているのかを把握したかったからです。結果的には 1次試験で合格ラインに届きませんでしたが、試験を受けて分かったことがありました。例えば、文法や英作文については比較的高得点をとれていることや、語彙や国連知識が弱点であることです。これらの分野を補強して再挑戦をしたいとも考えましたが、その前に 2次試験の面接も 1度は経験しておきたいという思いがありました。そこで、まずは 1次試験を確実に突破して 2次試験に臨みたいと考え、今年は A級を受験しました。単語の問題が特に難しいので、「英英英単語 超上級編」を使用して単語力の向上を図りました。国連知識の問題については、過去問を繰り返し解きつつ、「新わかりやすい国連の活動と世界」をこまめに開いて要点を確認しました。このように、自分の弱点を重点的に補強するような勉強をしたことで、1次試験を無事突破することができました。
2次試験に向けては、スマホの動画撮影機能で自分が喋っている姿を撮影し、その動画を見ながら修正するという方法で練習を重ねました。この方法は、教員採用試験の面接練習の時にも使った方法で、自分の発話のクセを把握したり、どのトピックに対してどのくらい話せるのかというメタ認知をしたりする上で大変有効です。情報収集の手段としては UN News を主に使用しました。自分が特に関心のあるトピックを 3つぐらいに絞り、関連する記事を探してひたすら読んだり、YouTube の動画を観たりしました。また、ノートに想定質問集を作成し、回答をなるべくスラスラ書けるように繰り返し練習しました。当日までに用意する面接シートには、特に力を入れてリサーチしたトピック(パレスチナ問題、代替エネルギーに関すること)のみを書くようにしました。実際に聞かれた質問は次の通りです。
最後に、社会人としてなかなか勉強の時間が取れない中で合格を手にすることができたのは、試験の直前まで隙間時間を使って勉強し続けることができたからだと思います。2次試験の約1ヶ月前からは、時間を見つけては UN News のアプリを開くようにしていました。また、面接会場に向かう電車の中や、控え室での待ち時間にもひたすら情報収集し、試験の直前まで話すネタを仕入れ続けました。本番では予想外の質問をされた時に、直前に調べていたニュースの内容から答えることができました。計画的にコツコツ勉強できるのが一番良いですが、このように試験直前まで泥臭く努力を重ね、合格を勝ち取ることができたことも私にとって貴重な経験となりました。
保有資格 » 実用英検 1級 TOEIC スコア 925点 留学経験 » なし 職業等 » 塾・予備校講師 |
はじめまして。山口紘治と申します。
日頃は、塾・予備校等で中・高・浪人生に英語と国語を教えております。
今回、国連英検を受験するに至った経緯と受験対策をお伝えいたします。
私は日頃、教室で生徒たちに
「難しいことに挑戦しなさい」
「常にベストを尽くしなさい」
「失敗しながら学んでいけばよい」
などと偉そうなことを言っているのですが、最近、自分自身がこの三つのことが出来ていないことに気づきました。
特に英検1級合格後の自分は、挑戦・努力・工夫が足りていないことに思い至り、これでは日頃私の話をしっかり聞いて頑張っている生徒たちに申し訳ないと思い国連英検の受験を決意しました。
また今回受験した A級に関しましては、特A級受験のための準備としての意味合いがありました。
これも日頃、教室で生徒たちに、
「高い目標に挑む時は、いきなり難しいことから始めるのではなく、少しレベルを落としたところから始めて基礎固めをしてから徐々にレベルを上げていきなさい。そうすると着実に力をつけていけるから。」
と伝えているからです。
私もこの方針でまずはA級からスタートしました。
勉強法としては、多くの方が書いておられるように私も
『新わかりやすい国連の活動と理解』
『国連英検特A級・A級面接対策』
『国連英検過去問題集』
を使用いたしました。
その中で特に私が重視しているのは、英文の「書き取り」と「音読」です。
私の場合、基本的にライティング・スピーキングのトレーニングは模範的な文章の真似から入るようにしております。
毎朝、起きてすぐに上記のテキストを書き取り・音読するようにしております。
特に注意する点は、
書き取りの際は、
・構文、語彙、論旨の展開などで使えそうな表現・使ってみたい表現があればチェックしておく
音読の際は、
・鏡の前で、鏡の中の自分と目を合わせながら語りかけるように
・気持ちを込めて、身振り手振りも交え、顔の表情も変えながら
音読をする。
ということです。
音読に関しては、朗読いやむしろお芝居の稽古だと思ってやっております。
コフィー・アナン元国連事務総長やアントニオ・グテーレス現国連事務総長の演説も鏡やモニターの前でなりきってやっておりました。
もちろん模倣だけで終わりではありません。
きれいに真似できるようになってきたら、中身を自分の考えと入れ替えていくようにしております。
英検1級の受験対策も、過去問を使用しての音読・書き取りがメインでした。
以前は生徒たちにふざけてお坊さんの「読経と写経」などと言っておりましたが、最近は「英借文と芝居の稽古」と言っております。
何から手を付けてよいかわからない方は、毎日、音読と書き取りから始めてみられるのも良いかと思います。
生徒の英検受験もこの方針でやっておりますが、地味ですが着実に力がつきます。
時事的なことに関しては日頃の新聞・ニュース・読書の範囲でカバーしており、あまり特別なことはしておりません。
ご参考になるかどうかわかりませんが、私も次の特A級に向けて努力を継続しますので、皆さんも一緒に、明るく楽しく元気よく、語学のトレーニングを頑張りましょう!
保有資格 » 実用英検 1級 TOEIC 直近スコア 920 (2023.10) 留学経験 » なし 職業等 » 塾講師 |
【はじめに】
初めまして。東京都内で塾講師をしている小林と申します。この度、国連英検A級に初挑戦し、合格することができて嬉しく思います。
私が国連英検の受験を決めたのは、大学受験指導を本格的に始めてからです。もともと英語は好きでしたが、高校生に自信を持って英語を教えるためには、英検1級やそれ以上の資格を持ちたいと思いました。幸い、英検1級には複数回合格したので、次の目標をインターネットで探したところ、国連英検について知りました。まずは英検1級に相当するA級から受験することに決めました。受験を決意したのは2024年3月で、1次試験が 5月下旬だったため、まずはお試しで受けてみようという感覚でした。
【1次試験対策】(準備期間:2か月)
<使用したテキスト>
①『国連英検特A級・A級対策 [改訂版]』
②『新 わかりやすい 国連の活動と世界』
③『国連英検過去問題集 A級 [2021・2022実施]』
④ 直近の過去問
まず、国連英検がどういうものかを理解するために、① のテキストを購入し、大問ごとの特徴を把握することに努めました。特に苦労したのは、大問4 の空所補充問題と大問5の誤文訂正問題です。英検1級の勉強で語彙にはそれなりに自信がありましたが、正直なところ歯が立ちませんでした。単語の意味を知っているだけでは不十分で、問題で使われている単語にはどのようなコロケーションがあるのか?また、この単語を入れた場合、全体の意味がどうなるのか?時制や構文的な要素はどうなのか?ということを総合的に考えないと太刀打ちできませんでした。これは、語彙のインプットに注力しすぎていた自分への大きな学びとなりました。また、読解問題はシンプルな内容一致問題だけでなく、本文中の単語の言い換えなども問われるため、英検1級よりも難しく感じました。
① のテキストで傾向を把握するのと並行して、② のテキストで国連知識のインプットを始めました。国連英検の大問1 は、国連に関する知識問題が出題されるため、これを熟読して理解を深めることが必要です。時間が限られていたため、A級だけでなく特A級の過去問とも照らし合わせ、出題頻度の高い分野に絞って読み込みました。② のテキストでは、英文による記述のあとに日本語による説明もあるため、双方を交互に読むことで理解がより深まりました。特に英語圏での滞在経験がない私にとっては、英語の理解が難しい部分が多かったため、日本語の説明を合わせて読むことで、文脈や内容の把握が格段に容易になりました。この方法が特に効果的でした。
その後、過去問演習に臨みましたが、限られた時間の中で優先したのは「なるべく直近の過去問から学ぶ」ということでした。優先順位を付けた結果、③ のテキストで2021年の2回分を取り組み、また直近の国連英検の過去問(申し込みの際に協会から送られてきたもの)を解き、自分自身で解説を作りながら理解を深めていく方法を取りました。「解説を作りながら」という作業はかなり負荷がありましたが、辞書やネットで調べながら、自分なりに納得できるまで行いました。
過去問での演習成績は概ね7割で、国連英検の合格基準に届くか届かないかの境界線上でした。ちなみに、英文エッセイについては自己採点ができなかったため、生成AIを使って簡易的に採点してもらいました。当日の自己採点でも 100点満点中 70点くらいでした。合格ラインに届くか微妙でしたが、2次試験に向けた学習を進めるため、テキストを注文しました。
結果、英文エッセイで18点を取ることができ、合計76点で1次試験に合格することができました。
【2次試験対策】(準備期間:1か月)
<使用したテキスト>
①『国連英検特A級・A級 面接対策』
②『新 わかりやすい 国連の活動と世界』
③ 国連英検ウェブサイトの動画
2次試験については、1次試験が終わった後に① のテキストを読み始めました。初めての挑戦ということもあり、まずは試験の概要を把握することから始めました。テキストには、大まかな合格基準が示されており、合格点が取れると思われる面接のスクリプトも載っていたので、まずはそのテキストにしっかり目を通し、自分がどのような話をするべきかを考えました。また、1次試験の準備期間当初から、国連についての知識が不足しているという自覚があったため、② のテキストを読み込み、国連の各機関の役割や課題を把握することに努めました。この作業は、1次試験対策の時と同様、テキストの英文と日本文の双方を見比べながら進めました。さらに、特に国連の SDGs については、馴染みのない話題だったため、ウェブサイトで検索したり、ChatGPT で記事を要約したりして知見を広げるよう努めました。
また、実際のイメージトレーニングに役立ったのは、国連英検のウェブサイトにある『2次試験(面接テスト)モデルケースのご紹介』という動画でした。当日、電車の中で視聴しましたが(もっと早く存在を知っていればよかったです)、面接でどのようなやり取りが行われるのかを想定するのに役立ちました。動画は特A級のもので、試験官の人数や試験時間は異なりますが、この動画を視聴することで、初受験の際にもある程度の流れを想定できたことが良かったです。
国連英検A級の面接は、ネイティブの面接官が一人でした。最初に面接シート(4〜5箇所くらい埋めました)を書いたのですが、面接では記入内容に基づいた質問もされました。職業や趣味の話、国連に興味を持ったきっかけ、国連の機関のうち興味があるものの紹介とその理由、SDGs の中でどれに興味があるか、その理由、またそれが仕事とどのように関連しているかといった内容を話しました。途中でかなり噛んでしまったり、うまく説明しきれなかった部分もあったため、手ごたえは微妙でした。ただし、面接官との対話は非常に楽しく、10分間があっという間に感じました。
結果は、発音・流暢さ・語彙が 6、構成・コミュニケーション・知識が 8 でした。総合評価は 8 をいただき、合格することができましたが、発音・語彙・流暢さについては今後も引き続き課題として残っています。オンライン英会話や会話アプリなどを利用して、弱点を克服できるように努力します。
【次回に向けて】
次は特A級に挑戦するべく、学習を続けていきます。国連英検の準備を進めることで、国際問題に対する興味が深まりますし、日本人が苦手とする自己表現能力も向上すると考えています。様々な方の合格体験記がとても参考になりますので、これから受験を検討されている方は、ぜひ一緒に頑張りましょう。
留学経験 » 5歳 ~ 12歳までアメリカ合衆国に在住 職業等 » 渋谷教育学園 幕張中学校 2年 |
この度は国連英検A級に合格することができ、とても嬉しく思っております。受験した動機は、学校で所属している模擬国連同好会で活動するうちに、国連の知識をさらに深めたいと感じたからです。私は 8年間、アメリカのサンディエゴに住んでいたため、小学校の教育は全て英語で受けました。そのため今でも得意な言語は英語です。私の合格体験記が少しでも皆様の参考になれば幸いです。
[一次試験]
国連の知識を身につけられるよう、国連英検の指定テキスト「新 わかりやすい国連の活動と世界」を繰り返し読みました。このテキストは、ただ読むだけではなく自ら問題を作って解答してみるなど、工夫しながら活用するのがお勧めです。何度も繰り返し解いていると答えを順番で覚えてしまうので、問題の順番を変えてみたり、問題のバリエーションを複数作成したりしました。
読解問題 については過去問題集を繰り返し解くことを心がけました。文法問題は学校の英語の授業で常に触れている内容なので、復習として授業のプリントも見返しました。エッセイは様々な書き方がありますが、私は基本の 5段落 (intro, paragraph 1, 2, 3, conclusion) の形式を使いました。時間が少しでも足りないと感じたら、段落数を減らした方がいいかもしれません。エッセイは見直しが大切であり、2分ほど読み返すだけでもかなりの文法ミスを防げます。私は普段から新しいジャンルの本を読むように心がけていますが、新しい語彙も増えますし、参考にしてみたい文体に触れる機会も増えるのでお勧めです。
[2次試験]
私は、毎朝 UN News をチェックして、自分が興味を持っている SGDs に関する記事がでていたら注意深く読むようにしていました。面接シートには、私が現在取り組んでいるボランティアや愛読書のことなどを中心に、自分がよく理解していることを書きました。自分が大好きなことについて質問をされると、案外ラクに答えられるものです。面接当日は朝食の時から家族と英語で会話をし、日本語のメディアはできるだけ避けるなど、面接の場で英語が出やすくなるよう心がけました。
私は国連英検を受験したことで国連の知識を深めることができ、同時に英語力も高めることができて、とても満足しています。次は特A級合格を目指してがんばります。